『よふかしのうた』6巻(前半)の感想の話

  • 第50夜。吸血鬼になることを決意するマヒル
    • 人当たりがよくて、友達も多い。と思われてるマヒルの内面。キクと出会って楽しさを感じたことで、翻って今までの自分の生活が別に楽しくなかったと気付いた。
      • 48夜でマヒルがコウを尊敬してるって言ってたけど、あれはコウが「他人とあわせないでいられる自分を持ってる」、つまり一人でいられる人間だから。それをリスペクトするマヒルは、他人とあわせないではいられない人間ということで。
        • ヒルにからんだ同級生、AKIRAの鉄雄ぽさがある。『だがしかし』でもAKIRAネタがあったな。
    • 最後にマヒルの言った「きっかけ」はなんのきっかけだろう。
      • 告白するきっかけ?
      • それとも、自分の嫌いな自分を変えるきっかけ?
  • 第51夜。そうだ、東京へ行こう。
    • 5巻のラスト(49夜のラスト)で示唆されたキクのキモさ怖さに改めて光が当たる。
      • コウやナズナは気づているけど、マヒルは気づいていないアンバランスな状況。コウは友人を心配するけど、その思索をナズナに邪魔される。
        • うまく問題を宙ぶらりんにした。
    • で、東京。
      • 「理由もなくなんとなく"東京に憧れる"をやってるやつらがムカつくコウ。(もともとの意味での)中二病でとてもよい。
        • 邪気眼とかじゃないぞ。飲めもしないブラックコーヒーを飲んだり、意味の分からない洋楽を聞いたりする方のやつだぞ。
      • かつて、漠然とした楽しさを求めて一人東京に出たナズナは、その華やかさがむしろ寂しかった。だから、今度は明確にコウと一緒に行きたいと思って東京に行った。
        • 外連味のあるナズナの表情がとても良い。アンバランスなはすっぱさが、彼女の精神をとても華奢に見せる。
          • その直後のコミカルなデフォルメ顔でさらに良い。
    • 「きっと 生まれて初めて 自分以外の誰かを大切だと思った。こんなにいつも一緒にいるのに またすぐに会いたくなる。これが この感情が恋じゃないなら じゃあなんなんだよ」
      • なんなんだろうね。そう思いながら血を吸われても、吸血鬼になれないんだもんね。
        • 獰猛なナズナの口元と、恍惚と照れの混じったコウの表情の対比がいい味出してる。
  • 第52夜。What is this thing called love
    • 道行く人々の恋愛(ナンパ)模様を見ながら、恋とは何かを考える、恋を知らない中学生男子と、恋に奥手な吸血鬼。
      • 純な恋愛。不純な恋愛。純からたどり着く不純。不純から行きつく純。
        • 「いいじゃないか 当人が納得していれば 他人が口出すことじゃない」
          • それができないのが人間。吸血鬼もかな?
      • 今まで恋愛感情を抱いたことのないコウが、自身の異常な体験を思い返し、道行く見知らぬ人々の恋愛する姿を見て、気づく真理。「ドラマなんかなくても人は恋愛ができる。」「恋愛なんて特別なことじゃない。」
        • まるでぴんと来てないナズナ。ははーんこいつ中学生男子以下か。
    • 夜の誰もいない動物園。動物も見えない。
      • 背景がしっかり描かれた大きめのコマに、小さめのキャラクターの絵。拙者そういう構図大好き侍。
      • ナズナに、明確な好意がこもった言葉を吐けるようになったコウ。男の子だぜ。
        • 「帰ろっか」がいい。自分たちがいる地元に帰るんだよ。自分たちが会えた場所に帰るんだよ。
      • 「せっかくならいつかは…」
        • その「いつか」は、来るべきではない時。マジョリティから背を背ける未来を選んだ者たちには来ない時。
  • 第53夜。中学生の恋バナを肴に酒を飲むダメな人(鬼)たち。
    • コウの話でアルコールが捗るダメな人(鬼)たち。
      • 自分もやってみたいか? ……ちょっとやってみたいかも。
        • あと、かわいい女の子とテレビゲームして盛り上がりたい。
          • 男はいくつになってもそんな願望を抱いてしまうかわいそうな生き物。
    • 最後にコウをさらっていったナズナ。かっこよくてかわいい。
      • コウと二人ならテンションガン上げでゲームをするけど、他の人間と一緒ではそういう素を出せない。照れをにじませるでもないスンとした顔のナズナ、いい……



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