ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2015-01-01から1年間の記事一覧

『王様の仕立て屋』人間の弱さと続くことの価値の話

今月新刊の発売された『王様の仕立て屋 サルトリア・ナポレターナ』。王様の仕立て屋 11 ~サルトリア・ナポレターナ~ (ヤングジャンプコミックス)作者: 大河原遁出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/11/19メディア: コミックこの商品を含むブログ (1件) を…

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ハンハンをこんな風に小説のように、深く読み解くことができるなんて思いもしませんでした… 他のジャンプ作品でも解釈等あれば、このような解説お願いします。 ありがとうございます。 ジャンプは雑誌で追っていないので、今読んでいるのというと『暗殺教室…

季節の恵みを一杯のスープに 『オリオリスープ』の話

スープの中には季節がある。 デザイン事務所「トロポポーズ」で働く装丁デザイナーの原田織ヱは食べることが大好き。おなかが空いたら,アイデアに詰まったら,美味しそうなものを見つけたら,本能の赴くままに食事へ向かいます。数ある料理の中でも,特にス…

勇介君、いくら恋でもそれはストーカーです 恋愛初心者の危ない恋模様『ゆーあい』の話

高橋勇介君15歳。高校入学式の当日に一目惚れをしました。お相手はクラスメートの相沢あいさん。生まれて初めてのトキメキに、彼女へ話しかけることさえできない勇介君。しかし、あふれる恋心を抑えつけることは出来ず、彼は行動を起こしました。 とりあえず…

遺伝子の海で生きる、ヒトとヒトならざるものと『螺旋じかけの海』の話

遺伝子操作が産業化し、複数の遺伝子を掛け合わされた生物・キメラ体が多く生み出された世界。そしてそこは、ヒト種優生保護法により、ヒトとしての人格を持ちながらヒトではないとされ、差別や迫害に苦しむ、あるいは金持ちの玩具として売買されるものが生…

『亜人ちゃんは語りたい』性質と「らしさ」の話

亜人ちゃんは語りたい(2) (ヤンマガKCスペシャル)作者: ペトス出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/09/04メディア: コミックこの商品を含むブログ (7件) を見る意外に早く感じた、『亜人ちゃんは語りたい』の第2巻。でも、1巻発売はまだ今年の3月と思う…

彼女はのぼる みんなは見つめる 『のぼる小寺さん』の話

高校一年生の小寺さんは、クライミング部に所属する女の子。大好きなボルダリングに毎日精を出しています。明るい髪の色や、他人と群れない性格もあって、クラスメートらからは少々遠巻きにされていますが、誰に対しても優しく気を遣え、存外素直な性格から…

科学者は気になるあの子の夢を見るか?『決してマネしないでください。』の話

某工科医大に在籍する掛田君は、中高と男子校に通い、ようやく入った大学は、一学年60人のうち女性がたった二人の物理学科。女性に免疫のないそんな彼が食堂のおねえさんに恋をして、一世一代の告白をしました。 「僕と貴方の収束性と総和可能性をiで解析…

『GIANT KILLING』わかりやすい試合展開の秘密の話 後編

前編からの後編です。 後編では、前編で述べた漫画におけるサッカー描写の難しさを踏まえて、『GIANT KILLING』ではどんな特徴が見られるかを書いていきたいと思います。GIANT KILLING(35) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発…

『GIANT KILLING』わかりやすい試合展開の秘密の話 前編

一度読み返すとついつい連続して巻を追ってしまう作品に『GIANT KILLING』があります。どこか適当な巻から読み始めると、その試合が終わるまで読むのを止められないのです。試合の結末は知っているのにそうなってしまうのは、試合の盛り上げ方が上手いのはも…

「もしや私が異常なのか」いえ、みなさん異常です 『お尻触りたがる人なんなの』の話

「おい フェラって知ってるか」 「斉藤 おまんま見せてくれね?」 「じゃあどうしたら尻をなでさせてくれるんだよ!!!」 「沢城嬢は己の女陰の内を見たことが無いそうだ」 衝撃的な発言から始まる、数多の卑猥な話。お下劣にお下劣を重ねながらも不思議と…

一杯のラーメンから生まれる小さな奇跡『ラーメン食いてぇ!』の話

ウイグル自治区でのロケ中事故に遭い、荒野を一人さすらった末に死を覚悟したグルメ評論家・赤星亘。 最愛の妻に先立たれ、店をこれ以上続ける自信を喪ったラーメン屋の老店主・紅烈土。 いわれのない誹謗中傷に苛まれ、人生に絶望した女子高生・紅茉莉絵。 …

『GIANT KILLING』ハレの場であるスタジアムの話

雪辱に燃える大阪ガンナーズとの、一進一退のアウェー戦が描かれる『GIANT KILLING』35巻。GIANT KILLING(35) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/04/23メディア: コミックこの商品を含むブログ (14件) を見る既に3…

五人の作家によるそれぞれの蟲の物語 『蟲師 外譚集』の話

蟲。それは、私たちが普段知るものとは別の形をした命。より生命の現生体に近いもの。此処にも、其処にも、彼処にも、到ところに蟲はいるけれど、それを見ることのできる者は少なく、共に在る術を知る者はさらに少ない。 蟲と共に在る術を知る者、人は彼らを…

『わがままちえちゃん』歪んだちえの現実と彼女の理の話

先月発売された、志村貴子先生の『わがままちえちゃん』。わがままちえちゃん (ビームコミックス)作者: 志村貴子出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2015/03/25メディア: コミックこの商品を含むブログ (15件) を見る主人公の夢と妄想と幻想…

私だけの悪魔を探す、ある少女の旅『フラウ・ファウスト』の話

ファウスト博士。それは、悪魔メフィストフェレスと契約し、悪徳の限りを尽くした一人の伝説の男。多くの人間が知る、おとぎ話フォルクスメルヒェンの登場人物。けれど、少年マリオンが出会った、少女ヨハンナ・ファウストこそ伝説上のその人だった。彼女の…

転生先の最弱ゴブリンからのし上がれ! 『Re:Monster』の話

ある日、妹のように思っていた女の子からめった刺しにされて死んだはずの俺は、なぜかゴブリンに転生していた。前生では、ESP持ちの上に強化手術を受けた強化人間ブーステッドマン俺が、今生ではなんの因果かか弱いモンスターのゴブリンの赤ん坊。しかし…

いずれ滅びるこの町で、今日も私たちは生きています 『花井沢町公民館便り』の話

私たちの住む花井沢町は、とても小さな町です。そして、とある事故のせいで、生きているものが出ることも入ることもできなくなった町でもあります。町の中には住民がいますが、もちろんみんな、出ることも入ることもできません。あと200年も経てば、きっと滅…

ゴミ山で暮らす二人の、奇妙でさびしい日常『ビーンク&ロサ』の話

ゴミ山の片隅に放置されている、壊れたキャンピングカー。ビーンクとロサは二人でそこに住んでいた。まだ少年と言ってもいいビーンクと、まだ少女と言うほかないロサ。学校へも行かず働きもせず、時々怪人の一味の手伝いをして、二人で暮らしていた。盛り上…

『暗殺教室』親の支配・価値観と、そこからの逃亡先の話

前回の予告通り、『暗殺教室』の「親」から考えるお話です。暗殺教室 13 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/03/04メディア: コミックこの商品を含むブログ (25件) を見る13巻では渚の母親が初登場し、彼女の強烈さが遺…

『暗殺教室』「殺す」ことの意味の話

死神編と渚家族編に区切りがついた、『暗殺教室』14巻。暗殺教室 13 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/03/04メディア: コミックこの商品を含むブログ (25件) を見るその中で、『暗殺教室』全編を通じて、私が今までち…

かわいい亜人ちゃんたちの、普通に楽しく普通にちょっと辛い日々 『亜人ちゃんは語りたい』の話

亜デ人ミ。それは特別な性質を持った少数の人間たちの総称。ヴァンパイアやデュラハン、サキュバス、雪女など、かつては神話や伝承などのモチーフにもなっていた存在は、迫害や差別の歴史をたどりながらも、近年は社会的な保障も整備され、一般社会に溶け込…

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真介は、一部、二部通じて(たまは兎も角)主人公側一行の中では”戦闘に於いて最弱の存在”です。第二部では若干の成長を見る物の、七歳の幼女(月湖)に一本取られたり。 それでも、要所要所で活躍し、その存在感を示しています。 良くバトル物で「強さのイ…

『戦国妖狐』許すことの意味の話

14巻が発売された『戦国妖狐』。ネタバレある記事だよ。戦国妖狐 14 (BLADE COMICS)作者: 水上悟志出版社/メーカー: マッグガーデン発売日: 2015/02/10メディア: コミックこの商品を含むブログ (11件) を見る灼岩を正気に戻した真介の男前感が往年のポップや…

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秋★枝のアシスタントをしております。Wizard's Soulの記事拝見させていただきました。ブログに書いていただき、誠にありがとうございます。すてきな記事でしたので、拍手させていただきます。 どうもありがとうございます。作品の続きを楽しみにしております…

「私だけのバレーをやる意味」を探す物語 『その娘、武蔵』の話

全中女子バレーで優勝の立役者となった、兼子武蔵。弱冠14歳にして180cmを越す身長から繰り出される強烈なスパイクは、高校ひいては実業界からも熱い視線が送られていた。だが、全中優勝時のインタビューで武蔵の口から爆弾発言が飛び出した。 「バレー辞…

嫌いなゲームで私はあなたを倒す 『Wizard's Soul 〜恋の聖戦〜』の話

Wizard's Soul。それは国際的に人気のカードゲーム。進学も就職も、恋も友情も、これが強ければオールオッケー。そんな、今とは少しだけ違う日本で、女子中学生の一之瀬まなかは苦悩していた。理由は甲斐性のない父親。腕も無いくせに賭けカードで生計を立て…

バイクに乗って駆ける、日々の中の少し不思議 『コトノバドライブ』の話

軽食屋で働くすーちゃんはバイクを買ったばかり。中古屋で見つけた、形の気に入った古いバイク。それに乗って彼女はどこへでも行く。足の向くまま気の向くまま、排気音を軽快に鳴らしながら。海辺に山中、街中に廃道、彼女が行くそこには、なにか不思議なこ…

北の大地に隠された黄金を追う、伝説の兵士とアイヌの少女『ゴールデンカムイ』の話

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)作者: 野田サトル出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/01/19メディア: コミックこの商品を含むブログ (20件) を見るということで、野田サトル先生『ゴールデンカムイ』のレビューです。明治末期の北海道を舞…

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まさに自分が読みたかったドンピシャな記事でした( ̄▽ ̄) 3月のライオンが続く限りレビューをお願いしますm(._.)m きっと続く限りは書けるでしょう。『3月のライオン』はそんな作品です。 これからもよろしくお願いします。