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浅野いにおの描く「怖さ」

おやすみプンプン 1 (ヤングサンデーコミックス)

おやすみプンプン 1 (ヤングサンデーコミックス)

「素晴らしい世界」を立ち読み用冊子で読んで、「ソラニン」を立ち読み用冊子で読んで、「虹ヶ原/ホログラフ」は買って読んで、「おやすみプンプン」の一巻を買って読んで(こう書き出してみて、結構目を通していることに自分でビックリした)、どれもなんか怖いよ。

ブルッと怖いんじゃなくてゾッと怖い。

「虹ヶ原〜」は全編通して暗い雰囲気を意図的に押し出してるだろうからそう感じるのも無理なかろうけど、それ以外の作品は割りと明るめな空気を描いていると思うんだが。

作品の感想をネット上で見て廻っても、「ストーリーが重い」とか「深い」とかをいっている人間は多くいたけど、「怖い」は目にしなかった。


個人的には、「怖さ」だけでなく「深さ」「重さ」も同じなのだろうが、ストーリーではなくキャラにこそそれらの理由があると思う。


なんつーか、登場人物が未来を背負ってる感じが全然しないのね。
未来を思ってはいても、目指してはいない感じ。
夢はあくまで夢物語でしかない感じ。
未来に対して期待してない感じ。

そのために、ストーリー(というか話の流れ、行く先)が未来に対して閉じてる印象を受ける。

おやすみプンプン」の主人公・小学生のプンプンが、稚拙ながらも将来に対して思いを巡らしている(将来や夢に対して前のめりであるという点で、今まで見た中の他のどの作品にもいないタイプの登場人物だ)にも関わらず、その造型があのように単純で適当なものであるのは、その異質性を際立たせるために作者があえてそうしたのかと考えてしまう。

ちなみにこれがプンプン。

別に間違ってないです。この鳥っぽいのがプンプンです。

将来を夢見るという、他の登場人物には見られない人間性を有するのが、もっとも非人間的な造型の人間だと言うのは、皮肉と言うかなんと言うか。

未来に指向していない人間の破滅性やら刹那性やらが、浅野いにおの漫画には伏流していると思うのですよ。

トーリーメイキング・テリングは特筆すべきほどではないかもしれないが、上記の点を意識したキャラ造型には、ちょっと当代並ぶものない感じですね。








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