日々の仕事とか、人間関係とか、疲れて色々どうでもよくなるときって、大人にはあると思うんですよ。
そういうときには、どうでもいいものを摂取して心のタガをどうでもいいくらいにゆるくしちゃうのがいいと思うんですよ。
具体的には、かわいいキャラが下ネタメインでドタバタしてるギャグ漫画とか。
そんな心のカンフル剤というか、バカの魔剤というかが、先日発売されたむちまろ先生の『生徒会にも穴はある!』。
(1巻 8p)
生き物大好きで慈愛溢れる、だけど平気で男子の股間に蹴りを入れられる高等部2年の会計・照井有栖。会計としての腕は天下一品。笑顔が怖い?人間味が感じられない?だから何?
(1巻 10p)
PCや物理は超高校級、メスガキムーブ大好きの美少女、と見せかけてアレがついてる中等部3年男子の広報・尾鳥たん。パソコンの天才だ。校長だってぶん殴ってみせらあ。でも股間に蹴りを入れるのだけは勘弁な。
(1巻 86p)
背も生命力も気力も危機感も足りないのにバストだけは人並み以上、高等部1年の庶務・陸奥こまろ。通称こまろ。自慢のバストに男はみんなイチコロになりそうだけどいろいろ不憫すぎて劣情を催すのが申し訳なくなる。ハッタリもかませず何を頼んでも失敗しそうだぜ。
(1巻 12p)
そしてそんな問題児どもをまとめあげるのが、高等部3年の生徒会長・古都吹寿子。彼女のような天才生徒会長でなければ、百戦錬磨どものリーダーは務まらん(ただしむっつり)。
とまあこんな特攻野郎生徒会チームが繰り広げる、エロありシモあり稀に青春ありのドタバタコメディなのですよ。
令和にAチームパロディをすることの是非はともかく、冷たい目で他人を足蹴にできる(けど自分の貧乳はコンプレックスに感じている)細目女子、メスガキムーブする男の娘(合法乳首券絶賛発行中)、不憫な無能トランジスタグラマー、有能ナイスバディなむっつり生徒会長と、週マガはいたいけな男子たちの性癖を捻じ曲げにかかっているとしか思えません。
それ以外にも、高身長(193cm)にコンプレックスを覚えるかわいいもの大好き風紀委員や
(1巻 71p)
胸元が無防備なやる気なしアラサー女性教師(自慰は玩具を使ってゆっくりへとへとになるまでやるために週末にしかできないので金曜はウキウキで帰宅するタイプ)
(1巻 1p)
などもそろっているので、非常に広範囲の層に訴求できそうですね。
ちなみに女性教師の自慰についてのこだわりは別に私の妄想ではなく、コミックスの巻末おまけに描かれていることです。むちまろ先生が最初このキャラを編集者に説明したときに深みが足りないと言われ、続けざまに「じゃあ自慰シーンを考えますか」と正気を疑うような提案をされた上でほぼ即答したのが↑の説明なのです。編集者も作者も両方やべえやつってことですね。
でも、それでちゃんとキャラが立っていくのだから、意外に侮れないやり方なのかもしれません。いやすべてのキャラに自慰のやり方を設定しろというのではなく、性欲や食欲などの人間の本能に根差すものを考えることでそのキャラがどんな奴なのか深まるのではないか、ということで。
自慰のこだわりを縷々述べてもしょうがないので話題を変えると、貧乳キャラの胸板の部分、すなわち胸骨の上部に肉がついてなくて骨が浮き出てると、身体つきの描き方にこだわってるなと感じますね。あの骨ばった感じがあると、細いって以上に肉付きが薄いって感じがしますもん。
あと、いくら美少女っぽい見た目でも、女子用スク水着てても、肩から胸骨のあたりが筋張っていて筋肉がついているように描かれてると、ちゃんと男子っぽく見えるようになるのにも、とてもこだわりを感じます。華奢でも男子なんだなと。俺がゲスな達也だったら「きれいな乳首してるだろ。ウソみたいだろ。男なんだぜ。それで」というような顔なのに。
……あんまり話題変わってなかったですかね。
とにかく、頭からっぽで夢詰め込めるような状態でもヘラヘラゲスに楽しめる、そんなギャグ漫画なのですよ。尖った性癖にも刺さるかわいいキャラの下ネタが渦巻く中に、意外にグッとくる青春ぽさがハレー彗星くらいの周期でやってくるのがいい塩梅。好きなキャラ?ぼくは古都吹寿子ちゃん!
とりあえず第一話をば。
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改めて見ると連載初回からひっどいタイトルだな……。でも、そういう作品だと初手からわかるのでよいと思います。
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