あけましておめでとうございます。旧年中はご愛顧いただきありがとうございました。はてなでブログを始めて6年余りも経ちましたが、飽きっぽい自分がよく続いているものですね。今年もまたよろしくお願いいたします。
年始に去年書いたものの総括をするという時期外れのことを初めてもう何年やらですが、折角続いているので今年もやります。
去年はバタバタしていて読んだ本も例年に比べて少なく、必然的にアウトプットのブログ記事も少なくなってしまいました(特に下半期)。数えてみたら全56本。週一を少しだけ上回るペースでした。今年はもう少し頑張りたい。たぶん頑張りたいと思う。頑張るんじゃないかな。まちょいと覚悟はしておけ。
どうにも既視感があるので確認してみたら、ちょうど一年前の記事で同じネタを言ってました。今年は成長しよう。
ということで総括です。まずは、こちらの作品についての記事。
夏の日に少年は男になり、少女は恋をする『子供はわかってあげない』の話 - ポンコツ山田.com
『子供はわかってあげない』交換によって生まれる人と社会のつながりの話 - ポンコツ山田.com
2014年俺コン漫画ランキング一位に堂々輝いた(ついでにこのマン2015でオトコ編第3位に輝いた)、田島列島先生『子供はわかってあげない』のレビューと、作品を通して伏流しているテーマ「交換」についての記事です。
一夏を経て一皮むけた、少年と少女の物語。簡素ながらもかわいらしい絵柄、小気味いい会話劇、ちりばめられたパロディ、日常の中の尖った設定に振り回されない物語構成と、実に実に名作です。高校や大学のころにこの作品に出会っていたら、まず間違いなく男子校に進学したことを後悔していたし、中学で出会っていたら男子校など視界にも入らなかったでしょう。そんな甘酸っぱい感情をかきたててくれながら、ボーイミーツガールだけに留まらない中身のギュッと詰まった物語。未読の人はぜひ読んでいただきたい。
きっと私は夏が来るたびにこの作品を読み返して身悶えするのでしょう。キモいね。
子供はわかってあげない/田島列島 - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ
『銀の匙』縦横につながる学問の話 - ポンコツ山田.com
『銀の匙』知識の「闇ナベ」の話(縦横につながる学問の話 その2) - ポンコツ山田.com
荒川弘先生の『銀の匙』から考えた、「学ぶ」ということの広がりについての記事です。
ブログを書いてるときもそうなのですが、あることについて考えているとき、ふとまったく別の、以前知った、あるいは学んだ何かと繋がる瞬間があります。あの瞬間の感覚、とても好きなんですよね。離れたところにある糸の先端同士がいつの間にか結びついてパッと明かりがつくような、机の上の紙にスッと切れ込みを入れたらその間からパアッと別の光景が見えたような。「パッと」や「パアッと」の表現でわかるように、不意に視界が開けて別のものが見える感じです。見えたものはすぐに消えていってしまうんですけど、それを逃さず言葉を当ててやって理屈の道を作って整備してつなげてやると、今まで見えてなかったものがありありと浮かんできます。
突然辞めるファンの気持ちと人間の一貫性の話 - ポンコツ山田.com
この記事なんかはまさに、直接関係なさそうな話がいろいろ集まって生まれたものです。「ああ、これってあのことのことなんじゃね?」というひっかかりから、ぐいぐいと思考を引っ張っていきました。
学問とは、具体的であった様々な情報群を、抽象的な形にして体系立てたものです。抽象的であるとは、直感的な把握が難しいということではあるのですが、裏を返せば、様々なことに応用が可能だということです(具体的なものが、直感的な把握が容易でも他への応用はすぐには結びつけられないのと裏表です)。この抽象と具体の関係性は、学問に限らず日常のそこかしこで意識しておくと、物事の理解や他への応用・転用に役立ちます。こういう考え方自体、私は大学受験時代の小論文対策で意識し、今現在では小論文に留まらない日常でのものの考えに応用しているわけです。一つの具体から抽象へ、そしてまた別の具体へ還元するといった具合。日日探究。
『暗殺教室』「いつか」のために学ぶことの話 - ポンコツ山田.com
『暗殺教室』視点を変えて学ぶことの話 - ポンコツ山田.com
「学ぶ」ということに関連して、『暗殺教室』から考えた「学ぶ」の話。この作品も、高い娯楽性をもちながら、「学ぶ」ことの根っこについて非常に真摯に考えている印象があります。また、最終的に「殺す」ことについて生徒たちがどう向き合うのか、非常に興味があります。旅行編と、現在最新刊で進行中の話の中でイリーナが見せた人殺しとしての顔が、簡単にそれを扱うことはないだろうなと期待させてくれます。
余談ながら、シロの背中に描かれている図形は、水素原子説と、地球とその周りを公転する月説、この二つを提唱したいと思ってます。後者の方がそれっぽいかなあ。
去年はヤマシタトモコ先生の作品が多く出ましたが、その中でも一大イベントだったのは、『さんかく窓の外側は夜』の先行読書会(男性限定)に参加できたことです。
『さんかく窓の外側は夜』先行読書会 ~今夜は生でヤマシタトモコ~ の話 - ポンコツ山田.com
発売前の単行本を読み、生ヤマシタ先生にお会いでき、作品その他についてヤマシタ先生本人や編集者、参加者らと話ができるという、俺の心がもう少し弱かったら嬉しさのあまり座りションベン漏らしかねないイベントでした。楽しかった……。その場で単行本にサインももらえたのですが、人生初めてのサインがまさかこんなレアな形になるとは思ってもいませんでした。来月には2巻が発売されますが、楽しみ。
ところであの座談会の様子が雑誌に掲載されるって聞いた気がするのですが、たぶん載ってない、よね?
男二人、気持ちイイ除霊の先には何がある 『さんかく窓の外側は夜』の話 - ポンコツ山田.com
本気でやるからゲームは面白い!『放課後さいころ倶楽部』の話 - ポンコツ山田.com
ボードゲーム(に限らずアナログゲーム)で遊ぶ女子高生たちのお話。私自身、年に一度、我が家でやる忘年会の際にはジャングルスピード で毎回遊んでいるのですが、本気でやる遊びは本気で楽しいです。もう最近のビデオゲーム、若い人が言うところのピコピコは、ルールが複雑であることがしばしばでいまいち進んでやる気にはなれないのですが、アナログゲームは基本的にルールが明解。ちょっと説明して一回遊べばすぐにわかりますから、みんなで集まったときに楽しむには最適です。ルールが明解で、勝った負けたもはっきりしているから、本気でやれば勝てばとんでもなくうれしいし負ければ死ぬほど悔しい。ゲームは本気でやってナンボです。遊びでゲームやってんじゃねえんだ!
ちなみに我が家のジャングルスピードは、ハウスルールとして、負けた人間はに罰ゲームが課されています。今回はレイザーラモンHGの本気のモノマネ(前々回は森進一の本気モノマネ)。無論動画で撮影。逃げは許されませんので、そりゃあ本気になります。罰をやり切った後に心折れて膝から崩れ落ちる人の姿って、どうしてあんなに心洗われるのでしょう。
まあ罰ゲームはともかく、本気で遊んで本気で楽しんでいる女の子たちの姿がとてもよいですよ、『放課後さいころ倶楽部』。
女子高生は下ネタとか好きだから! 『アナーキー・イン・ザ・JK』の話 - ポンコツ山田.com
意外に早く単行本化して驚き。位置原光Z先生の、基本下ネタギャグ漫画。下ネタ満載なのにエグくはなく、でもそこはかとなくエロさがある。なんだあのエロさは。
となりのヤングジャンプでの連載が終わってしまいましたが、一刻も早く次の活躍の場を用意すべき。
美少女の妹には、厄介な兄と厄介な秘密が 『ふだつきのキョーコちゃん』の話 - ポンコツ山田.com
自分が好むにしてはわりと珍しいタイプの作品。キョーコちゃん可愛い。
「産む男」たちが高校生活で狙うはお嫁さん『白馬のお嫁さん』の話 - ポンコツ山田.com
短編集『三文未来の家庭訪問』に収録されている同名の作品の設定をさらに突っ込んで、連載作品にしてきました。今より少し先の未来、科学技術の発展によって性のあり方に多様性が生まれつつも、人間の考え方がまだそれに追いついていない、そんな時代にクラス高校生たちのお話。SF設定とそこから生まれる社会や人間の摩擦に、ギャグをまぶしつけてどう料理していくのか楽しみです。
『HUNTER×HUNTER』「道草を楽し」むゴンと、蛙の子は蛙の話 - ポンコツ山田.com
はよ! 連載再開はよ!!!
とまあ、記事を振り返るとこんな感じですかね。去年はインプットもアウトプットも例年より少なかったので、記事数はもとより、「雑記」カテゴリー記事の割合が低いのが我ながら残念な感じです。今年こそは……!
一応、俺マン2014も発表しておくと
子供はわかってあげない/田島列島
ドリフターズ/平野耕太
のりりん/鬼頭莫宏
暗殺教室/松井優征
3月のライオン/羽海野チカ
白馬のお嫁さん/庄司創
運命の女の子/ヤマシタトモコ
宝石の国/市川春子
アナーキー・イン・ザ・JK/位置原光Z
アリスと蔵六/今井哲也
となっています。縛りは2014年の間に単行本が発売された作品から10本。一位に『子供はわかってあげない』がある以外は順不同です。
さあ、今年もいったいどんな作品に出会えるのでしょうか。2015年もどうぞよろしくおねがいします。
一言コメントがある方も、こちらからお気軽にどうぞ。
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