ポンコツ山田.com

漫画の話です。

漫画

愛を何度も書き直せ! 心情を読解した先にあるもの『超客観的基礎ラブロマンス概論』の話

ラブレターの書き方教えて。 高校で現代文を教える教師・通称タナセンのもとに、教え子の女子高生・海堀がやってきて、そう頼み込んだ。突飛な頼みごとに面食らい、面倒ごとはゴメンと即座に断るタナセンだが、若さゆえの粘り腰ですがる彼女に根負けして添削…

元神様で今は弁当売り 『邪神の弁当屋さん』の話

彼女の名はレイニー。元神の現弁当屋さん。30年前に彼女が原因で戦争が起きたことの罰にと、彼女は人間になってお弁当を売ることにしたのだ。今日も彼女はお弁当を作り、売る。愚かな人の営みを面白いと思いながら… yanmaga.jp ということで、ヤンマガwebの…

『その着せ替え人形は恋をする』五条の二つの後悔と、現実になってしまった「手の届かないもの」の話

13巻での初コミケ、海夢のハニエルコスプレが大いに会場を沸かせた中、その衣装の制作者である五条は、一人浮かない顔をしていました。その着せ替え人形は恋をする 13巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)作者:福田晋一スクウェア・エニックスAmazon …

『その着せ替え人形は恋をする』一目惚れへの五条の挑戦と、今更気付いたものの話

13巻でコミケでのコスプレデビューを果たした海夢と五条。 いつもどおり、五条の作ってくれた最高の衣装を着て最高の気分をまとい、囲み撮影の終わらせ時もわからなくなるほどの驚異的な盛り上がりを見せた海夢とは裏腹に、その衣装を作り、第三者からも大…

人間よ、モテたければ生物学を学べ! 『あくまでクジャクの話です。』の話

男らしくないことがコンプレックスの高校教師・久慈は、まさに「男らしくないから」と恋人に振られたばかり。もののはずみでそれが生徒に広まってしまい、デブ・ガリ・オタの三拍子そろった男子生徒らから「恋愛弱者男子を救う会」の顧問になってくれないか…

『きのう何食べた?』シロさんの変化と幸せなサプライズの話

みなさん、今週号のモーニングの『きのう何食べた?』は読みましたか? 読みましたね?※CATION※ 『きのう何食べた?』の単行本未収録話のネタバレがあります。ご注意ください。きのう何食べた?(22) (モーニングコミックス)作者:よしながふみ講談…

『正反対の君と僕』身体感覚の言語化による強い共感の話

先日6巻の発売された『正反対の君と僕』。正反対な君と僕 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:阿賀沢紅茶集英社Amazon 1巻の帯に「真逆な2人の共感ラブコメディ」の惹句があるように、登場人物たちの心理描写、というよりは心理の言語化が巧みで、それが…

『葬送のフリーレン』雪山手ぶら一人旅で気づいた、アニメと漫画で違う想像の余地の話

面白いぞ『葬送のフリーレン』アニメ。「葬送のフリーレン」Blu-ray(Vol.1 初回生産限定版)種﨑敦美Amazon ケルティックなBGMがマッチしているのが意外で、20~30年前にちょっとケルトミュージックブームが起こったのを思い出しました。エンヤとか。 そ…

楽しさに満ち溢れたラクガキの時間 九井諒子『デイドリーム・アワー』の話

原作漫画が完結し、アニメもスタートした『ダンジョン飯』。 そして本日発売されたのが、九井諒子ラクガキ本『ディドリームアワー』。九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー (HARTA COMIX)作者:九井 諒子KADOKAWAAmazon 『ダンジョン飯』の筆慣らしや、キ…

『葬送のフリーレン』「ヒンメルはもういないじゃない」人類と魔族を分かつ死者への思いの話

正月の暇に飽かして『葬送のフリーレン』第1期を一気視しました。葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)作者:山田鐘人,アベツカサ小学館Amazon 特に日常パートは、原作のシンとした雰囲気を活かしている、いいアニメ化ですね。 ところで、放送以…

『2.5次元の誘惑』コスプレ衣装を作る動機の言語化とその意味の話

今年のアニメ化も決定している『2.5次元の誘惑』の最新刊。2.5次元の誘惑 19 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:橋本悠集英社Amazon 19巻で一番好きなコマはこれでした。 (p26) ひとり脚が上がりきってないマリ姉ェ…… アリアの脚だけ筋肉質なのもいい…

俺の俺マン2023の話

あけましておめでとうございます。毎年恒例、年の初めの去年の総括です。 すでに本家の俺マンは企画を休止しているようですが、毎年恒例ですのでそのまま続けていきます。 勝手に決めた俺ギュレーションは1,2023年中に発表された、もしくは単行本が出…

『BLACK LAGOON』「信用」と「信頼」の違いと、「頼」るロックの信念の話

メリークリスマス!! 閑話休題、先日発売された『BLACK LAGOON』13巻。前巻から2年以上空いていますが、それ以前がよっぽど空いていたので、むしろ早いと思ってしまいますね。不思議不思議。ブラック・ラグーン(13) (サンデーGXコミックス)作者:広江…

男児の写真から始まる「夢のような」読後感の物語 『遠い日の陽』の話

11月の頭と終わりで気温が10度も違いますね。あっという間に冬。 どうも、御無沙汰してました。 それはそれとして、今日はモーニングの読み切りで掲載されたこちらの作品の感想です。 comic-days.com 人生に空虚を感じている高校生が、フリマサイトでたまた…

『好きな子がめがねを忘れた』自信がなくて変化が怖い二人と、「そのままのあなたでいい」と祝福する二人の話

アニメが始まり、最新刊である11巻も発売された『好きな子がめがねを忘れた』。好きな子がめがねを忘れた 11巻特装版 アンソロジー小冊子付き (デジタル版SEコミックスプレミアム)作者:藤近小梅スクウェア・エニックスAmazon 前巻にて晴れて両想いになった…

『正しくない先輩』の正しくない物語で描かれる平熱の正しくなさの話

ジャンプ+にて7/17付で配信された読み切り作品、『正しくない先輩』。攻めた読み切りを数多く配信しているジャンプ+ですが、本作の攻めっぷりはかなりのもの。なにが攻めてるって、まさにその「正しくなさ」。 shonenjumpplus.com 「先輩」が大学を卒業して…

『君と宇宙を歩くために』違くて同じ人間の、違うけど同じ感情の話

今回も、『君と宇宙を歩くために』のお話。 comic-days.com 主人公の一人である宇野は、作中で明言はされていないものの、自閉スペクトラムと思われる、「ちょっと人と違うところ」のある高校生男子。「記憶することが得意」だけど、「沢山のことを同時に行…

『君と宇宙を歩くために』『税金で買った本』宇宙の中で自分を繋ぎとめる、言葉という命綱の話

2023年8月号のアフタヌーンで掲載された、泥ノ田犬彦先生の『君と宇宙を歩くために』。 comic-days.com 高校生が宇宙を目指す的な『宇宙兄弟』みたいな作品かなと思ったらあにはからんや、「”普通”ができない正反対な2人の友情物語」という惹句にあるよ…

武士道とは(異世界だろうと)死ぬことと見つけたり 『異世界サムライ』の話

立身出世に興味なく、器量を活かした女の幸せも興味なく、ただ剣に生き剣に死ぬことを望んだ女侍・月鍔ギンコ。戦場で死に損なってしまった彼女が、己を殺してくれる敵よ来たれりと仏に祈ると、その願いは聞き入れられた。すなわち、怪物が跋扈する異世界に…

『みちかとまり』と少しだけ神話と構造主義の話

連載開始時にもレビューをした、田島列島先生の『みちかとまり』の単行本がついに発売されました。みちかとまり(1) (モーニングコミックス)作者:田島列島講談社Amazon その時は(一挙掲載だった)1、2話までのレビューでしたが、第8話までの単行本一冊…

『さよならミュージアム』描かれる眼と描かれない目の意味の話

となりのヤングジャンプに掲載された読み切り作品、岩井トーキ先生の『さよならミュージアム』。 tonarinoyj.jp 美術部員の主人公・空木(うつぎ)は人付き合いが悪い。親とも部員とも顧問とも最低限の口しかきかず、ただ、自分がもっとも美しいと信じるもの…

『まどろみと生活以外のぜんぶ』rcaの描く、境界が融け合う安らぎと寂しさとエモさの話

今日は珍しく、というかこのブログで初めてだと思いますが、成年向け作品についてのお話ですので、あんまり生々しい話はしませんが、18歳未満のお子様は回れ右してね。

『違国日記』47.5話 無音の世界の秘密の話

先日新刊の発売されたヤマシタトモコ先生の『違国日記』。違国日記(10)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS swing)作者:ヤマシタトモコ祥伝社Amazon 新刊を読んで一番印象に残ったのが、ストーリーではなく、47.5話冒頭の表現。えみりが喫茶店でノイズキ…

『好きな子がめがねを忘れた』光に消えそうな二人と光に祝福される二人の話

『好きめが』最新刊を読んで口から大量の砂糖を吐瀉した山田です。こんにちは。好きな子がめがねを忘れた 10巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)作者:藤近小梅スクウェア・エニックスAmazon ここ数巻はあまりの糖度の高さに青春の過剰摂取を心配していま…

『ハクメイとミコチ』好きなモノを好きと言い、身にまとうことの嬉しさ楽しさの話

年に一度、毎年1月のお楽しみといえば、そう、『ハクメイとミコチ』の新刊発売。ハクメイとミコチ 11巻 (HARTA COMIX)作者:樫木 祐人KADOKAWAAmazon 巻を重ねるごとに、登場人物やエピソードも重なっていって、面白さも重層的になっていく本作。たとえば最…

『ぼっち・ざ・ろっく』下手な演奏を下手に演奏できるアニメの説得力の話

今更ながら、ABEMAで『ぼっち・ざ・ろっく』のアニメを見てます。 bocchi.rocks 現時点で9話まで鑑賞。原作を2巻まで読んでからのことなので、ストーリーはすべて承知なんですが、漫画とアニメの表現の違いから生じる印象を色々感じてます。 その中でも一…

オタク愛は拳で語らえ!腐女子JK除霊師『限界煩悩活劇オサム』の話

ギャルJK・春山カイカは悩んでいた。自分のアパートに出る怨霊があまりにも荒ぶるため、なみいる除霊師たちが軒並みしっぽを巻いて逃げているからだ。藁をもすがる思いで見つけたのは、同じ学校に通うJK除霊師・乾オサムだった。しかし、彼女いわく、自…

俺マン2022の話

あけましておめでとうございます。昨年はなんだかんだ54本の記事で、平均週1ペース。思ったよりも書いてました。今年も負けずに書いていきたいです。そのためにも、本を読まねば。 ということで、新年一発目はいつの間にか毎年やるようになってた去年の俺…

今から追いつけ!5巻以内のおすすめ漫画5作品 in 2022の話

年の瀬。今年もちょぼちょぼ漫画を読んできました。面白い漫画もあんまりピンとこない漫画もいろいろありましたが、今年読んだ漫画の内、2022年12月現在でまだ5巻以内で連載中のおすすめ漫画を5タイトル、紹介して今年のブログの書き納めにしようと…

『メダリスト』言葉を与えることによる動作の意識化と、世界の細分化の話

いまアフタヌーンで一番楽しみな作品こと『メダリスト』。メダリスト(7) (アフタヌーンコミックス)作者:つるまいかだ講談社Amazon 7巻では、司をケガさせてしまったことからくるイップスを乗り越え、4回転サルコウという唯一無二ともいえる武器を手に入…