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拍手レス

 私もこの作品「宇宙兄弟」を見て、感動しました。私の中でも「宇宙兄弟」が大賞です。感動は人それぞれ様々なものだと思いますが、本作は兄弟の心境がよく描かれており、実際に兄弟の居る私は共感できる部分が多く、それだけ感動できる要素があったように思います。
 
 思うに感動とは、作品にどれだけ共感してのめりこめる内容であるか、という事ではないでしょうか。それが強ければ強い程、作中で起こった出来事に強く感動するのだと私は思います。そしてこの作品にはそれがあります。

 もちろん、実際に兄弟が居る私から見て「ここは違うなぁ。ほんとの兄弟ってのは、こうは考えたがらないモンだよ。」などと言いたくなる箇所を数え上げたら切が無いです。しかしながら、それは気恥ずかしさのあまりに目を背けているだけであり、よく熟考してみれば兄弟の絆というのは本作で語られている内容が実に一致しています。即ちそれは兄弟のライバル心であったり、いつも一緒に居たいという気持ちであったりです。
 人ひとりをつぶさに観察すると出てくる欠点やアラのようなものは、兄弟の視点として常にあるものであり、それを許容しあってその人物人格の良いところも全て観て感じあっている・・・兄弟とはそういうもの。だから強い絆で結ばれているのです。

 作中にある言葉に「兄とは常に弟の先をいっていなければならない。」というのがありますね。本作アニメ視聴後の今にしてみれば名言だなと思います。
 しかしながら、私は最初この言葉に「そんな事はない」と強い抵抗を感じました。弟というものは幼い頃から兄を目の敵にするものです。これには表面的に敵対しないケースもありますが、どんなに仲の良い兄弟だとしても、必ず弟というものは兄を越えたいという心を、生きる上で持つようになるものなのです。恐らく産まれてから成人するまでに、そう感じた事が全く無い「弟」は全世界を探しても居ないのではないかと思います。だから現実には、弟が得意なある分野で兄を追い越そうとして、追い抜いてしまう事が多々あります。そこで兄というものは初めて弟のそうした心情を察するようになり、必要以上に弟の先を行こうとしなくなるものなのです。
 上記の言葉は、兄としては気恥ずかしく、忘れ去りたいような原初の心、兄弟のライバル心、兄のメンツや意地をよく表していると私は思うのです。本作も兄のムッタは弟に大きく差をつけられて、負けている人生からスタートします。非常にリアルだと思うし、こういう時の兄の心境は見ていてこっちが恥ずかしくなるぐらい共感できました。

 さて、だいぶ長くなりましたが、この作品を見た貴方の感想に心から喜びの念を感じましたので、web拍手を送りつつ締めくくりとさせて頂きます。ありがとうございました

どうもありがとうございます。
私にも兄(ついでに言えば姉も)いますが、本作のような感覚はありません。6歳というそれなりの歳の差のせいかもしれませんし、趣味などが違うせいかもしれませんが、ライバル心や、逆につながりのようなものは非常に薄かったし、今でも薄いです。私としては家族の基準がもちろん自分になるわけですから、兄弟とはそういうものだとずっと思っていたんですが、長じるにつれ、友人や親戚の兄弟関係の話を聞くようになれば、兄弟関係にはもっと親密な結びつきがあり、ずいぶん自分と違うのだなと驚いたものです。でも、私と同様に親密性の薄い兄弟姉妹関係を持つ友人も、もちろんいるわけで。
兄弟関係は無論の事千差万別ですから、もしかしたら本作のような関係性を持つ人間はいるかもしれないし、いないかもしれない。でも、在不在は問題ではなくて、大事なのは描かれたその「ありうるかもしれない関係性」に、いかに読み手を巻き込むか、だと思うのです。世の中には姉(妹)しかいない男性や、兄弟はいても本人は女性とか、もちろん一人っ子もいるわけで、兄弟姉妹の関係性は人それぞれですが、それでもなお読んだ人間に「兄弟っていいものだな」と思わせられれば、物語として極めて優秀だといえるのだと思います。
宇宙兄弟』が優秀すぎて怖い。