ある日、女性専用アパートに宇宙人がやってきた。手のひらサイズの彼らだが、その科学力はわずか20分で地球を滅ぼせるほど。宇宙船が故障したために不時着し、修理が終わるまでアパートに居候をすることになったのだが、果たして彼らの機嫌を損ねず、無事に帰ってもらうことはできるのか? ……という心配は一切なく、妙齢の女性たちがろくでもない話を延々話すだけのお話……
- 作者: 岡村星
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2013/11/28
- メディア: コミック
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もうこの宇宙人たち必要なのかよってくらいに彼らの存在は話題のちょっとしたスパイスでしかなくて、第1話で宇宙人が窓ガラスぶち破ってアパートに侵入し謎の光線でそれを修復すると、女性住人はその光景を目の当たりにした上で、「そういや修復で思い出したけどあんた石川君とどうなった?」ともう一人の女性に色恋沙汰の話を始める始末。オーバーテクノロジー涙目。
まえがきでも「海外ドラマでよく見る「シットコム 」のような会話劇を漫画で再現してみたい」とあるのですが、まさにそんな感じでしゃべりっぱなし。「ろくでもない」「しょうもない」と内容については一刀両断してきましたが、あえてもっと詳しく説明するなら、どんな男がタイプか西武のおかわり君いいよねオードリーの春日いいよねクリスピアンミルズみたいな男前のロックスターなんて皆好きに決まってるだろアホか、だの、転がり込んでるダメ彼氏が成瀬心美でヌいてやがるふざけんな俺がヌいてるのは麻美ゆまだいい加減覚えろ、だの、こないだの合コンヤリ目の男ばっかでマジきついわえーでもそいつがあなたのこと一番かわいいって言ってたよ……まあもう一回会ってもいいかな、だの。
気の置けない同性の友人が数人で集まったらこんなかな、って具合の30代ダベリ場。身に覚えがある。
宇宙人たちは、もともと過激な会話劇にさらにブーストをかけるためにいるようなもので、合コンに来た全員に謎光線を照射することで全員が本音でしか喋れなくなり、「…いいか女共 もうくだらないお喋りは終わりだ 今日やらせる奴だけここに残れ」というセリフが投下されたり、上でもちょっと出てきた麻美ゆまでヌこうとしていたダメ彼氏を瞬間移動で女の巣へ呼び出して吊し上げにしたり、モテふわパーマでもモテない女性の髪形を考えるためにノーリスクで色々なスタイル(含むアフロ)に変えたり。
作品のイメージとしては、ツイッター上でこの作品を評した人曰くの、「竹易てあしっぽい」というのはかなり的確だと思います。くそったれな発言を真顔で言ってそれが当たり前の会話として成り立っている感じがそれっぽい。こういう真顔でビーンボール的なノリが好きなのですよ。
一応1巻というナンバリングはあるのですが、続刊が出るかどうかは売上次第だとかなんとか。世知辛いことこの上ないですが、これはぜひ続刊希望。お気に召しましたらお願いいたします。励みになります。
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