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巨娘/木村紺/講談社

巨娘(1) (アフタヌーンKC)

巨娘(1) (アフタヌーンKC)

主人公は居酒屋の店長ジョーさん(♀)。身長181cmの巨娘です。
仕事には真面目だけれど性格はハチャメチャなジョーさんと、お店の仲間や恋人、兄弟、友人たちがしでかす群像劇です。群像劇っていうか、スラップスティックですけど。

世界観は普通なんですよ。舞台は実在の東京区内だし(公共性の低い具体的な名称はもちろん架空のものでしょうけど)。
でも、ジョーさんが元カレを殴って池袋から埼玉までぶっ飛ばしたってのを普通のトーンで描かれているようじゃ、破天荒と言わざるを得ない。
基本的にパンクロックな登場人物と、淡々と腰低めで語られるツッコミ的地の文との対比が、ギャグにいい感じのメリハリをつけてくれます。

でも、やっぱり前作との同じ匂いは、登場人物の人間模様を丁寧に描いていることですね。その表現の方向性は真逆と言ってもいいんじゃないかと思うほど違うんですけど、丁寧さは同じです。読んでいて、弾けたギャグの中でそのキャラ模様がちゃんと見えてきますから。ギャグの中に筋の通った解りやすさを詰め込むのは大変なことだと思います。

前作と同じ、多いコマ数と地の文(書き込みは、背景の書き込みはそれほどではなくなった印象)、加えて今作はページ数が人並みになったので(あ、『神戸在住』では、一話が15P前後と、月刊誌にしては少なかったんです)、読み応えがほぼ倍。一冊読みきると、かなりお腹一杯になります。その満腹具合がまた気持ちいいんですけどね。

ちなみに、『神戸在住』は古本屋にほとんど置いてありませんが、『巨娘』は意外に散見されます。先月発売されたばかりなのに。
これは、前作と今作の余りのテンションのギャップに苦しんだ人が多かったのではないかと言うのが、世に言われているところです。それほどまでに、雰囲気の違う二作品なのですよ。
神戸在住』の後半には、ごくたまに(一巻に一、二箇所。「話」ではない)『巨娘』のテンションを感じさせなくもないかな、どうかな、程度の会話の盛り上げ方はあるんですけどね。でも、妖狐や人狼ならそうとわかるくらいの幽かなものですけど。

ま、とにかく、久々に声を出して笑った作品です。ボリュームと質の高さは、お薦めに値する一品ですよ。








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