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漫画の話です。

2011-01-01から1年間の記事一覧

『12月生まれの少年』大人びた子供と大人ではない子供の話

12月生まれの少年 ? (バンブーコミックス )作者: 施川ユウキ出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2011/12/17メディア: コミック購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (13件) を見るこの度完結した施川ユウキ先生『12月生まれの少年』。小学生の柊が、日…

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アフタヌーンで連載だけ読んだのですが、この記事読んで読みが浅いことを思い知りました。明日単行本買ってきます そう言われると面映ゆいですね。 漫画版は「兄弟姉妹」「家族」についてどう描いていくのかが楽しみです。

『宇宙兄弟』「ムリしてね」の嬉しさの話

宇宙兄弟(16) (モーニング KC)作者: 小山宙哉出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/12/22メディア: コミック購入: 6人 クリック: 150回この商品を含むブログ (46件) を見るついに月を目指すことを許された六太。次の訓練は、水深20mの海底に設置された“地球…

殺人鬼と出会った女子高生は合格か不合格か『零崎双識の人間試験』の話

女子高生・無桐伊織は、物心ついた時からずっと、あるイメージに囚われていた。何かに追われている。よくわからない漠然とした何か。でも、それに追いつかれたらすべてが変わってしまうことだけはわかっている。だから、ずっと逃げ続けている。そんなイメー…

『ぼくらのよあけ』二つの「友達」とそこを渡る者の話

『ぼくらのよあけ』強化月間の一区切りの記事です。ぼくらのよあけ(2) (アフタヌーンKC)作者: 今井哲也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/11/22メディア: コミック購入: 11人 クリック: 124回この商品を含むブログ (50件) を見るこの作品のテーマというこ…

『ぼくらのよあけ』特異点を超えたナナコの「変化」と生命の話

12月に入って書いてきた、今井哲也先生『ぼくらのよあけ』の記事もこれで3回目。今回と次回で作品のテーマと言える題材について考えて、一つの区切りとしたいと思います。ぼくらのよあけ(1) (アフタヌーンKC)作者: 今井哲也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2…

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ぼくらのよあけにて 前作「ハックス」共に面白かったです。 今井作品は各キャラがたってるので今回の様に個別に考察してもらえると新たな魅力が再発見できて楽しいです。 また山場に印象に残る台詞が心を打つ 「ウソつけるからってついていいわけじゃない」…

ルーラは世界を救う『天空の扉』の話

ルーシュ・モーデリアは、超高速移動魔法「マクロドライブ」を代々継承しているモーデリア家の息子。歴代屈指の使い手だった彼の父ルイ・モーデリアは、「雷光の勇者」レイのパーティで補給・輸送を担っており、自慢の父親だったのだが、魔王ディアボロを倒…

感情をなくした死刑囚は外で生きる夢を見るか 『死刑囚042』の話

刑法の改正により、死刑制度が廃止されることになった日本。同時に終身刑も廃止されたために、それに代わる刑罰として、死刑相当の受刑者を国民のために無償労働させることが考案された。だが、凶悪事件を起こした犯人を枷なしに世の中へ送り出すわけにはい…

『ぼくらのよあけ』記憶を塗り替える28年越しの打ち上げの話

前回に引き続き、『ぼくらのよあけ』について。ぼくらのよあけ(2) (アフタヌーンKC)作者: 今井哲也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/11/22メディア: コミック購入: 11人 クリック: 124回この商品を含むブログ (50件) を見る作品の舞台となる時代は2038年…

『ぼくらのよあけ』漫画における、人間と、人間ぽいけど人間ではないものの顔の話

全10回の集中連載を終えた、今井哲也先生の『ぼくらのよあけ』。ぼくらのよあけ(1) (アフタヌーンKC)作者: 今井哲也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/23メディア: コミック購入: 29人 クリック: 407回この商品を含むブログ (70件) を見るぼくらのよあ…

伝統を紡ぐ職人芸『王様の仕立て屋』の話

イタリアはナポリの泥棒市の隅っこで、小さなサルト(仕立て屋)を営んでいる日本人・織部悠。一見風采の上がらない彼だが、その実、「ミケランジェロ」とあだ名されたイタリア屈指の名職人、マリオ・サントリオが唯一認めた弟子だった。名だたるアルトが匙…

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『ミル』良いですよねーうちのポッドキャストでもがっつり紹介しました! 3巻も出たのでまた近いうちに紹介しますw 3巻の中越さんのかわいさにもうこっちが赤面ですね! ハンターアニメ原作比較、なんとなく感じていた部分が解り易く書かれていて納得です!…

『苺ましまろ』に見るシュールな笑いの話

前回のレビューを書くに当たり改めて『苺ましまろ』を読んで、その不思議なおかしみの感覚を再認識したのですが、果たしてその不思議さは何から来ているのかというのを、もうちょっと突っ込んで考えてみたいと思います。苺ましまろ 6 (電撃コミックス)作者: …

「かわいいは、正義!」だけじゃない 『苺ましまろ』の話

苺ましまろ 1 (電撃コミックス)作者: ばらスィー出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2003/01/27メディア: コミック購入: 7人 クリック: 98回この商品を含むブログ (250件) を見る「かわいいは、正義!」のキャッチコピーがあまりにも有名な、ばらスィ…

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果たして「少女ファイト」は何漫画なのだろうかという話まったく同感。 ですよねー。 キルアのことメッチャわかれました!メッチャ好きなキャラなので!ありがとうございました! どういたしまして。物語が積み重なると、キャラクターの人間性に深みが生まれ…

ヤマシタトモコに見るコマ送り技法による心理描写の話

コマ送り技法は以前の記事で、キャラクターの視点に同調させたり、読み手の時間を操作したり、あるいはシュールな笑いを生み出したりということを書きましたが、 「よつばと!」に見るコマ送り技法のニュアンスの話 - ポンコツ山田.com 「よつばと!」コマ送…

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私もハンター大好きですがなるほど!! って思いました アニメも見てますがやはり物足りない 旧アニメの方を見て育ったので声優やBGMなどにも 違和感があります やはり原作が一番ですね!! とても勉強になりました おもしろかったです 楽しんでいただけたよ…

ヤマシタトモコに見る、越境・連結するフキダシによる読みやすさの話

そこかしこで聞くヤマシタトモコ先生の評判に、「文章が読みやすい」というものがあります。最初は統辞レベルでそれが何によるものなのかを考えてみようと思ったのですが、口語性の強い言い回しくらいしか思い当たることがなく、じゃあそれがどう読みやすさ…

異能の少女との出会いが青年の未来を変える 『7人のシェイクスピア』の話

稀代の詩人、劇作家でありながら、その生涯が謎に満ちている英国最大の文学者、ウィリアム・シェイクスピア。彼には“失われた年月ザ・ロスト・イヤーズと呼ばれる空白時代がある。1564年、イングランドの片田舎に生まれ育った彼が、1585年に自分の子供である…

うちのネコは女子高生で86歳 『ミル』の話

大学に通うため、佐賀から上京した男子学生・アキ。一人暮らしの侘しさを噛み締めている彼のもとに、突然女子高生が転がり込んで来たものだからビックリ。で、その女子高生が実家で飼っていたネコ・ミルが化けた姿だというのだから二度ビックリ。女子高生の…

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「三千世界の…」の解説。非常に分かりやすいと思います。知っていたけれど、とてもこんな風にコンパクトには書けません。ありがとうございました。起請文→熊野神社→神鳥としての鴉の関係に触れたものを探しておりました。当方、落語で得た知識でしたので。 …

思春期の心は素直に語れない 『みかこさん』の話

無口で無愛想な、高校3年生のみかこ。友情、恋愛、受験。変わり映えしない日常にも、変化の波はそろそろと忍び寄ってきて、その気配はまだ変わる準備のできていないみかこを戸惑わせる。昨日と今日。今日と明日。過去と、今と、未来と。流れる時間の中で、…

生涯青春!快足快盗のジジイは走る 『GGG』の話

最近巷に出没する、安いものしか盗まずやたら足の速い泥棒。最初に盗んだものがブルースハープだったことから「ハープ」と名付けられた彼は、実は御年70歳のご老人。年寄りの冷や水もなんのその、自分が楽しいと思ったことに忠実に、時には人助けもしつつ、…

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すごい… わたしはただただなんとなく感情やキャラの設定がしっかり している…と思ってましたが・・・ より深く、わかりやすく、根拠さえ感じさせる考察にうなってしまいましたw そのうえでアニメを否定することのないコメントも素晴らしいですね! どうもあ…

『ドリフターズ』『アーサー・ピューティーは夜の魔女』読み手の「こちら」はどちら側なのかという話

ここ二回の記事で『アーサー・ピューティーは夜の魔女』と『ドリフターズ』を紹介しましたが、この二作品に共通しているのは、人間と人間ならざる者が敵対している点です。ドリフターズ 2 (ヤングキングコミックス)作者: 平野耕太出版社/メーカー: 少年画報…

パンデミックが変えた世界で彼女は逃げる 『アーサー・ピューティーは夜の魔女』の話

20xx年、あるバクテリアを原因とする感染症が南米で発生する。突然変異を起こしたそれは空気感染するようになり、世界中で流行、パンデミックとなった。症状は、初期は悪寒・発熱・激しい嘔吐、次いで昏睡。そして目覚めた後、身体にある変化を来した感染者…

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再開されたアニメを見ていて、なんか軽い感じを持ったのですが、このページを読んで、その原因が分かって、すっきりしました。 アニメは見続けますが、その後で、マンガの方も読み直して、頭の中で深くして行きたいと思います。 比較することで、漫画とアニ…

歴史の傑物が異世界で埒外の大暴れ 『ドリフターズ』の話

時は1600年、関ヶ原の戦い。島津豊久は、叔父で養父の義弘を敵勢から逃がそうと、勇猛名高い徳川井伊の赤備えに単騎で挑んでいた。大将首の井伊直政を斬りつけたものの、自身も深手を負う豊久。だが、一人瀕死の身体を引きずっていた彼は、突然まるで場違い…

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ハックス、いい作品ですよね。創作活動している人にはぜひともみてもらいたいです! 「楽しい」っていう根っこの感情を恐れちゃいけない、そして忘れちゃいけない、というのがあふれ出ていて、創作活動に足を踏み入れようとしている人にも、今現にしている人…