ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2009-01-01から1年間の記事一覧

零の引越し、川本家との出会いの時系列についての話

上の記事を書いてから改めて考えたのですが、どうにもそこらへんの状況がはっきしりしません。 零が一人暮らしを始めたのはやっぱり高校編入とほぼ同時期、もしくは直前なのかなという意見も充分有力です。カーテンの問題もありますし、幸田や香子の話を勘案…

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私も縦読みしたクチです。 ただ、縦読みは瞬間的で、そのあと(エロい意味ないしは複雑なコマ割りということもあって)分散的にコマを読み返しました。 複雑なコマ割りは視線を惑わせ、短い停滞をもたらすような気がしました。 私がひとりぼっちじゃないこと…

「3月のライオン」手段と目的としての「将棋」と「家族」、そしてそれから解放してくれた川本家の存在という話

3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)作者: 羽海野チカ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2009/08/12メディア: コミック購入: 14人 クリック: 343回この商品を含むブログ (560件) を見る各話の表紙にほぼ例外なく川本家の人間が描かれているのでなかなか気づ…

漫画の読み方はどのように体系立てて内面化されているのかという話

このエロ漫画のコマ割がすごい ほかまみつり『Chocolat』のコマ割がすごい - karimikarimi こちらの記事で触れられているコマ割の表現論について、思ったところを軽く。 私の記事内でkarimikarimiさんの画像基づいた言及が多くあるので、まずこちらの記事を…

松井優征「離婚調停」に見る、起承転結の入れ子構造の話

魔人探偵脳噛ネウロ 23 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/08/04メディア: コミック購入: 7人 クリック: 91回この商品を含むブログ (59件) を見る堂々の完結を迎えた「魔人探偵脳噛ネウロ」。松井先生、四年間お疲れさ…

気軽に楽しくじっくり面白い 「良作」4コマ「ベルとふたりで」の話

ベルとふたりで 1巻(バンブーコミックス)作者: 伊藤黒介出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2009/07/16メディア: コミック購入: 10人 クリック: 54回この商品を含むブログ (18件) を見る珍しく普通のレビュー。 すず ヒト、メス、7歳。 ベル グレートピレニー…

「GIANT KILLING」 達海監督の理想はチーム名に表れていたという話

GIANT KILLING(11) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/23メディア: コミック購入: 3人 クリック: 40回この商品を含むブログ (95件) を見る相変わらず面白くて困る「GIANT KILLING」の話です。まあ今日は面白さ…

「オリジナリティ」の源泉の一つを「疚しさ」に求めるという話

前回の記事(俺はなぜ「百舌谷さん逆上する」をまだ語れないのかという話 - ポンコツ山田.com)の冒頭とコメント内で、「語りえぬものを語るときの態度」について触れたけど、その話を突き詰めていくと「オリジナリティ」というものにぶち当たるように思う。…

俺はなぜ「百舌谷さん逆上する」をまだ語れないのかという話

「語りえぬものについては沈黙せねばならない」と言ったのはウィトゲンシュタインだが、その言葉を聞くと、では語りえるとは何かということも同時に思わずにはいられない。 対象について雄弁に説明ができることなのか。 自家薬籠中のものとして知り尽くして…

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「化物語」関連のコメントは重複するところが多いので、まとめて返させていただきます。 化物語の映像化。西尾さんが映像化は無理と断言している時点でどの製作会社、監督が作っても納得いくものが出来なかったんでしょう。私は原作既読済みです。確かにアレ…

「もやしもん」とただのうんちく漫画を隔てる一線の話

もやしもん(8) (イブニングKC)作者: 石川雅之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/23メディア: コミック購入: 32人 クリック: 576回この商品を含むブログ (391件) を見る加納はなちゃんがかわいいです。小さくて眼鏡でがんばり屋さんて素敵ですよね。そ…

アニメ「化物語」には物語の重さが足りなくはないかという話

化物語(上) (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 37人 クリック: 625回この商品を含むブログ (733件) を見る「化物語」が二話まで放映され、原作の「ひたぎクラブ」分まで補完…

「ネウロ」に見る「物語」22巻分の説得力の話

魔人探偵脳噛ネウロ 22 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/07/03メディア: コミック購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (34件) を見る本誌の連載も終わり、来月には最終巻も出る「ネウロ」。作品全体につい…

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非常に共感出来る記事でした感性に頼る天才派よりも 理論を構築する理論派のほうが 最終的には最強の座に座るのではないか と個人的に思っています情報収集→分析が第一段階 分析→データ整理で第2段階 問題解決思考まで出来て第3段階 感性に頼れない人は、…

お絵描き録

さて、恥ずかしながら不肖山田が描いたキャラクターの模写の中から、上手く出来たと思われるものをいくつか載せてみたいと思います。真面目に模写に取り組んで二週間弱。どんだけのものができたことやら。 画材は画用紙にHBの鉛筆です。写メで撮ったのでちょ…

「センス」がないやつは頭を使え 感覚を言語に翻訳しようという話

どうも。お絵描き(といってもキャラ絵の模写ばかりですが)が楽しくて更新滞ってました。山田です。 それはそれとして以前ちょろっと触れたバンドの話ですが、その練習が昨日あったわけですよ。 サザンやスカパラの曲を中心にやるホーンセクションつきのバ…

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http://d.hatena.ne.jp/yamada10-07/20090618/1245333212 を読ませていただきました。 非常に納得しました。そういうことって必ずあるよねと。 わたしは、ひとりよがりな文章、話し方をしてしまい 理解されないことがたまにあります。 ブログやメール、日常…

いい歳こいて新しいことを始める人に向ける、理屈と経験と実践の話

最近になって、お絵描きという趣味を新たに始めて思ったこと。 絵に限らず、いい歳してから何か新しいものを始めてみた時は、単純に練習などを重ねるよりは、ある程度理屈を考えながらやった方がいいと思います。絵でも音楽でも料理でもスポーツでも、この失…

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私も絵を描きますが線では考えていないですね。たとえば三角は「三角」であって「3本の線」とは見ていないです。あと必要でないかぎり正三角形や二等辺三角形か、も気にしていなかったりします。意外とそんなものです。 それはやっぱり、部分でなく全体を把…

絵心を身につけるために「絵心」を解釈しなおしてみようという話

体系的に絵の勉強をしたことのない自分が、絵心のある人間とない人間の違いを語ってみる話 - ポンコツ山田.com デフォルメのための要素の捨象・調整・再構成、そしてそこから生まれるゴールをイメージできているかという話 - ポンコツ山田.com イラストに関…

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私の兄は美大卒業後プロになったのですが、努力している姿は見たことがありませんでした。 家での落書きも学校の課題も本人にとってはある種の娯楽であり、多少の苦労も作品完成後の快感の前では問題にならなかったようです。 プロになってからは「家で絵を…

デフォルメのための要素の捨象・調整・再構成、そしてそこから生まれるゴールをイメージできているかという話

前回の続きのようなものを。 体系的に絵の勉強をしたことのない自分が、絵心のある人間とない人間の違いを語ってみる話 - ポンコツ山田.com 今日はデフォルメについての話。 前回の記事内で、私が描いた「HUNTER×HUNTER」のピトーとユピーのデフォルメ絵の模…

体系的に絵の勉強をしたことのない自分が、絵心のある人間とない人間の違いを語ってみる話

私は絵心がたいしてありません。どれくらいないかと言えば、中学の美術は5段階評価でコンスタントに2をとるくらい。なんとも微妙なレベルです。 ゲラゲラ笑うほどではないけど誉めるべきところもない、下の上くらいの絵を描く私。そんな私ですから、絵心のあ…

作り手が自らの作品に持つイメージなど受け手は知ったこっちゃないという話

島本和彦先生の「吼えろペン」11巻第43話「暗闇に向かっていけ!!」は、かなりギリギリなことを言っている話だと思う。 いや、「吼えペン」シリーズ自体相当ギリギリな話なのだが、この話が孕んでいるギリギリ感は、物語の創作に携わる人間にはかなり重く堪え…

「化物語」のキャラクターと、言葉から立ち上がる絵の話

化物語(上) (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 37人 クリック: 625回この商品を含むブログ (733件) を見る来期にアニメがスタートする「化物語」のキャラクターが発表されま…

笑いの「場」の違いによる、ボケとツッコミの質的変化の話 あるいは人を笑わせるのはそんな簡単なこっちゃないぞという話 

前回の記事の続きと言うか補足と言うかで、笑いの「場」の関する話を改めて。 笑いが起こる「場」の構造と、そこから考える「ヒャッコ」の魅力の話 - ポンコツ山田.com まずは前回の復習的なものを。 前回の記事内で、「場」の構成状況にあわせて笑いを「舞…

笑いが起こる「場」の構造と、そこから考える「ヒャッコ」の魅力の話

ヒャッコ 4 (Flex Comix)作者: カトウハルアキ出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2008/10/16メディア: コミック購入: 5人 クリック: 14回この商品を含むブログ (73件) を見る小中高一貫教育のマンモス校・私立上園学園の高等部に入学した…

「けいおん!」桜ヶ丘高校の放送部員が有能すぎるという話

アニメの「けいおん!」にはまっている友人がこの前力説してくれたことには、八話の新歓演奏シーンの音楽面で尋常じゃない気の使い方がされていた、だそうな。 遊びに行ったときに「いいから見てくれ」とテレビの前に座らされ、録画してあった八話を見たので…

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死ぬ間際に微笑んだ者と、微笑まれた主人公と言えば、うしおととらのジエメイと潮もそうですね。 ジェメイの微笑みも、しばらくは潮の心に重荷として残りましたからね。あの微笑を潮が肯定的に捉えられるようになったのは全てが解決してからですから、読み手…

オマージュは誰のためのものかという話

http://d.hatena.ne.jp/tunderealrovski/20090530/p1 昨日に引き続き、↑の記事を読んで思ったことをつらつらと。 tunderealrovskiさん曰く、「東のエデン」では現実の映画のニュアンスを端々に挟み込んでいるのですが、あるシーンでは大々的に黒澤映画「椿三…