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漫画の話です。

2018-01-01から1年間の記事一覧

俺マン2018の話

今年も開催されている俺マン2018. oreman.jp 例年通り乗っかって、今年読んだ漫画のお薦めを挙げたいと思います。 企画自体のレギュレーションは「その年自分が面白いと思った作品」と至極緩いものですが、俺ギュレーションとして、「今年発売された作品5つ…

『Dr.STONE』と『人間の土地』科学と人間と責任についての話

「次にくるマンガ大賞2018」第2位に輝き、2019年7月からのアニメ化も決定している『Dr.STONE』。 ある日、世界中の人間(とツバメ)が何らかの理由により石化し、およそ3700年の時を越えて復活した主人公の石神千空。人為は自然に還り、野生が蔓延っている…

『映画大好きポンポさん』視線が円を描くキメシーンの話

2巻も最高だった『ポンポさん』。 とはいえやっぱり1巻も最の高。綺麗に完結した一冊の中に起承転結をぎゅっととじこめており、作中のポンポさんの嗜好通り、「シーンとセリフをしっかり取捨選択して 出来る限り簡潔に 作品を通して伝えたいメッセージを表…

『銀河の死なない子供たちへ』マッキの問いと、星になったπの話

下巻の発売からしばらく経ってしまいましたが、『銀河の死なない子供たちへ』の話。 上巻発売時のレビューはこちら。 yamada10-07.hateblo.jp 不老不死の二人の姉弟とその母が暮らす、他に人間のいない地球。三人だけの世界。永遠の生を健やかに享受するπと…

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『へうげもの』価値の相対化と「清然」の話

最終巻が発売されてしばらく経ってしまった『へうげもの』。 衝撃的な古田織部の最期(?)に拙者の固き丹田も緩み候えば、何を書いていいものやらと思案していたのですが、全巻再読して、ようやくいくつかポイントが見えてきたので、それをまとめていこうと…

『HUNTER×HUNTER』「道草」の楽しさと、「会いたい」と「見つける事」の違いの話

前回書いたハンタについての記事で、ネテロの遺志とそれを受け継ぐパリストン、二人の共通点と相違点を考えました。 yamada10-07.hateblo.jp 今回の記事では、前回の最後に触れた、二人と同じく「楽しさ」を行動理念に据えているジンについてと、それを考え…

『HUNTER×HUNTER』ネテロの遺志とゲームを楽しむための土俵の話

先日発売された、『HUNTER×HUNTER』35巻。 この密度の作品が年に2冊刊行なら何も文句はないのですがそれはともかく、濃い内容のせいで既刊を読み返さなきゃ継承戦がどんなもんだかすっかり思いだせないでいたので、会長選挙編あたりから再読していたのです…

『ショート・ピース』監督の「想像の域を出」る魅力と、「本音」の肯定の話

前回の記事でレビューした『ショート・ピース』。 世界よ、この素晴らしき人間たちに喝采を 『ショート・ピース』の話 - ポンコツ山田.com そこでの置き土産で、人が根っこのところで抱えている感情の肯定と、主人公キヨハルの「映画が俺の、想像の域を出な…

世界よ、この素晴らしき人間たちに喝采を 『ショート・ピース』の話

地方でそこそこの人気を博しながらも、上に行けないでいるバンドのボーカル・月子は、後ろ盾をしてもらっているライブハウスの社長からもっと売れ専の曲を作れと言われ、くさっていた。新曲のPVを作ろうとするも、予算も無いので、地元の高校の映研が賞を…

『甘々と稲妻』微かに現れた現実と遡及する実在感の話

10巻の大台に乗り、小鳥の受験も佳境を迎えた『甘々と稲妻』の最新刊。 その47では、ついに小鳥が専門学校の受験へと向かうのですが、「普通にやれば受かるから」「もっと普通にやればいいよ」と、普通が連呼されるアドバイスと応援に、むしろ大きなプレッシ…

俺マン2017の話

毎年行われている俺マン。 oreman.jp 今までこのブログでは特段触れていませんでしたが、毎年こっそり挙げていました。 新年一発目にして二か月半ぶりのブログということで、去年を振り返るべく、俺マン2017の俺ノミネート作品について感想を書いてみようと…