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漫画の話です。

それでも町は廻っている/石黒正数/少年画報社

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)

都内の下町にあるメイド喫茶メイドカフェではない)「シーサイド」を中心に繰り広げられる日常を、ちょっぴりシュールに描いた漫画。通称「それ町」。

一応メイド服姿の女の子は出てくるけれど、作者はメイド喫茶に行ったことすらないので、そこら辺の思いやりは一切なし。メイド喫茶はほとんど飾りみたいなもんです。偉い人にはそれが(以下略

細めのシャープな線ではあるけれど、登場人物の顔がふくよかなのが多いので、全体の雰囲気はほんにゃかしています。雰囲気に関しては、主人公の女の子が明るくにこやかな天然系の女子高生なので、それも大いに関係あるかと思いますが。

昭和のノリを今風にアレンジした、レトロモダンチックな話のテンポ・センスで、そこにすっきりした細めの線による画風があいまって、なんというか、妙にサブカルチャー的な空気が醸し出されてます。

描かれているのは変哲もない日常だし(一部例外はあるが)、登場人物が基本的に暢気なので、のんびり読めてほこほこ笑える漫画です。その意味で、「よつばと!」に近いと思います。

一番好きなエピソードは、二巻巻末書下ろしの「たまごやき」。このたった2ページのお話に、「それ町」のエッセンスがギュッと詰まっているような気がしてなりません。
箱庭の中のジタバタコメディを覗き込んでいるような感覚になる、適度に非日常ないい漫画です。









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