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近視的な損得勘定

社員が遅刻しやがったので反省文を読ませyoutubeにうpしてみた

社員の遅刻に対する罰則は、何のために規程するのか。なんのかんの言ったところで、最終的には「会社の利益のため」というところに落ち着くはずです。会社という営利追求集団が定める規則である以上、その根底は会社への利益に結びつかなければなりません。それが遅刻に対する罰則に限らず、もっと直接に営業に関わるような失敗に対する罰則でも、「それを規程することで、会社にとって利益が出る」という理路がなければ、罰則としての意味がありません。
はてさて、この会社のような罰則を定めることで、本当に会社に利益は出るのでしょうか。
なるほど、こんな羞恥的な罰則を定められては、常人の神経ならばおいそれと遅刻をすることはできないでしょう。そもそも遅刻をするというのは、社会人ならずともまずいものですから、それがしょっちゅうなされるようであれば、厳罰もやむをえないものです。
ですが、実際に罰則に該当しこのような羞恥プレイをしている社員を見たら、事情を知らない人間はいったいどう思うでしょうか。私でしたら「ろくでもない会社だな」と苦々しく横目で見ることでしょう。業務上で名前を見かけることがあったら、「他のところと取引しよう」と思うでしょう。知り合いが「今度この会社と取引することになってさ」と言い出したら、「そこはやめといたほうがいいよ。実はね」とことの顛末を聞かせるでしょう。
社員にこのようなことをさせる会社を笑うことはあっても、喜んで取引をしたいと思う会社はまずないのではないでしょうか。
遅刻に対する罰則なんて、社則でいくらでも自由に決めてもらっていいものです。それはその会社の自由です。遅刻に対して羞恥プレイを課すのも、まあそれに社員が納得しているのならいいんじゃないでしょうか。納得していない者から労務署に訴えられて、それで勝てるかどうかはまた別の話ですが、根本的に、外部に「私の会社はこんな馬鹿なことをやっています」と大声で宣伝するような行為は、どう考えても会社の利益にはならないでしょう。一人の社員の遅刻癖が治る代わりに、会社のブランドイメージに公の場で泥を塗る。全体としてプラスとマイナスどっちが大きいか、小学生レベルでわかることだと思います。
会社のイメージは現実的な損失を引き起こすことで悪くなるものではありません。「なんだありゃ」「あんなことをするところは信用できんな」というような、風評レベルでどんどん失墜していくのです。
実際今回の件がネットで晒され、社長(会社?)のホームページにまで批判的なコメントが寄せられました。世間に「こんな馬鹿げたことをやる会社なんだな」という風評が流れるのと同時に、「こんな風評が流れることも予想できなかった馬鹿経営者」という風評も流れるのです。この会社が被った損害は計り知れないものでしょう。
公の場が会社の内部だとでも思っていたのでしょうか。こんなことをしても誰も気にしないと思っていたのでしょうか。「規律の取れた会社だな」と感心されるとでも思っていたのでしょうか。
まさかね。
会社という集団で経営を行う以上、社員の失態は会社が背負います。金銭的なものでも、名誉的なものでもです。「それをしたらどうなるか」ということと同時に、「それをしたらどう思われるか」ということまで想像力の回らない経営者に未来はないでしょう。世界は会社で閉じているわけではありません。社会の中に会社はあるのです。
これの下で働く従業員に幸あれ、と思わなくもないですが、就職の時点でこれ相手に面接もしたんでしょうから、その上で入った人間に今更かける言葉もないかなという気もします。「自己責任」てのはこういうときに使えばいいんじゃないですかね。








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