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漫画の話です。

「メビウスジャンパー」で眼鏡(っ娘)の歴史を知ろうという話

みなさん、眼鏡っ娘は好きですか?僕は好きです。大好きです。好きな女性の属性は何かと問われればいの一番に挙げるくらい、眼鏡っ娘は素敵な存在だと思います。
そんな全国400万人(公称)の眼鏡っ娘スキーの熱い汁を煮しめたエキスを聖水と崇める小野寺浩二先生による、眼鏡史漫画です。とかなんとか言いながらも、眼鏡とはなんら関係のないダンヌ=ジャルクを、自分が好きだという理由だけで三話も使ってネタにするような、作者の趣味汁が溢れまくった作品です。
眼鏡っ娘スキーの天才科学者(=マッドサイエンティスト)・南雲一文字が、眼鏡っ娘の歴史を知りたいというその理由だけでタイムマシーンを発明、助手の人見硝子と一緒に、レンズが発明されたB.C.700年の昔から眼鏡の歴史と眼鏡っ娘を訪ね歩く、そんなストーリー。一言で表すなら、作中の言葉を借りて「この世で一番くだらないタイムトラベルストーリー」というのが相応しいでしょう。


とにかくこの作品、眼鏡っ娘スキーの心をわしづかみにする言葉が満載です。

メビウスジャンパー 1巻 p103)

かつては「眼鏡を外したら美人」というシチュエーションが主流であった
これは誤った黒歴史である
正しくは「眼鏡をかけたら美人」!
さらに言えば「眼鏡が似合う女性」こそ「本当の美人」である!!
にもかかわらず コンタクトレンズのCMは未だに「眼鏡を外した方がいい感じ」などという毒電波を垂れ流している!
眼鏡を悪いイメージの比較対象とするとはなにごとか!!


(同書 p124)

あっ でもおしゃれ眼鏡はいかん!
あれには今一つグッとこないのだ!

どうです、なんとも心に響く台詞たちではありませんか。
特に後者はその通り。おしゃれ眼鏡のあの残念さはなんでしょう。レンズの光の反射のせいか、普段かけなれていない仕草のせいか、なぜか「ああ、この人の眼鏡はおしゃれ眼鏡なんだな」と一目でわかります。真の眼鏡っ娘は、実用の美と共にあります。「眼鏡は顔の一部です」とはパリーミキの謳い文句ですが、それは極めて真実を付いたコピーでしょう。顔の一部となるほどにしっくりした眼鏡は、確実に女性の女ぶりを三割り増し、最低でも一割は増します。これは真理!(とは、作品中の言葉ですが)


まあ、眼鏡っ娘の話でだけ終わるのもなんですので、少しは他の話も。
眼鏡(っ娘)史ということで、とりあえずレンズの発明されたB.C.700年、そこから眼鏡の形ができる中世ヨーロッパ(13世紀後半のイタリア)まで時代は一気に飛びますが、眼鏡以外の史実などについてもちょこちょこと描かれ、歴史雑学ものとしても面白いです。
あとは、作者の趣味汁たっぷりの暑苦しいギャグ(いい意味で)ですか。小野寺先生の作品はこれが初見なのですが、どの作品も似たような熱量なのだろうというのは想像がつきます。なんというか、コロコロやボンボン、あるいは初期のガンガンでやってそうな、勢い重視のギャグ。この手のノリを久しぶりに読んだのですが、なんだか子供の頃のシンプルな笑いが思い出されました。まあそこに眼鏡っ娘への愛が横溢しているので、迂闊にコロコロなんかにそのまま載せられるネタではありませんけども。
あと、一応タイムトラベル的なネタがしこんでもあるのですが、個人的にはそんなのは本当に適当でいいので、趣味に突っ走って欲しいと思います。むしろ適当な方が面白いとさえ思う。


ほぼ同時発売の、他社の二作品

キミとボクとの∞ (バンブー・コミックス MOMO SELECTION)

キミとボクとの∞ (バンブー・コミックス MOMO SELECTION)

スピリチュアルぱらだいす 3 (サンデーGXコミックス)

スピリチュアルぱらだいす 3 (サンデーGXコミックス)

も、かんりアレな感じがします。特に前者。本作が通時的眼鏡っ娘愛だとしたら、「〜∞」は共時的眼鏡っ娘愛でしょうか。書いててもうよくわからんけど。


まあとりあえず、眼鏡っ娘スキーは買っておけ、と。








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