ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「GIANT KILLING」大事なことは二度起こる 村越を開眼させる二度のシュートの話

もう誰か指摘してることかもしれないけど、気づいたので書いておこうかしら。 最新刊であるところの17巻では、シーズン折り返しの夏キャンプのエピソ−ドを描いている『GIANT KILLING』。GIANT KILLING(17) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メ…

彼女が泣いていたから僕は恋をした 高校生と殺し屋のラブコメディ「弾丸ティアドロップ」の話

男子高校生・七瀬薫は、古い楽譜を探すために丘の上にある古本屋を訪れた。折りしも夏休みに入る直前、蝉ががなり鳴く大銀杏の下にあるその店先で、店主・みゆきが涙を落としながら座っているのを見たとき、彼は一目で恋に落ちた。一目惚れに心沸き立たせる…

拍手レス

はじめまして、最近貴サイト様の記事を初めて拝見し、その記事の密度に感動しました。わたしも漫画の批評や考察記事を書いているのですが、まさに山田さんのような記事を書きたいと思っています。多忙なのもありますが、それ以前に文章力や発想の乏しさから…

「GIANT KILLING」に見る、時間を操ることで生まれる緊張/開放のカタルシスの話

漫画の中の一コマと普通の絵の違いは、台詞の有無だの、効果線だの、いわゆる漫符だのと色々ありますが、それの大元になっている前提の一つに、漫画のコマは他のコマとの連続性の中にある、というものがあります。それはつまり、漫画のコマ(絵)は「物語」…

「おお振り」に見る、代弁者の不在による葛藤の長期化の話

現在15巻まで刊行中の『おおきく振りかぶって』。ずいぶん前に友人の家にあったのを初めて読んで「おもしれーなー」と思ったのですが、そのとき友人は「面白いけど、三橋の性格がアレ過ぎて腹立つかも」と笑いながら言ってました。おおきく振りかぶって(15) …

拍手レス

「主人公サイドの過剰な持ち上げ」については、この作者の十八番ともいえるのではないでしょうか。 「感覚的に技を身につける主人公」が、「努力型や天才型のライバル」をあっさり蹴散していくというパターンは、『帯をギュッとね』『モンキーターン』でも同…

日本橋ヨヲコ作品に見る人格としての天才の話

Something Orangeのkaienさんの記事を読んで思ったことを少々。 天才とは何か本気出して考えてみた。 - Something Orange これらの文章を読んだうえにぼくなりの天才の定義をまとめるなら、あるものごとに対し、常時、どうしようもなく異常にハイコスト、ハ…

「とめはねっ!」に見る、個性と努力の過剰な優劣の話

というわけで、前回の記事の最後でちょろっと触れたことについて。 望月が「書は人なり」を体現しているとはいささかの皮肉を交えて前回書きましたが、さらに気になるのがこの作品で、キャラクターたちの書道に対する取り組みに、善悪二元にも似たあからさま…

「とめはねっ!」 「書は人なり」の個性の重要さを体現する望月の話

とめはねっ! 鈴里高校書道部 7 (ヤングサンデーコミックス)作者: 河合克敏出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/09/30メディア: コミック購入: 10人 クリック: 192回この商品を含むブログ (72件) を見る先ごろ7巻が発売された『とめはねっ!』。「書の甲子園…

「宇宙兄弟」に見る、言葉に重みを与えるシチュエーションの話

前巻ではクール・冷血の権化と思われていたビンスが、南波兄弟やJ兄弟同様、(義)兄弟の約束を胸に宇宙を目指している熱いGUYだということがわかった11巻。相変わらず面白い『宇宙兄弟』ですが、今日はその魅力の一つである、警句と実際の体験・行為の結び…