レビュー
高校2年生にして剣道日本一を達成した少年・高砂シン。その大会からの帰り道、快挙の達成とは裏腹に剣道をやめようと決意した彼の目の前に現れたのは、編み笠をかぶった小柄な辻斬りだった…… 百鬼夜行。それは、見れば死ぬと言われている妖怪達の大行進。人…
物心ついてから数年、少女シャーリィはある日、唐突に思い出した。自分が前世で日本人であったことを。そして同時に絶望の打ちひしがれる。日本で食べていたあの美食の数々を、もうこの世界では食べられないのかと。しかし彼女は諦めない。否、むしろ燃え上…
ここは作家が集まるネットの通話コミュニティ。プロアマ問わず、作家なら誰もが参加できる通話ルームがいくつもあるけれど、その中の一つに、「キーワード怪談」が流行っている部屋がある。参加者がキーワードを一つずつ挙げ、それらを元に誰かが即興で怪談…
ポップカルチャーの帝王。全米ナンバーワンラジオ局のオーナー。アメリカの選挙戦を一変させた男。カンザス州一の大金持ち。奇想天外なアイデアマン。エネルギッシュな煽動者。 数々の肩書と異名を持つ彼だが、何よりふさわしいのはやはり、もっとも著名な偽…
推しをカタチにする仕事 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:安藤狂太郎集英社Amazon 推し。 いつの頃からか私たちの生活に入り込んできたこの言葉。アニメ、漫画、ゲームといった二次元のキャラクター。アイドルやスポーツ選手といった三次元だけど遠くにい…
本作『深淵のテレパス』は、いわばホラーとミステリのポップなマリアージュ。特に主人公ら視点の際の文章の軽妙な語り口と、それとは裏腹の、ホラー部分の嫌なものが忍び寄ってくる恐ろしさ。そして、ストーリーの中でさりげなく登場している小物や設定が終…
「家に帰るまでが遠足です」 私たちは子供の頃そう言われました。 でも、西の勇者はこう言いました。 「魔王を倒して終わりじゃない。生きて帰るまで俺達の旅が続く」。 そう、これは勇者たちが故郷に帰る物語。勇者たちのために、家族のために、旅を終わら…
子供はまだ何色にも染まらず吸収力が高いだけに、ちょっとしたことが後の人生を大きく変える出来事にもなりうる。そう、たとえば性癖とか。その相手が、普通の人間にはない特徴を有する異種族であればなおさら。 年齢不詳のギャルエルフに「握手洗い」をして…
母が死んだあの日から、夢を諦め堅実に生きることにした。 不動花壱は絵が好きだった。上手だった。将来はそれで食べていきたいと思っていた。でも、一人で自分たち兄妹を育ててくれた母が死んだ15歳のあの日、彼は筆を折った。妹を育てるため、勉強し、バ…
桐山はある新入社員を見て、生まれて初めて驚愕で腰を抜かした。その女性社員・南ことみは、自分が愛してやまないヴィンテージドール、てぃあらちゃんに瓜二つだったのだ。 中野ブロードウェイで運命の出会いを果たしたてぃあらちゃんをお迎えして以来、単調…
品行方正な高校の中で、一人目立つヤンキー高校生・犬飼千秋。一年一学期の内に留年リストに入れられかねない彼をどうにかしろと、担任である化学教師・猫村蘭にお達しが下る。何とか補習に出席させるも千秋は「科学なんて役に立たねーだろ」と吠えるのだが…
「ゾゾゾ」。それは心霊スポットやいわくつきの廃墟を探索して、ホラーポータルサイトを作り上げようというYouTubeチャンネル。落合、皆口、内田、長尾らが怪しい場所に突撃しては怪しいものを探し、撮れ高が悪ければ誰か一人を置き去りにすることも…
ドカ食い。それは生きる喜び。 人は生きていればお腹が空き、お腹が空けば何か食べなければいけない。お腹の隙間を余すところなく埋めるように食らい、ただただ目の前の食べ物を貪り尽くす。 ドカ食い。それは「至る」喜び。 満腹と高血糖の果てに包まれる恍…
母が死んだあの日から、夢を諦め堅実に生きることにした。 不動花壱は絵が好きだった。上手だった。将来はそれで食べていきたいと思っていた。でも、一人で自分たち兄妹を育ててくれた母が死んだ15歳のあの日、彼は筆を折った。妹を育てるため、勉強し、バ…
ザ・キンクス(2) (コミックDAYSコミックス)作者:榎本俊二講談社Amazon というわけで、榎本俊二先生の新作『ザ・キンクス』のレビューです。 小説家の隅夫、専業主婦の栗子、女子中学生の茂千(モチ)に、男子小学生の寸助。錦久家の四人家族が織りな…
テーマが「自分の好きなもの」だっただから他意なくそれを描いた。それだけのはずだった。なのになぜこんなことに。 梅野かえでが描いた馬刺しの絵は、見事最優秀賞に輝いた。その絵が校内に飾られたことで、彼女の馬刺し好きは学校中に広まってしまった。華…
●●●●●。それは近畿地方のとある山を中心とした一体を指す地名です。そこにはいくつかの心霊スポットが存在しているが、どうやら調べてみると、未解決の行方不明事件や学生の集団ヒステリー事件、YouTuberの奇妙な放送事故、異常な子供の遊びなど、不可解な出…
男らしくないことがコンプレックスの高校教師・久慈は、まさに「男らしくないから」と恋人に振られたばかり。もののはずみでそれが生徒に広まってしまい、デブ・ガリ・オタの三拍子そろった男子生徒らから「恋愛弱者男子を救う会」の顧問になってくれないか…
大学生の村上は、ある日ドラゴンに出会う。異世界からやってきたというドラゴンのイルセラは、一「竜」前のドラゴンになるための修行として人間界にやってきたという。しかしてこのイルセラ、あまりにポンコツ。人間界でどう暮らすかの算段もなく、会ったば…
原作漫画が完結し、アニメもスタートした『ダンジョン飯』。 そして本日発売されたのが、九井諒子ラクガキ本『ディドリームアワー』。九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー (HARTA COMIX)作者:九井 諒子KADOKAWAAmazon 『ダンジョン飯』の筆慣らしや、キ…
立身出世に興味なく、器量を活かした女の幸せも興味なく、ただ剣に生き剣に死ぬことを望んだ女侍・月鍔ギンコ。戦場で死に損なってしまった彼女が、己を殺してくれる敵よ来たれりと仏に祈ると、その願いは聞き入れられた。すなわち、怪物が跋扈する異世界に…
ギャルJK・春山カイカは悩んでいた。自分のアパートに出る怨霊があまりにも荒ぶるため、なみいる除霊師たちが軒並みしっぽを巻いて逃げているからだ。藁をもすがる思いで見つけたのは、同じ学校に通うJK除霊師・乾オサムだった。しかし、彼女いわく、自…
あけましておめでとうございます。昨年はなんだかんだ54本の記事で、平均週1ペース。思ったよりも書いてました。今年も負けずに書いていきたいです。そのためにも、本を読まねば。 ということで、新年一発目はいつの間にか毎年やるようになってた去年の俺…
年の瀬。今年もちょぼちょぼ漫画を読んできました。面白い漫画もあんまりピンとこない漫画もいろいろありましたが、今年読んだ漫画の内、2022年12月現在でまだ5巻以内で連載中のおすすめ漫画を5タイトル、紹介して今年のブログの書き納めにしようと…
日本のとある片田舎。そこには、ある山神の言い伝えがあった。見れば障り、穢せば祟るその荒魂が住まうとされる山には、緑濃い山にはふさわしからぬ金網と鉄条網に囲まれた一角があり、そこには地域の誰も近寄ろうとはしなかった。 その山のふもとに暮らす三…
春。それは始まりの季節。中高一貫の学校に高校から編入した宇野せいかは、いつものように始まりに失敗していた。 どんくさい性格のせいで、いつも新しい環境のスタートダッシュに躓いてしまう。毎度のことに悩みつつも諦めつつ、放課後、普段いかない方へ足…
青木瑠璃。ちょっと人見知り気味の、普通の女子高生だったはずの彼女。でも、ある朝起きたら、その額に一対の立派な角が生えていた。 「あんた 人と龍とのハーフなのよ」「父親が龍だから」「ま 普段通りでいいよ 死にゃしないし」 混乱する彼女に母親はなん…
日々の仕事とか、人間関係とか、疲れて色々どうでもよくなるときって、大人にはあると思うんですよ。 そういうときには、どうでもいいものを摂取して心のタガをどうでもいいくらいにゆるくしちゃうのがいいと思うんですよ。 具体的には、かわいいキャラが下…
高2の春、私こと千田原一花は余命2年だと宣告された。人にはそれを言わないと決めた。私自身も病気を気にしないように努めた。不思議と、あまり怖くも悲しくもなかった。 親に無理を言って、普通に大学受験をして、合格したら大学に通うようにした。宣告され…
サンデーうぇぶりで期間限定全話開放されたいのを見て、以前2話くらいまで読んでそっと離れていた『龍と苺』を再読したのですが、これがあまりに面白くて2日で最新の105話まで追いついてしまいました。龍と苺(1) (少年サンデーコミックス)作者:柳本…