ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『アオアシ』思考の省エネ化と、アシトと北野の俯瞰の目の話

高校ユース決勝。青森星蘭戦がついに決着を迎えた『アオアシ』27巻。アオアシ(27) (ビッグコミックス)作者:小林有吾小学館Amazon 最新刊の発売日ですし、激戦の結末をここでは書きませんが、主人公アシトの今までが集約した結果だったとだけ言っておきま…

『よふかしのうた』人と吸血鬼 夜と昼 別物のようで地続きにある世界の話

最新刊で吸血鬼vs探偵の話も一区切りの『よふかしのうた』。よふかしのうた(10) (少年サンデーコミックス)作者:コトヤマ小学館Amazon 吸血鬼とはどんな存在なのか、その中でもナズナはどんな吸血鬼なのか、というところに踏み込んだエピソードでした。 …

戦乱渦巻く世界で始めたのは酒場経営!?『異剣戦記ヴェルンディオ』の話

異剣。 それは特別な力を秘めた武器。ある剣は巨大な城門を一撃で破壊し、ある剣は持ち主に雷光のごとき速さを与え、またある剣は竜巻を起こして一軍を薙ぎ払う。 そんな異剣が巷に溢れた、異剣戦争と称される戦乱の時代、傭兵稼業で暮らしていたクレオには…

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』と『チ。』に見る、先人が積み重ねた知への敬意の話

マガポケで連載している『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』。転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます(6) (マガジンポケットコミックス)作者:石沢庸介,謙虚なサークル講談社Amazon 長いんで以下『第七王子』と略し…

香りの表現と、ボキャブラリーと、言葉と感覚の結び付け方の話

先日の記事で、味覚の言語化についての話をしました。 yamada10-07.hateblo.jp その中で 与える言葉は、特殊な語彙である必要はありません。凡百の言葉でいいのです。大事なのは、その言葉が自分の感じたものにフィットしているか、それだけでうまくフィット…

クラフトビールと、『琥珀の夢で酔いましょう』と、感覚の言語化による体験の区別の話

今年の年始の目標に、ダイエットもかねて「雑なカロリーをとらない」を掲げまして、手始めに晩酌の回数を、週に2,3回だったのを1回に減らしました。 私の晩酌は基本、TAKARAの100円の缶チューハイでつまみもスナック菓子と、いかにも雑なカロリ…

対立者を敵と呼ぶ現代世界と、『チ。』に見る相容れないものと歩む世界の話

最近知った思想家で倉本圭造という方がいまして。 finders.me 同氏を知ったのはこのネット記事でなんですが、『新聞記者』を見ていない私でも、その論旨には感じ入るところ多く、同サイト掲載の執筆記事も一通り読みました。 経営コンサルタントであり経済思…

何もなくても楽しいはあるよ『とくにある日々』の話

とくにある日々(1) (ヒーローズコミックス わいるど)作者:なか憲人ヒーローズAmazon 中学とか高校生の時って、意外と不自由だったと思うんですよ。 まず、基本的に勉強しなきゃだから一日の半分は教室の中に拘束される。机の前に向かわされる。 狭い教室…

『ワンダンス』『ブルーピリオド』『メダリスト』言葉を与えられた感覚とその影響力の強さの話

『ワンダンス』。『ブルーピリオド』。『メダリスト』。 ダンス、絵画、フィギュアスケートと、どれも芸術(表現)をテーマにした、私の好きな漫画ですが、これらの作品には共通点があります。それは、感覚の言語化に強く意識的である点です。ワンダンス(6…