ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2012-01-01から1年間の記事一覧

『バガボンド』『戦国妖狐』「笑う」者の強さの話

以前『バガボンド』と『戦国妖狐』を関連させて「自由」と「運命」について記事を書きましたが(『バガボンド』『戦国妖狐』決定された運命と自由の話の笑顔)、今日は同じく両作品から考える「笑顔」についてのお話。バガボンド(34) (モーニング KC)作者: …

『3月のライオン』言葉の呪と祝の話

現役最年長A級棋士と実年齢+10はありそうな胃痛持ちの棋匠戦。華はないけどそんなことは勝負の熱量と何も関係ないぜと言わんばかりの『3月のライオン』8巻でした。 言いたいこと考えたいことはいろいろあるけど、今日はその現役最年長A級棋士であるところの…

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スピリットサークル、読めば読むほど「あぁ、この作者の芸風に合った設定だなぁ」と、感じます。伏線を上手いこと作中でまとめあげて繋げてくる作者さんなだけに、この積み重ねれば積み重ねるほど使えるコマが増える「生まれ変わりもの」って設定はズバリ大…

こじれた感情が生んだ事件を女子高生探偵が解きほぐす 『名探偵マーニー』の話

人がいればそれだけ悩みがある。トラブルもある。老いも若きも男も女も、それは変わらない。そんな時はマーニーにご相談! ちょっとズボラでぼさぼさ癖っ毛の彼女は、現役女子高生でありながら探偵である父親の助手もしっかりこなし、依頼された事件はばっち…

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ほっぺにチューで爪はひどいと言わざるを得ない(ラブラブなのに) 二者択一にしたからかもしれませんが たしかに。順番的にほっぺにチューの次でツボネへのお願いなのに。 ここで猛然と巻き起こるアルカ実はキルアがあんまり好きじゃない説。

七生の因縁が少年と少女を結ぶ『スピリットサークル』の話

14歳の中学二年生、桶屋風太。霊が見えるという変わった特質を持ちながらも、それを言いふらすでもなく周りが騒ぎ立てるでもないので、平凡な中学生生活を送っている。けれど、9月にやってきた転校生、額に刻まれた大きな傷をまるで隠す風も無く堂々と立ち居…

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バガボンドに戦国妖狐、どちらも自分で集めている作品ながら、自分にはなかった視点がとても興味深いです。 記事を読みながら、戦国妖狐と同じ作者さんの惑星のさみだれで描かれる「超能力のデタラメさ」を少し思い出しました。こう、確信によって運命とチカ…

『HUNTER×HUNTER』キルアとイルミに見る、ゾルディック家の絆の(異常な)強さの話

!CAUTION! 『HUNTER×HUNTER』31巻のネタバレがあります。 『HUNTER×HUNTER』の新刊である31巻。30巻からたった8ヶ月で刊行されるなんてずいぶん早いんだなと思うあたりすっかり飼いならされてる感もありますが、まあそれはともかく。HUNTER X HUNTER31 (…

『バガボンド』『戦国妖狐』決定された運命と自由の話

去年くらいに「今年中に連載完結」というような言葉を目にしたような気がする『バガボンド』の最新刊が発売されてはや1か月。バガボンド(34) (モーニング KC)作者: 井上雄彦,吉川英治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/23メディア: コミック購入: 1人 …

地球のために、中学生たちは先生を殺す 『暗殺教室』の話

名だたる進学校である椚ヶ丘中学校。しかし3-Eは、成績不振者や素行不良の生徒ばかりを集めた隔離クラスだった。ある日、そこに新しく配属された教師は、月の7割を蒸発させ、永遠に三日月にしてしまった犯人である謎の怪物だった。それと一緒に教室へやって…

『からくりサーカス』描かれる家族の特殊さと、主人公たちの特殊さの話

久し振りに『からくりサーカス』を読み返して。 ルシールの最期、ジョージの最期、フランシーヌ人形の最期が感動シーン三強だなー(次点でアルレッキーノとパンタローネの最期)とか、リーゼとエレオノール(幼少期)がかわいい二強だなー(次点で百合とれん…

『おおきく振りかぶって』三橋・阿部の関係の変化とそのきっかけの話

最新刊である20巻が発売された『おおきく振りかぶって』。おおきく振りかぶって(20) (アフタヌーンKC)作者: ひぐちアサ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/23メディア: コミック購入: 3人 クリック: 84回この商品を含むブログ (44件) を見る目標を具体…

クソ凶暴な女子が切って刺して撃って殺して 『デストロ246』の話

南米の最貧困地域で拾われた後にとある「施設」で殺人を教育され、現在は雇い主の許可の下で日本の高校に通う翠と藍。「文部省教育施設特査」という肩書を持った女子高生殺し屋、的場伊万里。ヤクザの娘にしてとある麻薬ルートの元締め・苺と、その「両腕の…

『GIANT KILLING』『宇宙兄弟』声援が押す誰かの背中の話

新刊の発売された『GIANT KILLING』。GIANT KILLING(25) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/10/23メディア: コミック購入: 3人 クリック: 51回この商品を含むブログ (35件) を見る前巻から続くサポーターの過去話…

切り取られた恐怖の断片 繋がる恐怖の糸 『後遺症ラジオ』の話

普通の人達が普通に住んでいる日常。でも、一皮剥いたすぐそこに見知らぬ恐怖は転がっている。それはまるで、ラジオのチューニングが偶々あうかのように、唐突に現れる。そして、何か聞こえたと思った時にはもう遅く、ダイヤルの行き過ぎたラジオはノイズし…

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いつも楽しく拝見してます。 『春はあけぼの月はなう空もなお』 ラスト2話でようやく清少納言と藤原定子をオーバーラップさせてることに気がつきました。 人の日々の思いは1000年経っても根本的には変わってないことを改めて感じます。(同時に『大奥』8巻…

『ゴルゴ13』に見る、コマ分割による情報優先度の変化の話

『ゴルゴ13』と言えば、巻数が多い作品、連載が長寿である作品として、『こち亀』と共にしばしば名前が挙がりますが、連載が長いだけあって、様々なコマ使いが見られます。今日はその中で、なるほどと思った一つをご紹介。ゴルゴ13 (Volume88) BEST BANK (SP…

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記事、楽しく拝見させていただきました。 へクマティアル兄妹の差異を改めて認識できて、アニメ二期に向けて胸が熱くなる様な、そんな感覚です。ありがとうございました! 楽しんでいただけたようで光栄です。 『ヨルムンガンド』はいい意味で説明不足であり…

ピアノでつながるすれ違いの二人『ゼッタイドンカン』の話

バイエルが終った程度の腕前にもかかわらず、それでも部内では一番上手いからと、合唱部での伴奏係を押し付けられた女子高生・瀧歌音。音楽室のピアノで練習するも一向に上達せず、ひどく落ち込んでいたのだが、そこに現れたのはクラスメートの男子・中森。…

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以前、ヨルムンガンドのヘクマティアル兄妹についてコメントさせて頂いた者です。今回の記事も大変興味深く読ませて頂きました。 自分の好きなように武器を売るために武器を売る、謂わば生粋の武器商人である兄に対して、大きな矛盾を抱えながらそれでも生き…

1000年前の情感が現代の漫画で蘇る『春はあけぼの 月もなう 空もなお』の話

平安中期の女流文学者・清少納言の著した名作古典『枕草子』。季節の折々や日常でふと思ったことなどを書きやった「をかし」の世界が、1000年の時を経て現代の息吹を吹き込まれる……春はあけぼの 月もなう 空もなお (Next comics)作者: サメマチオ出版社/メー…

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初めてブログというものにコメントします。 ブログの慣習を知らないもので失礼にあたっていたらすみません。 ヨルムンガンドはとってもストーリーが興味深くて、一気読みしたマンガです。武器を憎みながらそれを手に取るしかないけど、悩みながらココたちと…

『ヨルムンガンド』武器商人の兄妹、「異端」のココ/「極端」のキャスパーの話

以前web拍手でこんなコメントを頂きました。 初めまして。ヨルムンガンドの記事、とても興味深く読ませて頂きました。 この作品ではヘクマティアル兄妹のことがあまり描かれていないのですが、山田さんはどのように捉えられましたか? 同じように武器商人に…

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五十嵐大介の方は読んだのですが伊坂幸太郎のほうは未読です。伊坂幸太郎の小説は印象に残らないので・・・。 個人的には最終巻の出た海獣の子供のレビューをしていただきたいのですが。 『海獣の子供』はまだ最終巻を読んでいないので、それを読んでからと…

ボールペンで蘇る日本の神話『ぼおるぺん古事記』の話

現代から1300年も昔に作られた日本最古の歴史書、古事記。日本という国土がどのように生まれ、どのような神が世界を形作り、どのようにして国となっていったのか。それぞれの国や文化がもつ起源の伝説。日本のそれは、神さまとも思えない人間臭い神々が、愛…

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初めまして。ヨルムンガンドの記事、とても興味深く読ませて頂きました。 この作品ではヘクマティアル兄妹のことがあまり描かれていないのですが、山田さんはどのように捉えられましたか? 同じように武器商人になるよう育てられたはずの兄妹が、何故こうも…

『SARU』と『SOSの猿』競作作品のキーワードと両者を貫くものの話

漫画と小説の合作、ではなく競作として発表された、『SARU』(五十嵐大介)と『SOSの猿』。SARU 上 (IKKI COMIX)作者: 五十嵐大介出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/02/25メディア: コミック購入: 17人 クリック: 211回この商品を含むブログ (84件) を見…

『ネウロ』の「悪意」から考える、『HUNTER×HUNTER』の人間と蟻の距離の話

『HUNTER×HUNTER』28巻。HUNTER X HUNTER28 (ジャンプコミックス)作者: 冨樫義博出版社/メーカー: 集英社発売日: 2011/07/04メディア: コミック購入: 14人 クリック: 806回この商品を含むブログ (155件) を見る王との一対一の戦いに敗れたネテロは、従前の約…

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どうも初めまして。『王様の仕立て屋』主人公不在でも回る、確立した作品世界とキャラクターの話』につきまして。気まぐれにググってたら流れ着いた先でいいものを読ませてもらいました。自分もこの作品が大好きで、ブログでレビュー書いたりしてるのですが…

『花もて語れ』ハナの朗読と読み手の同調の身体性の話

月刊連載から週刊連載へと移行した『花もて語れ』の新刊。花もて語れ 5 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)作者: 片山ユキヲ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/08/30メディア: コミック クリック: 26回この商品を含むブログ (12件) を見る4巻辺りから主人公の…