- 作者: うめ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
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なんとか成果を出して本社に戻ろうとする星乃と、とにかく面白いゲームをつくることを理想とする天川。二人の対立に加えて、大手ゲーム会社もなにやら裏できな臭い画策をしているようで……
「ラブロマ」(とよ田みのる)が好きな私は当然の如く今月発売の「FLIP-FLAP」を買ったんですが、こちらのサイト様の「FLIP-FLOP」のレビューの中にこの作品が名前を連ねていたので買ってみました。日本橋ヨヲコ先生もとよ田みのる先生も好きな私なので、これは買って損はないかなと。
昔から日本橋先生ととよ田先生にはどこか似通ったところがあると思っていた私。その詳細については後々まとめてみたいとは思いますが、ひとまず同意見の人がいてよかった。
んで、その両先生の共通点は、ざっくり言ってしまえば、「伝えたいことを真正面から伝える」ところだと思います。メッセージ性がとても強いお二人だと思うんですよ。
だから、上記のサイト様でその三先生方(うめ先生は二人組のユニットなので、「三」先生と言っていいものかあやふやなとこですが)に共通点を見出していたのも、そのところなのかなぁと。
で、読んでみて。
なるほど、そこのところはかなりあると思います。
登場人物が思い(本音)を照れもなく正面から言う感じ。それは青臭い理想論かもしれないけれど、キャラに本気で言わせていることに作者に覚悟がある感じ。他の場面にはともかく、そのシーンにはギャグを挟まない感じ。
ただ、この作品の雰囲気には、上の二先生だけでなく、島本和彦先生っぽさもあると思うんですよ。
それは、この作品がゲームのクリエイターを主人公にしていて、私が持っている島本作品が「吼えペン」シリーズ(主人公は作者自身をモチーフにした(と思われる)漫画家)だけであることとも関係があるかもしれません。
どちらもクリエイターが主人公であり、理想と現実の板ばさみになっても、なんとか我を通そうとする展開。そしてその押し切り方。あとは、仕事場の他のスタッフのキャラの描き方とか。
そこらへんが、「吼えペン」シリーズと通ずるものがあるかな、と。
だから、簡潔にこの作品を表そうとするなら、「ゲーム業界を舞台にした、『G戦場ヘブンズドア』と『吼えペン』シリーズを足して二で割った作品」て具合になるかもしれません。
というか、そう考えると、あまりとよ田先生の印象は強くならないんですよね。絵柄のせいでしょうか、話のノリのせいでしょうか。
あ、あと絵柄にふれるなら、特に初期は日本橋先生に似ていると思います。太い線でシンプルにデフォルメしているところとか。コマ割もどことなく。
だれそれに似ているという話ばかりしているのもなんなのでそこらへんから離れますが、コマ割もいいし、絵柄もほどよいデフォルメでブレが少ない。後半の打ち切り臭が漂い始めてきた頃合の加速感はちょっと不安ですが、それでもストーリーは安定していると思います(ちなみに、「東京〜」は講談社のモーニングで連載されていたもので、幻冬社のコミックバーズで改めて「大東京〜」の連載が始まりました。バーズGJ)。伏線、裏設定のほんのりした出し方が上手いですね。
熱さとコメディとストーリーのバランスがとれたいい作品だと思います。絵柄も私はかなり好みです。星乃かわいいよ星乃。モモかわいいよモモ。
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