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かわいい亜人ちゃんたちの、普通に楽しく普通にちょっと辛い日々 『亜人ちゃんは語りたい』の話

。それは特別な性質を持った少数の人間たちの総称。ヴァンパイアやデュラハンサキュバス、雪女など、かつては神話や伝承などのモチーフにもなっていた存在は、迫害や差別の歴史をたどりながらも、近年は社会的な保障も整備され、一般社会に溶け込んでいる。
高校生物教師・高橋鉄男は、昔から亜人に興味があったものの、彼らの絶対数の少なさから出会うことが出来ず、物足りなさを感じていた。しかし柴崎高等学校に赴任して4年目の今年、新任教師や新入生で身の周りに4人も亜人がやってきて、にわかに周囲が亜人づいてきた。高橋鉄男は知りたい。亜人たちは何を感じ、何を思い、どう生きているのか……

亜人ちゃんは語りたい(1) (ヤンマガKCスペシャル)

亜人ちゃんは語りたい(1) (ヤンマガKCスペシャル)

ということで、ペトス先生の『ちゃんは語りたい』のレビューです。亜人と呼ばれる存在のいる世界で、彼ら彼女らに並々ならぬ興味を持つ高校教師・高橋鉄男を主人公に、彼ら彼女らの楽しくもあり辛くもありの生活を見つめる、そんな作品です。
生物教師・高橋鉄男は、大学の卒論テーマに亜人を選ぼうとしたくらいに、亜人に興味のある男。「この世に亜人として生を受けた者たちがどう生き 他人とどう接し 何を思うか そういうことに興味があった」のですが、あいにく亜人の絶対数は少なく、今まで一度も彼らに会うことなく生きてきました。
それがどうしたことか、今年に入って新入生に3人、同僚教師に1人、身近なところに亜人との出会いが生まれました。1巻で登場する亜人は、先述の通り4人。ヴァンパイア。デュラハン。雪女。そしてサキュバス。なぜか皆、女性です。そしてなぜか皆、かわいいです。
彼女らに興味の尽きない鉄男は、授業の合間などに積極的にかかわろうとしますが、それはおおむね知的好奇心の類。知りたいことを知りたいから色々聞くし、相手に不快感を与えたくはないから質問の線引きに配慮する。亜人の彼女らと、普通の人間と、違う人間だけど同じ人間として接する。
そんな彼に、亜人の子らはついときめいてしまい、懐いてしまいます。羨ましいなおい。
いくら世間的な認知が進んでいるとはいえ、見てくれや体質が他人と明らかに違うということは疎外感を生み出しますし、生活を営む上で現実に障害となりえます。具体的には、サキュバスである女性教師は、寝ていると他者に勝手に淫夢を見せてしまうという体質のために、人気のない一軒家で暮らさなければいけなかったりします。また、「亜人の体質は遺伝より突然変異によって生じる事が多い」ため、双子であっても片方は一般人、片方亜人ということもありえます。つまり、家族の中で、自分だけが特殊だというケースもままあるのです。
無論のこと、悩みは誰しも抱えるものですが、なまじ「亜人」というわかりやすい特徴があるためにそれを悩みの原因と考えやすくなりますし、生来の体質が原因であるなら解決も非常に困難になります。そんな、大なり小なり亜人としての悩みを抱える彼女らに、真摯に、でも馴れ馴れしくはなく接する鉄男は、そりゃあ魅力的に見えるって寸法ですよ。天然のタラシ。普段人と距離を置くことが多い亜人らが、さらっと自分の容姿をほめられたり気遣われたりすると、コロッと、ね。まあその時の表情がまたかわいいのですが。
今のところは、基本的に軽く、でも時折ちょっと重く、といった感じの展開です。コメディ基調の中で、ふっと亜人としての悩みなどが挟まれており、その塩梅がよろしい具合。今後、新たな亜人も登場し、舞台も学校の外へと広がるようで、どういう風にキャラが掘り下げられていくのか楽しみです。
第一話が試し読みできるので、どうぞー。
ヤングマガジン公式サイト 亜人ちゃんは語りたい


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