ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2014-01-01から1年間の記事一覧

神話にメガネっ娘に神話と、少年の心をくすぐる『昔話のできるまで』の話

現代によみがえった日本神話。漫画研究会のハードな漫画指南。魔女に命を救われた少年。おっぱいおさげ眼鏡と「ネズミの嫁入り」の融合。小学生男女と龍の出会い。第二次大戦末期ドイツでの戦車逃避行。豊富な知識と濃厚な趣味に裏打ちされた、山田穣初の短…

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アナーキー、妙なリアルさがあっておもしろいですよね。 湿り気のある空気感というかJKたちの汗とか息遣いが伝わってきて なおエロく感じる気がしますw あー、湿り気ありますね。ひと肌の体温というか、生身のぬくもりというか。 エロい。 暗殺教室のステー…

少女と黒猫(?)のかわいくも不穏な日々『黒−kuro−』の話

広い洋館で一人暮らす少女ココ。でも彼女は寂しくない。愛猫のクロがいつもそばにいてくれるから。クロは、ある日姿を消して、戻ってきてからちょっと雰囲気は変わったような気もするけど、クロのおかげで毎日が楽しい。 けれど彼女に見えていない世界には、…

女子高生は下ネタとか好きだから! 『アナーキー・イン・ザ・JK』の話

アナーキー・イン・ザ・JK (ヤングジャンプコミックス)作者: 位置原光Z出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/05/19メディア: コミックこの商品を含むブログ (15件) を見るということで、位置原光Z先生の処女商業単行本『アナーキー・イン・ザ・JK』のレビ…

『暗殺教室』勝負のステージとラスボスの強さの話

夏のバカンス兼暗殺旅行が、あわやクラスメート大量死になるところだった3年E組。黒幕である、かつて一瞬だけE組の担当となった鷹岡から指名を受け、彼と立ち向かったのが渚でした。暗殺教室 9 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英…

今日少女は異形の魔法使いの嫁になる 『魔法使いの嫁』の話

幼い頃から超自然の存在を当たり前に目にしていた羽鳥智世は、それゆえにか周囲から浮き、父は行方知れずとなり、母は彼女の目の前で死んでいた。独りとなり、親戚からも世話を拒否された彼女は、15歳になったある時、とある男の言葉に乗り、自分自身を裏…

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はじめまして。snkと申します。アニメのハンターを見ていて何となく検索したくなり、「キルア 八つ当たり」で検索していたらここにたどり着きました(当方関西在住の為4週ほど放送が遅れていてちょうど該当の部分が今週放送でしたので)。とりあえず不況…

最高の負け試合で美しく散れ! 『夕空のクライフイズム』の話

中の上くらいの実力である私立木登学園サッカー部。元々弱小だったチームを数年でそれなりの強豪校にまで仕上げた監督だったが、周りからの期待に圧され、次第にその指導は、負けをひどく恐れる余りの高圧的でつまらないものになってしまっていた。 高2の今…

『名探偵マーニー』人生のゴールとその先の話

またぞろ『マーニー』の話で恐縮ですが。名探偵マーニー 3 (少年チャンピオン・コミックス)作者: 木々津克久出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2013/12/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る3巻のfile23「ゲーマー」では、あらゆるゲームに精通…

『名探偵マーニー』マーニーの見た「愛」と他者への信頼の話

一話あたりが短いような気がするも実は20pあって、そりゃあけっこうなペースで出版されるよなと思う『名探偵マーニー』。名探偵マーニー 8 (少年チャンピオン・コミックス)作者: 木々津克久出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2014/04/08メディア: コミッ…

男と女のSFでエログロでナンセンスな掌編集 『幻想ギネコクラシー』の話

「ギネコクラシー」。それは、「女性上位」「女権社会」を意味する言葉。古来、まだ人の社会がささやかな規模であった頃、それは女性を首長とする穏健な集団であったという。だが、社会が複雑になり、集団同士が相争うようになると、首長の座は男性にとって…

悩める生徒が駆け込む単眼系保健医『ヒトミ先生の保健室』の話

ヒトミ先生は中学校の養護教諭。彼女の保健室には、今日も多くの生徒が訪れます。長く伸びてしまった舌(3m強)、大きくなってしまう/小さくなってしまう身長、簡単に外れてしまう体の各部位、周りの目が気になって透明になってしまう自分の身体。思春期の…

『銀の匙』知識の「闇ナベ」の話(縦横につながる学問の話 その2)

妙なタイミングの発売だなと思ったら、実写映画の公開にあわせてなんですね、『銀の匙』。銀の匙 Silver Spoon 11 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/03/05メディア: コミックこの商品を含むブログ (55件) を見る進…

二人の男が恋仲になるまでの、断片的な日々の記録『スニップ,スネイル&ドッグテイル』の話

真面目で人付き合いの苦手な峰。社交的で自由な雰囲気を持つ安城。まるで性格の違う二人は、いつしかお互いに惹かれ始める。そんな二人が,出会ってから恋人同士になるまでの8か月を断片的に,しかもバラバラに描いた物語・・・・・・スニップ,スネイル&ドッグテ…

人ならざるモノと,それを殺すモノ 誰がために羊は死ぬのか 『白暮のクロニクル』の話

【オキナガ -息長-】 それは人間とよく似た,けれど不老不死の種族。現在の日本には推定10万人が存在。多くは厚生労働省の管理下にあるが,基本的には一般社会に溶け込んで生活している。 ある日,渋谷区の飲食店で殺人事件が起きた。遺体は首を切られた上…

あなたの知らない北海道農家の世界 『百姓貴族』の話

北海道。それは広大な土地が広がる北の大地。我々本州人には想像も出来ない過酷な世界が存在している。漫画家・荒川弘はそこで産声を上げ,そして育った。父方母方,ともに代々北海道の開拓農民の血筋という,濃縮100%農民が描く,農業エッセイ漫画・・・・・…

食あるところに人あり 人あるところにドラマあり『くうのむところにたべるとこ』の話

くうのむところにたべるとこ (マーガレットコミックス)作者: ヤマシタトモコ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/02/25メディア: コミックこの商品を含むブログ (15件) を見るということで、ヤマシタトモコ先生の新作『くうのむところにたべるとこ』のレビ…

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なるほど、そういうことかーと読ませていただきました。こちらこそありがとうございます! ところで、馬術部の同級生・栄の「頑張りを見てる人はいるんだよ、ちゃんと。」は、「9」巻のp97ですよ。 ご指摘感謝。即訂正しました。

本気でやるからゲームは面白い!『放課後さいころ倶楽部』の話

誰かと話すことが苦手で引っ込み思案な武笠美姫。高校に進学してもそれは変わらず、クラスの中でも一人溶け込めずにいた。そんな彼女が出会ったのは、転校生の高屋敷綾。日常の中から「楽しい」を探すことにかけては人後に落ちない綾につられ、美姫も笑顔を…

『銀の匙』内面を見てほしい八軒と御影の共通点の話

またぞろ『銀の匙』のお話。銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る最新刊の10巻で、豚肉ファンドで作ったウィンナーを学内の即売会…

『銀の匙』『G戦場ヘヴンズドア』に見る、夢を追う者と夢を失くした者の話

また『銀の匙』の話で恐縮ですが。銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る本作は、主人公の八軒が1巻から …なんだこの…… 「夢持って…

男二人、気持ちイイ除霊の先には何がある 『さんかく窓の外側は夜』の話

書店員の三角(みかど)は、物心ついた時から「あれ」が見えていた。他の人が幽霊と呼ぶような存在であるところの「あれ」。そのことについては誰にも言ったことはなく、自分一人のものとずっと抱え込んでいた。けれどある日、書店にやってきた除霊師・冷川…

作品への感情移入についてのちょっとした話 その2

前の記事の続きというわけではないけれど、別の観点がいくつか出てきたので。 前回のまとめの一つに ・作品への感情移入とは,あるキャラクターの内心について,一定程度以上の描写がなされたときに,読み手がそれを内面化すること ということを書きましたが…

作品への感情移入についてのちょっとした話

先日のヤマシタトモコ先生のイベントレポートでもちょろっと書いたとおり、「作品を読むときの感情移入」ということについて考えたいと思います。 イベントでリブレの女性編集者の方が、「BLを読むときは、基本的にはメインとなる二人の男性の関係性に着眼…

『さんかく窓の外側は夜』先行読書会 ~今夜は生でヤマシタトモコ~ の話

ヤマシタトモコ先生の新作『さんかく窓の外側は夜』 が2月10日に発売されることを記念して、出版元のリブレ出版が、1月31日にこんなイベントを企画しました。 男子限定! 新作コミックス先行読書会 〜今夜は生でヤマシタトモコ〜 で、応募してみたら、…

『銀の匙』縦横につながる学問の話

銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る『銀の匙』については、以前こんなことを書きました。 『銀の匙』数学をわからせる複雑な日常…

『GIANT KILLING』『グラゼニ』に見る、プロ選手としての人間の姿の話

29巻の後半では読んでてフラストレーションが溜まる一方だった『GIANT KILLING』。でも、毎回その後にカタルシスがやってきているので、それを信頼して読んだ30巻。GIANT KILLING(30) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発売日:…

美少女の妹には、厄介な兄と厄介な秘密が 『ふだつきのキョーコちゃん』の話

学校中にその悪名が轟く男、札月ケンジ。轟く悪名は二つ。一つは不良。そしてもう一つは重度のシスコン。彼の妹・キョーコは、校内でも誉れ高い美少女。言いよる男は数知れず。でも、そんな奴らが現れるたびに、ケンジがちぎっては投げちぎっては投げ。おか…

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くおんの森を読んで、この人の作品は読みにくい、というか乗り物酔いのような感覚になるのはなぜだろう、と思っていましたが、このように的確な分析を読んで理由がわかりました。 あと、この人は絵を描くのが好きで好きでたまらない感じがするので、ページの…

ふんわり甘く、時には酸っぱくほろ苦く。女の子による女の子への恋心 『終電にはかえします』の話

女子校に通う瀬戸あさきは、将来女子アナになりサッカー選手の嫁になって玉の輿を狙う、ちょっと傲慢だけどかわいらしい女の子。そんな彼女が通学に使う電車で出会ったのは、同じ学校で二学年下の奥山ツネ。金髪プリンにマスクを常備、スカートの下にはジャ…