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漫画の話です。

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「アニオタ」と「スイーツ(笑)」の音楽の棲み分けはなぜ起こるのかという話

いわゆる「アニオタ」といわゆる「スイーツ(笑)」などのどっちもどっち感を(過剰な侮蔑感を付与して)表すコピペ的なものにこんなのがある。 「感動系」のドラマ・映画を「スイーツw」「人が死んで感動とかw」と馬鹿にしながら、アニメで人が死ぬと「涙…

「神様との約束」羽海野チカの天才観の一類型の話

羽海野チカ先生の天才観が少し垣間見えた話を軽く。 羽海野先生の連載作品である「ハチミツとクローバー」と「3月のライオン」には、天才と呼びうるキャラクターが出てきます。前者には代表的なところではぐ美と森田(二人については過去記事;漫画で天才は…

先天的/後天的な伏線と、尾田栄一郎とファンの幸せな共犯関係の話

物語を盛り上げるために、しばしば伏線が使われる。辞書的な定義もあろうが、自分なりの言葉で定義すれば、 物語内の出来事に説得力を持たせるために、あるいは出来事を効果的に盛り上げるために、事前に仕掛けておくもの、こと、事柄。 となる。 個人的に好…

「友達100人できるかな」と、とよ田先生のストレートな感動の話

友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)作者: とよ田みのる出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/08/21メディア: コミック購入: 14人 クリック: 128回この商品を含むブログ (100件) を見る 友達100人!!できなかったら人類滅亡!! 36歳の小学校教諭・直行の…

「3月のライオン」 「家族」の喪失と補填、そしてそこに馴染まない二人の話

「3月のライオン」手段と目的としての「将棋」と「家族」、そしてそれから解放してくれた川本家の存在という話 - ポンコツ山田.com 前回の記事に引き続いての「3月のライオン」の話。今日は「家族」について重点的に。

零の引越し、川本家との出会いの時系列についての話

上の記事を書いてから改めて考えたのですが、どうにもそこらへんの状況がはっきしりしません。 零が一人暮らしを始めたのはやっぱり高校編入とほぼ同時期、もしくは直前なのかなという意見も充分有力です。カーテンの問題もありますし、幸田や香子の話を勘案…

拍手レス

私も縦読みしたクチです。 ただ、縦読みは瞬間的で、そのあと(エロい意味ないしは複雑なコマ割りということもあって)分散的にコマを読み返しました。 複雑なコマ割りは視線を惑わせ、短い停滞をもたらすような気がしました。 私がひとりぼっちじゃないこと…

「3月のライオン」手段と目的としての「将棋」と「家族」、そしてそれから解放してくれた川本家の存在という話

3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)作者: 羽海野チカ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2009/08/12メディア: コミック購入: 14人 クリック: 343回この商品を含むブログ (560件) を見る各話の表紙にほぼ例外なく川本家の人間が描かれているのでなかなか気づ…

漫画の読み方はどのように体系立てて内面化されているのかという話

このエロ漫画のコマ割がすごい ほかまみつり『Chocolat』のコマ割がすごい - karimikarimi こちらの記事で触れられているコマ割の表現論について、思ったところを軽く。 私の記事内でkarimikarimiさんの画像基づいた言及が多くあるので、まずこちらの記事を…

松井優征「離婚調停」に見る、起承転結の入れ子構造の話

魔人探偵脳噛ネウロ 23 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/08/04メディア: コミック購入: 7人 クリック: 91回この商品を含むブログ (59件) を見る堂々の完結を迎えた「魔人探偵脳噛ネウロ」。松井先生、四年間お疲れさ…

気軽に楽しくじっくり面白い 「良作」4コマ「ベルとふたりで」の話

ベルとふたりで 1巻(バンブーコミックス)作者: 伊藤黒介出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2009/07/16メディア: コミック購入: 10人 クリック: 54回この商品を含むブログ (18件) を見る珍しく普通のレビュー。 すず ヒト、メス、7歳。 ベル グレートピレニー…

「GIANT KILLING」 達海監督の理想はチーム名に表れていたという話

GIANT KILLING(11) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/23メディア: コミック購入: 3人 クリック: 40回この商品を含むブログ (95件) を見る相変わらず面白くて困る「GIANT KILLING」の話です。まあ今日は面白さ…

「オリジナリティ」の源泉の一つを「疚しさ」に求めるという話

前回の記事(俺はなぜ「百舌谷さん逆上する」をまだ語れないのかという話 - ポンコツ山田.com)の冒頭とコメント内で、「語りえぬものを語るときの態度」について触れたけど、その話を突き詰めていくと「オリジナリティ」というものにぶち当たるように思う。…