ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

彼女の謎は好きになればなるほど深まる 『謎の彼女X』の話

目の下まで前髪を伸ばした転校生・卜部美琴は、最初の挨拶を「よろしく」の一言で済ます、クラスメートからの昼飯の誘いを「眠いから」と言下に断る、授業中「非常に個人的な出来事」から一人大爆笑する、と振る舞ったために転校初日から「ヘンな奴」のレッ…

森薫十年の軌跡『森薫拾遺集』の話

森薫拾遺集 (ビームコミックス)作者: 森薫出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2012/02/15メディア: コミック購入: 14人 クリック: 446回この商品を含むブログ (87件) を見る『エマ』でのデビューから10年を迎えた森薫先生による、今まで単行本に収録…

拍手レス

ヤマシタトモコのコマ送り手法に関する記事、 面白く読ませていただきました。ありがとうございます。 登場人物の心情の繊細な動きを表すようなああした書きぶりの源流は(特にBL界では)よしながふみにあるような気がしてなりません。たとえば『ジェラールと…

都会の新しい生活は昼に見つけた流れ星のようにときめく『ひるなかの流星』の話

田舎で暮らす女子高生・与謝野すずめは、授業をさぼっては屋上で空を眺めるようなのんびりした生活を送っていた。が、父親がバングラデシュに転勤、母親もそれについていくことを決めたため、彼女だけは日本に残って東京の叔父の家で暮らすことになった。駅…

拍手レス

こんなこと(RT以下)を思い出しました。山田さんの考察にうなずくことしきり。「3月のライオン」のどこに惹かれるのかが整理できます。王とネテロのの戦闘シーンも良いです。 RT ツイッター名言bot@together_meigen子どもたちにコミュニケーションの力をつけ…

完璧な預言は世界に何をもたらす 『預言者ピッピ』の話

ピッピは地震を予知するために作られたヒューマノイド型スーパーコンピューター。人間の子供・タミオと一緒に「成長」することで予知精度を上げ、ついには世界中の情報を収集・分析することで、数か月以内の大地震を予知するまでになった。けれどある日、ピ…

乾いた空気と乾いた読後感 『地上はポケットの中の庭』の話

自分の仲間を助けてくれた高校生の元に恩返しをすべく現れた、人間大のコガネムシ(『5月の庭』)。盲目の王に仕える、草のにおいのする園丁(『ファトマの第四庭園』)。自分の誕生日に親族が集まってパーティーをしてくれているのに、始終不機嫌な老人(『…

お遍路さんで出会った草食系男子と肉食系女子 『めぐる88』の話

子供の頃から頼まれごとには嫌とは言えず、友人の連帯保証人になったのが運の尽き。友近太一(24歳フリーター)は借金返済の代わりに、肺がんにかかった胴元の親分の快癒を祈って四国八十八箇所霊場巡礼、いわゆるお遍路さんを回ることになった。歩き始めて…