ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『銀の匙』縦横につながる学問の話

銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る『銀の匙』については、以前こんなことを書きました。 『銀の匙』数学をわからせる複雑な日常…

『GIANT KILLING』『グラゼニ』に見る、プロ選手としての人間の姿の話

29巻の後半では読んでてフラストレーションが溜まる一方だった『GIANT KILLING』。でも、毎回その後にカタルシスがやってきているので、それを信頼して読んだ30巻。GIANT KILLING(30) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発売日:…

美少女の妹には、厄介な兄と厄介な秘密が 『ふだつきのキョーコちゃん』の話

学校中にその悪名が轟く男、札月ケンジ。轟く悪名は二つ。一つは不良。そしてもう一つは重度のシスコン。彼の妹・キョーコは、校内でも誉れ高い美少女。言いよる男は数知れず。でも、そんな奴らが現れるたびに、ケンジがちぎっては投げちぎっては投げ。おか…

拍手レス

くおんの森を読んで、この人の作品は読みにくい、というか乗り物酔いのような感覚になるのはなぜだろう、と思っていましたが、このように的確な分析を読んで理由がわかりました。 あと、この人は絵を描くのが好きで好きでたまらない感じがするので、ページの…

ふんわり甘く、時には酸っぱくほろ苦く。女の子による女の子への恋心 『終電にはかえします』の話

女子校に通う瀬戸あさきは、将来女子アナになりサッカー選手の嫁になって玉の輿を狙う、ちょっと傲慢だけどかわいらしい女の子。そんな彼女が通学に使う電車で出会ったのは、同じ学校で二学年下の奥山ツネ。金髪プリンにマスクを常備、スカートの下にはジャ…

アイドルだって生身の女の子 『きれいなあのこ』の話

リアルJC・JK六人組アイドルユニット、その名も「平成絶対領域委員会」。大きく芽を出すこともないまま数年で消えていった、数多あるアイドルグループの一つだけど、中の女の子たちには、もちろんそれぞれの人生がある。「絶会」前後の彼女らの一時期を…

市川春子の短編と、反復し変奏するミニマルミュージックの話

漫画や小説に合う音楽、ということを考えるのがわりと好きです。「言葉は音楽に恋している」とは、詩人・谷川俊太郎さんの言葉ですが、無時間的なメディアである漫画や小説が、時間的な芸術である音楽に強く惹きつけられるのは必然であるように私も思います…

『銀の匙』に見る、一歩向こうにある美味しさの表現の話

毎巻美味しそうな食事の描写で読者の胃袋を殺しにかかってくる『銀の匙』。銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る10巻ではウインナ…

『めめんと森』から考える、物語の過剰な解りやすさと読み手の楽しみの話

昨年発売された、ふみふみこ先生の『めめんと森』。めめんと森 (フィールコミックス) (Feelコミックス)作者: ふみふみこ出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2013/12/07メディア: コミックこの商品を含むブログ (9件) を見る決して嫌いではない、というか最近の…

拍手レス

先程誤送信してしまいました。すみません。 井上先生の作品がすべて好きですが、ここまで的確な感想(読解力というのでしょうか)は目から鱗です。これからも期待しております。 ありがとうございます。 最近、漫画に限らずいろいろな種類の本を読む方が、漫…

あの時覚えた感動が自分をジャズに突き進ませる 『BLUE GIANT』の話

宮城県は仙台に住む高校生・宮本大は、15の時に初めて生演奏を聴いたジャズにドはまりし、毎日毎日広瀬川の河原で一人サックスを吹いていた。友人らからからかわれても、お金のかかる用品に嘆いても、毎日毎日。初めてジャズを聴いたあの日の衝撃を忘れぬた…

2013年の総括の話

新年恒例、去年の総括です。まずは去年一番ぐっときた作品。ヤマシタトモコ先生の『ひばりの朝』。ひばりの朝 2 (Feelコミックス)作者: ヤマシタトモコ出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2013/07/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (24件) を見る1巻の…