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漫画の話です。

別冊少年マガジン創刊号全作あらすじ&感想の話

別冊少年マガジン 2009年 10月号 [雑誌]

別冊少年マガジン 2009年 10月号 [雑誌]

桜場コハル先生の新作のために珍しく雑誌を買ったので、珍しく雑誌のレビュー。去年のgood!アフタヌーン以来。
まあざっくりと。長いので以下収納。ネタバレ上等なんでお気をつけ。

雷句先生の新作攻勢の一つ。舞台は「人」の存在しない動物の国(おそらく星)で、何かの力が働いて(おそらく)地球からやってきた赤ん坊が両親を亡くしたタヌキ・モノコに拾われる。そこから始まるどうのこうの。
やってきた赤ん坊は母親に捨てられ、拾ったモノコは両親に先立たれ。「家族」や「絆」なんかをテーマにすえていそうな、なんとも雷句先生らしい作り方の作品。
鳴き声が違うので種族間での意思の疎通は出来ないのだが、どうやら「人」の赤ん坊はそれが可能らしい。そこらへへんで「絆」の話は転がっていくのだろう。

貧乏三姉妹の4コマギャグ。「貧乏姉妹物語」にギャグ要素と微エロ要素を増やした感じ。特に言うことはない。

中学二年生の春日は、ボードレールを愛好する少年。肥大する自我とそれを表に出せない鬱屈した気性を抱え、もやもやと生きている。そんな彼が片思いするのは、美人の上に頭もいい少女・佐伯。ある放課後、教室に忘れた本を取りに戻った春日は、そこで偶然佐伯の体操着を見つけ、何を思ったか持ち帰ってしまう。翌日の学校では佐伯の体操着が盗まれたことが知られており、罪悪感と興奮に苛まれる春日だが、なんとその現場をクラスの問題少女・仲村に見られてしまっていた……
内気な少年が思春期に抱えるもんもんとした心理描写がいい感じ。級友に対して受動的に振る舞いながらも、頭に血が上ると、「オマエ、ボードレール知ってんのかよ」や「オマエに文学が理解できんのか?」と、友人を自分より知的に劣等であると見下しているのが表に出るのがたまらない。この鬱々感を大事にして欲しい。

  • ポチ/亜桜マル

高校一年生(たぶん)の成宮は、同じクラスの西表に告白をした。「人間の中にはネコが混じっている」と。「人ゴミの中を歩いていると、ごく稀に、耳と尻尾を生やした人間がいる」。どうやら西表はその一人らしいのだが……
前振りの壮大さのわりにページ数が少ないので、なんとも言いがたい。方向性もよくわからん。どうするつもりなんだろう。

古今東西ジャンルを問わず妙ちきりんな生き物や出来事を引き寄せる超・主人公体質人間の神冗徒無(しんじょうあだむ)と、超・高悪圧思念魔人類(いわゆる悪魔)のオスカ・L・デューク。自分の体質にうんざりした少年と、寂しがり屋で人恋しい悪魔が出会って……
テンション高めのファンタジー。バトル要素もないではないか。展開が強引な気はするけど、とりあえずオスカは可愛いよ。超・主人公体質とやらを名前倒れにしない作り方をしてほしい。

ある目的のために、命の重さ紙の如き冒険者になりたいと志願する孤独な少年・ゼオ=シャルガイド。冒険者ギルドの登録証をもらうためには、パーティを組んで指定されたものをとってこなければならない。酒場で絡まれていたところを助けてくれたティア=サークレスたちと、不本意ながらもパーティを組み洞窟へ向かうが……
RPGの古典・ウィザードリィのコミカライズ。DSとPS3ダウンロードで発売されるようだから、そのタイアップも兼ねてかしらね。まあよくありそうな冒険もの。よくありそうなだけに特筆すべきこともあんまないけど、最後のページで、ヒロインの顔をフキダシ枠で横断するのはひどいと思うんだ。マジで。

人と目を合わせるとその人の未来がちょっとわかってしまう少女・大橋と、他人の嘘がすぐにわかってしまう少女・佐藤。何の変哲もない高校生活に紛れ込んだ二つの能力は、何の変哲もない高校生活どう変える?
今回の目当て。個人的にはもっとはっきりしたストーリーものを期待していたのだが、ショートコメディだったのでその点はがっかり。作風は「みなみけ」にファンタジー要素を吹き込んだ感じ。それはそれであり。
本当は、桜場先生がストーリー漫画を描いたらどのようなつくりになるのかにとても興味があったのだが。今後そっちにいかないかな。いかないだろうな。

  • バニラスパイダー/阿部洋一

空一面にクモの巣のようなものが張った町。当初は騒がれていたそれも、半年もすれば皆慣れてしまった。存在感なく妄想癖の強いプチストーカー少年・雨留(通称「忍者」)は、そのクモの巣が現れて以来、謎の生物が人間を捕食していることを目撃しているのだが、他の人間はそれに気づいていないため、ガイキチ呼ばわりされることを恐れ誰にも言っていない。ある日出会った謎の男・津田は雨留がそれに気づいていることを知り、どうにかしようと持ちかけるが、空恐ろしくなった雨留は逃げてしまった。だが、その謎の生物「エレベーター」が彼の想い人(ストーカー相手)・水野を狙っていることに気づき、恐怖を覚えながらも津田に接触して化物を倒そうと決意する……
シリアスそうでいてどこかすっとぼけたギャグを挟む素敵テンション。水野さんがいい眼鏡っ娘だよ。あと、水野さんの友達のでかい女(誇張表現でなく)の出オチっぷりはもはや反則なんだ。

未来の地球は環境破壊を引き金にしてあらゆる文明が崩壊した。急激な変化により生物は異形の変化を遂げ、生き残った人類を脅かす。其処に人類の指導者となって戦う男がいた。その名は嵐分吾。この物語は未来の荒廃した地球を舞台にする、のではなく、なんでもない現代の彼が主人公である。
今回最大のヒット。バカみたいにくだらないギャグ漫画。てんどんのセンスが素晴らしい。作品自体が作られたのが一年以上前なので二話目から絵がいきなり変わるらしいが、この荒っぽい絵も嫌いではないぜ。

かつて人類は巨人に支配され恐怖のうちに生きていたが、巨大な壁で囲まれた街を作り、以来不安を胸にしながらも平和に暮らしてきた。だが、100年の平穏のうちに不安は忘れられる。人々は既に壁の中の仮初の平和に安住していた。そんな人間達の姿に危機感と苛立ちを募らせる少年・エレン。そして彼の不安は的中して……
いきなり第一話の最期から破滅的な予感をさせる引き。抵抗の手立てをまるで見出せなそうだし、二話のタイトル「阿鼻叫喚」だし。
エレンの叫び「家畜でも平気でいられる人間」が、なんだか上滑りしてしまっている感あり。

八王女中学にある浪漫部。そこに在籍するりく・あまな・みずほは、街で多発するわいせつ事件をどうにかしようと立ち上がり……
下ネタ&ロリータ。中二が幼稚園児のスモックを着るというどうしようもなさ。まあそういうのが好きな人にはいいんじゃない。テンションの高さがなんでかハルヒを思い出させた。

神か悪魔か、世界中を飛び回り正義の鉄槌を下す「天璽教団」。少年・蘭飛人は教団の天使候補生試験に合格し天使になろうと夢見る……
「日本は豊かだが心が貧しい国」というテンプレフレーズがどこまで陳腐にならずにいられるか。あと絵に癖がありすぎて、鍛えた筋肉で覆われているはずの背中がまるでそうは見えない。どこの健康不良児かと思ったわ。

  • 蓬莱ガールズ/山田瑯

16歳になるまで外へ出ることを禁じられた少女・鈴哥と、その世話係の蘇摩(ソーマ。ゾンビのようなもの)・陽々。外に出たいと暴れる鈴哥は、ある日偶然外に抜け出せる場所を見つけたが、そこにいたのは大量の蘇摩と、まるでモノを見るような目で自分を見つめる父親だった。その父親が命じていた、彼女を閉じ込めていた理由とは……
フックが大雑把過ぎるか。もうちょっと具体的な説明を入れたほうが次回に興味が湧くはず。なんだか曖昧すぎる第一話だ。

思春期の少年・栗乃花薫の元にやってきた押しかけ忍者・此花恋華。電波系の彼女の任務とは……
電波系ギャグ漫画。好きな人は好きかもしれんけど、俺はいいや。

女の子の落語家が楽屋でだだらな会話をする話。明確なストーリーはない。
曰く「この漫画は女の子のかわいさをお楽しみいただくため邪魔にならない程度のさし障りのない会話をお楽しみいただく漫画です」。日本語がおかしい。
わかりやすく今の久米田先生のネーム。

  • 空が分裂する/詩;最果タヒ 絵;荻尾望都

詩。なぜ詩?


以上。
期待してるのは

かな。
好みの漫画が多くなかったので途中で飽きたのは否めない。






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