ポンコツ山田.com

漫画の話です。

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『3月のライオン』ひなのいじめから見る川本家の父性と母性の話

前巻から続くひなのいじめ問題を軸に進む、『3月のライオン』6巻。3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)作者: 羽海野チカ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2011/07/22メディア: コミック購入: 20人 クリック: 1,157回この商品を含むブログ (385件) を見る…

日本橋ヨヲコ作品内の運命と、『少女ファイト』7,8巻で感じた置いてけぼり感の話

運命の話 日本橋ヨヲコ先生の作品を通じて流れている考え方の一つに、「物事に取り組む態度・理由がポジティブであるほど称賛される」というものがある。 「はじめて 楽しいと思ったんだ 勉強」 「‥そうか」 「な… 何でだろ わかんないけど」 「簡単だよ お…

『3月のライオン』零が欲しがった「逃げなかった記憶」の話

ぶ6巻の発売された『3月のライオン』。ヒナのエピソードが長く続いていて、けっこう意外に思っています。3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)作者: 羽海野チカ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2011/07/22メディア: コミック購入: 20人 クリック: 1,157回…

羽海野チカの心理造形と初期短編集『スピカ』の話

スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜 (花とゆめCOMICSスペシャル)作者: 羽海野チカ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2011/07/20メディア: コミック購入: 20人 クリック: 730回この商品を含むブログ (111件) を見る羽海野チカ先生の初期短編集『スピカ』のレビュ…

『鉄風』夏央の感じる劣等感と嫉妬と充実の話

「私は充実している人間を―許さない」の刺激的フレーズでおなじみの『鉄風』。そのフレーズを発した張本人である主人公・石堂夏央が何度となく口にする言葉。劣等感、嫉妬、そして充実。複雑そうでシンプルそうで、なにはともあれ根が深そうな彼女の心理を、…

夢の無い少年が流れ着いたのは、未知の世界の農業高校 『銀の匙』の話

中高一貫の進学校の中等部から、突然農業高校に進学した八軒勇吾。中学の担任に勧められるままに進学した農業高校は、その学習内容、学校生活、生徒や教師の面々、規格外の広さ等々、進学校にいた八軒の想像を遥かに超えるものだった。この三年間で、彼は一…

拍手レス

考察は勿論、文体が美しく読みやすいです。これからも楽しみにしてます! ありがとうございます!とても嬉しいお言葉です! 今後ともどうぞよろしくお願いします。

「私は充実している人間を―許さない!」燃える昏い情熱『鉄風』の話

高校生になったばかりのの石堂夏央は、努力しなくてもたいていの運動はできる。ためしに高校から始めてみたバレーボールも、スポーツ名門校にもかかわらず、入部して早々先輩を押しのけてレギュラーに。傍から見れば羨ましがられるようなその才能も、当人に…

拍手レス

はじめまして。 最近theピーズやTOMOVSKYを知り、ライヴDVDに「実験4号」という曲があり、歌詞が気になったので検索したら、ここに辿り着きました。 伊坂さんの小説を読んでみたくなりました。ブルーハーツの頃からヒロトとマーシーのファンです。 はじめま…

『王様の仕立て屋』主人公不在でも回る、確立した作品世界とキャラクターの話

30巻の大台から更にもう一巻。『王様の仕立て屋』もここまで来ました。王様の仕立て屋 31 〜サルト・フィニート〜 (ジャンプコミックスデラックス)作者: 大河原遁出版社/メーカー: 集英社発売日: 2011/07/04メディア: コミック クリック: 48回この商品を含む…

『HUNTER×HUNTER』目のハイライトに見る、ゴンのゆるがぬ意志と他のキャラの迷いの話

待ってたぜ! ということで『HUNTER×HUNTER』の最新巻である28巻。単行本派の自分にとっては、あまりにも長い時だった。「感謝するぜ お前と出会えたこれまでの全てに!!」とかゴンさんとか、聞きたくなくても漏れ聞こえてしまうネタバレに耳を塞いできたが、…

『ぼくらのよあけ』奥行きのある空間と、子ども達の知った広い世界の話

先ごろ1巻の発売された『ぼくらのよあけ』。ちょっと先の未来、小学生達が自分たちの住んでいる団地を通じて宇宙と、そして人と繋がっていくSFジュブナイル。子ども的な近視眼さと、それの裏返しになる「楽しいこと」へとひた走る熱情を通して、自分のほんの…