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漫画の話です。

青春 それはニマニマのラブコメディである 『徒然チルドレン』の話

高校生。それは甘酸っぱくも恥ずかしい青春のかたまり。好きな人もできるし、恋人もできるし、告白もするし、ふられもするしで、喜びと悲しみがてんこ盛り……

ということで、若林稔弥先生『徒然チルドレン』のレビューです。大本は、以前連載していた作品の宣伝としてweb上で発表した単発の4コマなのですが、連載作品が終了してしまった後も、気楽に気軽に描けるものとしてpixiv上で同テーマの作品が発表され続けていました。それがこの度講談社の目に留まり、書籍化と相成った経緯がある作品です。


構成は、あるカップルをメインに据えた4コマが、1話につき10本強、ページにして5p前後となっています。舞台はすべて高校なので、登場人物はほとんど高校生(1名のみ高校教師)。まったくどいつもこいつもウブなやつばかりで、なんでこんなに読む者を悶えさせるのか。4コマを1本読むごとに、ニマニマしたりニマニマしたり、あるいはニマニマしたりしてで、基本的にニマニマしながら読んでますよ。
そのニマニマが何に由来するかといえば、男の子でも女の子でも、自分の気持ちを伝えたいのに伝えられなかったり、本気になろうとしてついごまかしちゃったり、相手の気持ちに対して空元気を見せたりといった、心の葛藤がモロに見える点なんですよね。その露骨さというのは明らかに意図的で、それはニマニマを生むと同時にギャグを生んでもいます。
ふらふらふらふらしている気持ちをいざ相手にぶつけようとして、それが思いきっり空ぶったときの肩透かし感。
相手の掌の上で転がされていることに気づかず虚勢を張っている滑稽さ。
自分の気持ちがうまく伝わっていないことがわかってしまっているもどかしさ。
そういったものがドデンと、清々しいまでにわかりやすく提示されているのが、たまらなくニマニマだし、非常に面白いのです。


pixivで発表されていたことは上でも触れましたが、実は単行本発売後も、まるっとそのままpixiv上に作品が残ってます。
pixiv-若林稔弥
太っ腹というかなんというか。
webで全部見られるなら単行本買う必要ないやなどと思ったそこのあなた、それは早合点というもの。単行本にはおまけとして、各話のちょっとした後日談と、登場キャラクターの一コマ紹介があるのです。既に書いたように、舞台がひとつの高校なので、登場人物らがクラスや部活、あるいは血縁関係などで何らかのつながりがあり、おまけでは、本編で登場しなかったそれぞれのつながりが見えてきます。そういうのが好きな私にはなんてご褒美。


まずはpixivを見ていただいて、興味を持たれたら是非単行本も。


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