ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

人ならざるモノと,それを殺すモノ 誰がために羊は死ぬのか 『白暮のクロニクル』の話

【オキナガ -息長-】 それは人間とよく似た,けれど不老不死の種族。現在の日本には推定10万人が存在。多くは厚生労働省の管理下にあるが,基本的には一般社会に溶け込んで生活している。 ある日,渋谷区の飲食店で殺人事件が起きた。遺体は首を切られた上…

あなたの知らない北海道農家の世界 『百姓貴族』の話

北海道。それは広大な土地が広がる北の大地。我々本州人には想像も出来ない過酷な世界が存在している。漫画家・荒川弘はそこで産声を上げ,そして育った。父方母方,ともに代々北海道の開拓農民の血筋という,濃縮100%農民が描く,農業エッセイ漫画・・・・・…

食あるところに人あり 人あるところにドラマあり『くうのむところにたべるとこ』の話

くうのむところにたべるとこ (マーガレットコミックス)作者: ヤマシタトモコ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/02/25メディア: コミックこの商品を含むブログ (15件) を見るということで、ヤマシタトモコ先生の新作『くうのむところにたべるとこ』のレビ…

拍手レス

なるほど、そういうことかーと読ませていただきました。こちらこそありがとうございます! ところで、馬術部の同級生・栄の「頑張りを見てる人はいるんだよ、ちゃんと。」は、「9」巻のp97ですよ。 ご指摘感謝。即訂正しました。

本気でやるからゲームは面白い!『放課後さいころ倶楽部』の話

誰かと話すことが苦手で引っ込み思案な武笠美姫。高校に進学してもそれは変わらず、クラスの中でも一人溶け込めずにいた。そんな彼女が出会ったのは、転校生の高屋敷綾。日常の中から「楽しい」を探すことにかけては人後に落ちない綾につられ、美姫も笑顔を…

『銀の匙』内面を見てほしい八軒と御影の共通点の話

またぞろ『銀の匙』のお話。銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る最新刊の10巻で、豚肉ファンドで作ったウィンナーを学内の即売会…

『銀の匙』『G戦場ヘヴンズドア』に見る、夢を追う者と夢を失くした者の話

また『銀の匙』の話で恐縮ですが。銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る本作は、主人公の八軒が1巻から …なんだこの…… 「夢持って…

男二人、気持ちイイ除霊の先には何がある 『さんかく窓の外側は夜』の話

書店員の三角(みかど)は、物心ついた時から「あれ」が見えていた。他の人が幽霊と呼ぶような存在であるところの「あれ」。そのことについては誰にも言ったことはなく、自分一人のものとずっと抱え込んでいた。けれどある日、書店にやってきた除霊師・冷川…

作品への感情移入についてのちょっとした話 その2

前の記事の続きというわけではないけれど、別の観点がいくつか出てきたので。 前回のまとめの一つに ・作品への感情移入とは,あるキャラクターの内心について,一定程度以上の描写がなされたときに,読み手がそれを内面化すること ということを書きましたが…

作品への感情移入についてのちょっとした話

先日のヤマシタトモコ先生のイベントレポートでもちょろっと書いたとおり、「作品を読むときの感情移入」ということについて考えたいと思います。 イベントでリブレの女性編集者の方が、「BLを読むときは、基本的にはメインとなる二人の男性の関係性に着眼…

『さんかく窓の外側は夜』先行読書会 ~今夜は生でヤマシタトモコ~ の話

ヤマシタトモコ先生の新作『さんかく窓の外側は夜』 が2月10日に発売されることを記念して、出版元のリブレ出版が、1月31日にこんなイベントを企画しました。 男子限定! 新作コミックス先行読書会 〜今夜は生でヤマシタトモコ〜 で、応募してみたら、…