真介は、一部、二部通じて(たまは兎も角)主人公側一行の中では”戦闘に於いて最弱の存在”です。第二部では若干の成長を見る物の、七歳の幼女(月湖)に一本取られたり。
それでも、要所要所で活躍し、その存在感を示しています。
良くバトル物で「強さのインフレにより序盤はかなりの強者として登場したが後に空気化する」キャラがいますが、真介はその真逆の存在と言えるかも知れません。
「泣かない事」や「くよくよせず前だけ向く事」が強さの条件の様に語る作品が多い中、真介は泣き、後ろを振り返って落ち込みます。
それでも。
そんな彼が、作中最強レベルの千夜にして「本当に強い人」と言わしめる存在なのです。
そこが、私の思う戦国妖狐の魅力です。
戦闘における活躍ということなら、一部のバリー戦、二部の正気を失った灼岩を止めるための行動等、強さを感じさせる描写はあると思います。一行の中で最弱、ということならそうですが、一行自体が作中で最強レベルとなると、その中の最弱というのもあまり大きな意味を持たなくなります。
ただ、真介の戦い方、戦う理由、あるいは人間や闇との接し方が他のキャラクターと大きく違うところに、単純な腕力霊力を越えた「強さ」があるのでしょう。その「強さ」が重視されることが本作の魅力だというのは、おおいに同意です。