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漫画の話です。

2019-01-01から1年間の記事一覧

『鬼滅の刃』あけすけな言葉と物語の推進力の話

今更ながらに手を出した『鬼滅の刃』。 今月から買いだしたのですが、アニメ化によるフィーバーのあおりを受けて、5巻まで買ったところで品切れ。10月後半の入荷で8巻まで買ったもののまたすぐに品切れ。11月の再々入荷まで待たなければいけません。人気すご…

『BLUE GIANT SUPREME』大の揺るがなさとその意味の話

新刊が出る度にドキドキさせられる『BLUE GIANT SUPREME』。 相変わらず演奏シーンはカッコよく、演奏にしびれるお客さんの表情も秀逸。それがあるから、演奏を終えた後に健闘を称えあうメンバーの抱擁も、カタルシス溢れるものになります。個人的には、キメ…

『ワンダンス』ダンスの自由と動かされる感覚の話

三度あることは四度ある。『ワンダンス』のお話です。 今回は、ワンダの言うダンスの「自由」と、カボの感じたダンスの「動かされてい」る感覚の話。 ワンダはカボからダンスが好きな理由を聞かれ、その一つとして「なんか「自由になれる感じがする」と答え…

『ワンダンス』吃音とリズムとダンスの話

まだまだ書くよ、『ワンダンス』の話。今日はカボの吃音にスポットをあてた話。 本作の主人公カボこと小谷花木には吃音の症状があり、それが彼のコンプレックスとなっています。 吃音とは、簡単に言えばどもること。症状のパターンとして、 ・連発型:一つの…

『ワンダンス』世界を分割して乗るダンスの話

5月にして今年の俺マンに食い込むことがほぼ決定の『ワンダンス』。 レビューはこちら。 踊る彼女は自由に踊る『ワンダンス』の話 - ポンコツ山田.com 高校のダンス部を舞台にした漫画である本作では、ダンスのコツもそこかしこに出てくるのですが、その中で…

踊る彼女は自由に踊る『ワンダンス』の話

東京の流行が5年遅れて入ってくるような田舎の高校生活。吃音に悩む高校一年生・小谷花木(こたにかぼく)は、目立たず、周りに逆らわず、普通であることを自分に強いて人生を送ってきた。でも、そんな彼が出会ったのは、同級生の湾田光莉(わんだひかり)。…

気になる相手は一つ屋根の下の26歳OL でも彼女は……『水は海に向かって流れる』の話

熊沢直達は、遠方にある高校への進学を機に実家を出た。下宿先はおじさんの住む家。しかし、春雨の中、降りた先の駅で待っていたのは、おじさんではなく、榊と名乗る妙齢の女性だった。彼女とおじさんの関係を邪推し、自分がおじさんの家に住んでいいのかと…

文学の世界と世界の中心の女の子『児玉まりあ文学集成』の話

校舎の隅っこ、地学部の部室を乗っ取った文学部。そこにいるのは唯一の部員、児玉まりあ。まるで詩のような話し方をする児玉さん。彼女が言葉を紡げば、そこには文学が生まれる。文学部に入部するため、僕こと笛田君は部室まで毎日通う。彼女の入部テストは…

めがねを忘れてあの子が近い『好きな子がめがねを忘れた』の話

クラス替えで隣の席になった三重さんは、いつもぼうっとしている、めがねの女の子。いつもぼうっとしていて、口を開けば少しずれたことを言って、でも、そんな彼女のことが気になってしかたがない。そんなある日、三重さんはめがねを忘れて登校してきたので…