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漫画の話です。

ルーラは世界を救う『天空の扉』の話

ルーシュ・モーデリアは、超高速移動魔法「マクロドライブ」を代々継承しているモーデリア家の息子。歴代屈指の使い手だった彼の父ルイ・モーデリアは、「雷光の勇者」レイのパーティで補給・輸送を担っており、自慢の父親だったのだが、魔王ディアボロを倒した後の祝賀会で、勇者とその仲間共々魔王軍の暗殺者により毒殺されてしまっていた。それから三年、街の近くの森で、ドラゴンに襲われている女性をルーシュは助けるのだが、彼女はかつて勇者たちを苦しめた魔王護衛軍最強の戦士の一人であり、彼女の胸の中には、小動物のような姿をした魔王ディアボロがいた。事情のよくわからぬまま、怪我を負った彼女を家に招き傷を癒していた数日後、王国はモンスターに襲われる……

天空の扉 1 (ニチブンコミックス SH comics)

天空の扉 1 (ニチブンコミックス SH comics)

ということで、日本文芸社「さくらハーツ」で連載中、KAKERU先生『天空の扉』のレビューです。
熱い。そしてベタ。「兄ちゃんベッタベタやないかい」と思わずニヤリとしながら言いたくなるくらいに。
とにかく第一話の密度が濃いです。無料で公開中なのでまずは読んでほしいのですが、優秀な姉、主人公を好きな幼馴染の貧乳魔法使い、主人公に惚れる褐色巨乳露出過多の戦士(ローションプレイあり)、顎から太腿まで縦に剣で切断、ラスボスと三年前の真相発覚、魔法をうまく使えなかった主人公が覚醒してラスボスに対抗しうる最強の攻撃力ゲット、とエロからグロまで、日常から大破壊まで、硬軟混ぜて取り揃えられています。アメリカのドラマは第一話でとにかくいろんな要素を詰め込んで視聴者の目をいきなり惹きつけるようしにている、という話を聞いたことがありますが、まさにそんな感じです。
ネーミングセンスも中二心を鷲掴みで、主人公の使う魔法が「超高速移動魔法マクロドライブ」で、使い手としての呼び名が「超高速移動魔法使いマクロドライバー」で、幼馴染の肩書が「万能型魔法使いマルチウィザード」で、他にも「指向性爆風魔法ショックウェーブ・バースト」や「極大狂風魔法ギガドラフト」なんて魔法があって、敵方には「三つ目族魔導砲兵団」「大平和神聖鬼族神聖唯一神異教撃滅軍団」「竜魔族飛竜騎士団」なんてのがいて、もうお腹いっぱい。素晴らしい。
また、魔法の強さ、有効さの設定が、一風変わっているというか現実的というか。あとがきでも

子供の時ドラクエ5やって 
「もし一つだけ魔法使えるようになるとしたら絶対ルーラかベホマザオリクだよな。っつか瞬間移動魔法がMP消費1でスライム鍛えたらすぐに使えるってこの世界の物流どうなってんだよwww 素朴なふりして超未来に生きてるよこいつ等www 更にワープと言うより超高速で上空飛んでるよな。ルーラで石とか飛ばしてぶつけたら最強じゃね? 大陸間弾道弾並じゃね? ルーラ使えるまで鍛えたスライム量産したら魔王城粉砕じゃね?」
とかかわいくないこと考えていた所からできた話です。
(1巻 p183)

と述べられています。ドラクエのルーラに相当する「マクロドライブ」はルーシュの一族しか使えないというのが、その考えを表していますね。設定は大上段のファンタジーなだけに、これを軸に今後の展開をどうしていくのか非常に気になるところです。
久しくこの手の直球どファンタジーを読んでいなかったので、その路線でおおいに期待しています。なにはともあれ、第一話を読んでみてくださいな。



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