ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2010-01-01から1年間の記事一覧

2010漫画ランキングBEST5 and more の話

年末ということで、今年の総括をいたしましょう。 なお、こちらのランキングに参加させていただいています。 『このマンガが凄いから読め!(仮称)RC版・2011』 縛りは、今年中に新刊が発売された漫画作品です。 5位よつばと! 10 (電撃コミックス)作者: あずま…

人を斬るだけでなぜかっこいい 「斬り介とジョニー四百九十九人斬り」の話

斬り介とジョニー四百九十九人斬り (KCデラックス アフタヌーン)作者: 榎本俊二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/12/22メディア: コミック購入: 31人 クリック: 563回この商品を含むブログ (18件) を見る村娘が盗賊に攫われたところへたまたま通りがかっ…

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検索していて記事を読ませていただきました。 私は、熊本で最後のマンガ展を見たのですが、その時の緊張感を思い出しました。 昔の記事で申し訳ありませんが、「拍手」を送らさせて頂きます。 最後のマンガ展は、全身を使って本を読むようで、あの空間を歩い…

がらんどうを抱えるイケメン30男の恋 「関根くんの恋」の話

関根くんの恋(1) (エフコミックス)作者: 河内遙出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2010/03/10メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 265回この商品を含むブログ (52件) を見る三十路を迎えたイケメンサラリーマン・関根圭一郎。端正な容姿に高い運動神経、お…

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のだめのお話とっても面白かったです。僕はのだめを読んでいなかったのですが、 後輩の音楽やってる女の子にのだめ好きな子でヘタクソだけど料理好きな子がいて、僕がお世辞でその料理を褒めた時になんだか想像以上に喜んでいて不思議だったんですね。彼女は…

「神のみぞ知るセカイ」恋愛におけるエンディングとギャルゲーメソッドの話

エルシィがかわいい!ただしアニメ版の! どうも山田です。 心の叫びはさて措いて、アニメも好調の『神のみぞ知るセカイ』。この度発売された最新刊では、旧悪魔側の勢力の一端が垣間見えたり、あのキャラが実はああなことが発覚したり、桂馬にちょっとした…

SF(少し不思議)な世界で暮らす女子高生の日常 「第七女子会彷徨」の話

第七女子会彷徨 3 (リュウコミックス)作者: つばな出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2010/12/13メディア: コミック購入: 7人 クリック: 150回この商品を含むブログ (25件) を見る主人公は、女子高生の金やん(表紙絵・上)と高木さん(下)。一見普通に見え…

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ファルマンさんと車でプライドに突撃した時のヨキも良かったですね。 ヨキのキャラもあいまって、ギャグっぽい描写にはなっていますが、あのシーンもかなりガッツ溢れるものだと思います。ヘタレ代表みたいなキャラのヨキが、かなり出ずっぱりなのがいいです…

「のだめカンタービレ」感受性の色々な形の話

この度最終巻が発売された『のだめカンタービレ』。 (KC KISS)" title="のだめカンタービレ(25) (KC KISS)">のだめカンタービレ(25) (KC KISS)作者: 二ノ宮知子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/12/13メディア: コミック購入: 22人 クリック: 834回この…

「百姓貴族」に見る、荒川弘の人間観のルーツの話

百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 新書館発売日: 2009/12/11メディア: コミック購入: 54人 クリック: 559回この商品を含むブログ (238件) を見る漫画家になる前は、北海道の実家で農業に従事していたという荒川弘先生。そ…

28歳処女の不器用な「スキ」の気持ち 「Love,Hate,Love.」の話

よーしおじさんメディアの尻馬にのっちゃうぞ! ということで「このマンガがすごい!2011 オンナ編」で、見事初の同一作家でのワンツー独占を決めたヤマシタトモコ先生の作品のレビューです。ただし、受賞した『HER』、『ドントクライ、ガール』ではなく、『…

サッカーにまつわる清新な群像劇「1/11 じゅういちぶんのいち」の話

1/11じゅういちぶんのいち 1 (ジャンプコミックス)作者: 中村尚儁出版社/メーカー: 集英社発売日: 2010/12/03メディア: コミック購入: 6人 クリック: 108回この商品を含むブログ (32件) を見るジャンプSQ.19で連載中の、サッカーにまつわる連作漫画です。サ…

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グリードの「強欲」の極致が「仲間」だったのは、彼が単に仲間思いのキャラだったからと思う。つまり「強欲」が先にあってグリードというキャラが生成されるのではなく、グリードが先にいて「強欲」は欲望の純度を高めているだけ。 ……あるいは父上から切り離…

「鋼の錬金術師」が終わって・表 人間はまぬけで泥臭いからかっこいいという話

というわけで、『ハガレン』総括表裏の、表面です。こちらでは、『ハガレン』で特に私が感銘した事柄について、縷々と書いていこうと思います。 なお裏面はこちら。 「鋼の錬金術師」が終わって・裏 「真理」と引き換えにした「それ」はなぜ「正解」だったの…

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初めまして、失礼します。伊藤先生に言うより冲方氏に言った方が…w私も続編読みたいです。もっと言えば『ラド ウーナ』は?…www 伊藤先生の新作は気になっていたのでまだ購入しておりませんが、コレを気に読みたいと思います。別になりますが、拍手イラ…

「鋼の錬金術師」が終わって・裏 「真理」と引き換えにした「それ」はなぜ「正解」だったのかという話

先ごろ最終巻が発売された『鋼の錬金術師』。今まで従兄弟の家で何度か途切れ途切れに読んでいたものを、ふと思い立って今年の九月に既刊を全て揃えたので、ヘビーリーダーとは言いがたい私ですが、骨太な王道少年漫画として出色の出来であるという意見には…

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感想の内容に感心と共感していたら…最後のマジ巨乳ってw …あの扉絵のことですかね若干透けてた…? 48話の表紙のあかりさんはちょっと煽情的過ぎて、羽海野先生どうしましたのんて感じでした。 私は彼女の前で寝ているニャーになりたい。

「よつばと!」63話に見る、贅沢にコマを使った濃密な時間の話

年一冊の刊行ペースに歯軋りしながらもその安定した面白さに「まあしょうがねーな」と思わざるをえない『よつばと!』。テンション高い風香がうざかわいいとか、ひどいあさぎがかわいいとか、みうらのかーちゃん若くてきれいとか色々見所のある巻ですが、まず…

「3月のライオン」他人と交わりだす零と、他人の理解の度量衡の話

自身との葛藤と、少しずつ他人に心を開きだしていく零の描写が心潤ませる『3月のライオン』です。 5巻では、前巻からの島田八段の流れに加え、学校では部活という居場所を作り上げることのできた零。元々彼の立場を知っていた林田教諭のみならず、ほんの縁が…

帝政ローマに蠢く神秘と策謀と腥臭 絢爛濃密な歴史物語『秘身譚』の話

秘身譚(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)作者: 伊藤真美出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/11/17メディア: コミック購入: 13人 クリック: 274回この商品を含むブログ (31件) を見る紀元217年、時のローマ皇帝カラカラが暗殺された。爛熟期に入ったロー…

水上悟志作品から考える、「奇跡の確信」から生まれる強さの話

※この記事では『戦国妖狐』5巻の内容にちょっと触れてるよ。未読の人は注意してね。戦国妖狐(5) (ブレイドコミックス)作者: 水上悟志出版社/メーカー: マッグガーデン発売日: 2010/11/10メディア: コミック購入: 9人 クリック: 126回この商品を含むブログ (2…

「GIANT KILLING」大事なことは二度起こる 村越を開眼させる二度のシュートの話

もう誰か指摘してることかもしれないけど、気づいたので書いておこうかしら。 最新刊であるところの17巻では、シーズン折り返しの夏キャンプのエピソ−ドを描いている『GIANT KILLING』。GIANT KILLING(17) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メ…

彼女が泣いていたから僕は恋をした 高校生と殺し屋のラブコメディ「弾丸ティアドロップ」の話

男子高校生・七瀬薫は、古い楽譜を探すために丘の上にある古本屋を訪れた。折りしも夏休みに入る直前、蝉ががなり鳴く大銀杏の下にあるその店先で、店主・みゆきが涙を落としながら座っているのを見たとき、彼は一目で恋に落ちた。一目惚れに心沸き立たせる…

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はじめまして、最近貴サイト様の記事を初めて拝見し、その記事の密度に感動しました。わたしも漫画の批評や考察記事を書いているのですが、まさに山田さんのような記事を書きたいと思っています。多忙なのもありますが、それ以前に文章力や発想の乏しさから…

「GIANT KILLING」に見る、時間を操ることで生まれる緊張/開放のカタルシスの話

漫画の中の一コマと普通の絵の違いは、台詞の有無だの、効果線だの、いわゆる漫符だのと色々ありますが、それの大元になっている前提の一つに、漫画のコマは他のコマとの連続性の中にある、というものがあります。それはつまり、漫画のコマ(絵)は「物語」…

「おお振り」に見る、代弁者の不在による葛藤の長期化の話

現在15巻まで刊行中の『おおきく振りかぶって』。ずいぶん前に友人の家にあったのを初めて読んで「おもしれーなー」と思ったのですが、そのとき友人は「面白いけど、三橋の性格がアレ過ぎて腹立つかも」と笑いながら言ってました。おおきく振りかぶって(15) …

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「主人公サイドの過剰な持ち上げ」については、この作者の十八番ともいえるのではないでしょうか。 「感覚的に技を身につける主人公」が、「努力型や天才型のライバル」をあっさり蹴散していくというパターンは、『帯をギュッとね』『モンキーターン』でも同…

日本橋ヨヲコ作品に見る人格としての天才の話

Something Orangeのkaienさんの記事を読んで思ったことを少々。 天才とは何か本気出して考えてみた。 - Something Orange これらの文章を読んだうえにぼくなりの天才の定義をまとめるなら、あるものごとに対し、常時、どうしようもなく異常にハイコスト、ハ…

「とめはねっ!」に見る、個性と努力の過剰な優劣の話

というわけで、前回の記事の最後でちょろっと触れたことについて。 望月が「書は人なり」を体現しているとはいささかの皮肉を交えて前回書きましたが、さらに気になるのがこの作品で、キャラクターたちの書道に対する取り組みに、善悪二元にも似たあからさま…

「とめはねっ!」 「書は人なり」の個性の重要さを体現する望月の話

とめはねっ! 鈴里高校書道部 7 (ヤングサンデーコミックス)作者: 河合克敏出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/09/30メディア: コミック購入: 10人 クリック: 192回この商品を含むブログ (72件) を見る先ごろ7巻が発売された『とめはねっ!』。「書の甲子園…