俺マン10'sの話

俺マンの2010年代の総決算として企画された俺マン10's。
俺マンについて – #俺マン10s 特設サイト
基本的な選考基準は

対象は「2010年代(2010年〜2019年)に読んだ作品」ではなく、「2010年代(2010年1月1日〜2019年12月31日)に単行本が刊行された作品」とします。同期間に単行本が刊行されていない作品(雑誌掲載のみ)の作品は今回は除外しています。刊行さえされていれば同人誌、電子のみの刊行作品なども可とします。期間中の刊行であれば1巻、完結巻、新装版などは問いません。

とのこと。なお、個人のノミネート数は5~25作品。
さて、毎年の一年単位のものならいいんですが、10年間の中で、となると結構難しいですよね。5年前に刊行され当時は10段階の10と思ったけど完結してしばらく経った今は7くらい、という作品と、今まさに連載中で10段階の9の作品、果たしてどっちが選ばれるべきなのか。まあそこらへんも含めて各々に任されている企画だと思いますので、私の基準は読んだ時点での感情の振れ幅が大きかった作品。完結してしばらく経ったりして、今の時点では当時から多少評価が変動していたとしてもそれはそれ。今振り返って当時はすげえ心揺さぶられたぜってものから、今まさに激熱ってものまで、以下ラインナップしていきます。なお、基本的には順不同ですが、便宜的に完結済みのものと連載中のもので分けています。ばっと作品を羅列して、以下一言と過去に書いた記事というかたち。

まずは完結グループで9作品。
BLUE GIANT SUPREME/石塚真一
子供はわかってあげない/田島列島
プリンセスメゾン/池辺葵
・月曜日の友達/阿部共実
・映画大好きポンポさん/杉谷庄吾
少女終末旅行/つくみず
・銀河の死なない子供たちへ/施川ユウキ
ハックス!/今井哲也
・25時のバカンス/市川春子

BLUE GIANT SUPREME/石塚真一小学館
無印もいいですが、『SUPREME』の方が、大の向上した演奏力や尖った人間性がより見えて好き。演奏シーンと、演奏後のメンバーの描写が大好き。

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子供はわかってあげない/田島列島講談社
中学時代に読んでたら男子校なんか選ばなかったし、高校時代に読んでたら男子校に来たことを七転八倒して後悔していたいに違いない最高のボーイ・ミーツ・ガール。さわやかであまずっぱく軽妙でコミカル。そして人類学の知見がそこかしこに。

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プリンセスメゾン/池辺葵小学館
一人で生きることの、寂寥とも諦観とも希望とも自由ともつかない、様々な感情のたゆたいが、年を取るごとにひどく染み入ります。

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●月曜日の友達/阿部共実秋田書店
抒情的な一人語りと、ポップでキッチュなモダンアートじみた絵。思春期の不安さが阿部ワールドで描かれるとこんな風に。
AMAZARASHIとコラボした楽曲、『月曜日』も最高。

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amazarashi『月曜日』“Monday” Music Video|マンガ「月曜日の友達」主題歌


●映画大好きポンポさん/杉谷庄吾(KADOKAWA)
マグマのように見えないところで沸き立つ情熱は、ひとたび道を与えられると、狂おしいほどの熱量で世界を変えるほどに焼き尽す。このおもしろの奔流がわずか1巻で納められてる。そのコンパクトさが、まさに本編最後のセリフとリンクしてすばらしい。

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少女終末旅行/つくみず(新潮社)
二人の旅の終わりが世界の終りでそれがそのまま二人の終り。人類の静かな滅びが美しくて悲しい、最高のポストアポカリプスものの一つ。


●銀河の死なない子供たちへ/施川ユウキKADOKAWA
不老不死の子供が初めて出会った、普通の子供。すなわち成長していつかは死ぬ存在。触れたからには真正面から取り組まざるをえないクッソ重いテーマを真正面から描き切った名作。2巻というコンパクトなサイズだからこそ、真っ向からの答えをかけたのかなと思う。

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ハックス!/今井哲也講談社
もののとらえ方、考え方が、すごく自分にしみこみやすい作品。というか作者。

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●25時のバカンス/市川春子講談社
今回唯一の短編集。美しい異形とすっとぼけたような軽妙な会話のギャップが素敵。

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続いては、連載中グループで6作品。
・ワンダンス/珈琲
・水は海に向かって流れる/田島列島
3月のライオン/羽海野チカ
HUNTER×HUNTER/冨樫義博
ダンジョン飯/九井諒子
GIANT KILLING/ツジトモ綱本将也

●ワンダンス/珈琲(講談社
音が見えて、ダンスが聞こえる漫画。サブスクで作中で登場する曲を聴きながら読むと、思わず動き出したくなる。
カボの成長に胸が熱くなり、ワンダがかわいい。

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●水は海に向かって流れる/田島列島講談社
田島列島先生の連載2作品が両方ノミネート。こちらはボーイ(15)・ミーツ・ガール(26)。
重いテーマを軽妙に描き出すそのタッチは変わらず。

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3月のライオン/羽海野チカ白泉社
零君とひなちゃんがようやく結ばれたことに喜びを隠せない。
ちょうど現実世界では藤井棋聖が史上最年少のタイトルホルダーになったところですね。

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HUNTER×HUNTER/冨樫義博集英社
早く再開して。

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ダンジョン飯/九井諒子KADOKAWA
とにかく「面白い漫画」という感じ。漫画が面白い。

ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX)

ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX)

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GIANT KILLING/ツジトモ綱本将也講談社
こんだけ長期連載して、多少の浮き沈みはあれど面白さをキープできるのはすごい。カタルシスの開放がうまいんだよな。

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ということで、全15作を今回のノミネート作といたします。面白い作品はもっとたくさんありますが、泣いて絞ってこの15作。
こうして俯瞰してみると、かわいい絵柄で熱量が大きい作品や、複雑な感情を丁寧におもねらず描いてる作品が強いなという感じですかね。
ドストレートなギャグ漫画や、ドストレートの恋愛漫画はあまり読まない様子。
さあ、20年代はどんなおもしろい作品に出会えるでしょうか。