雑記

『3月のライオン』「自分の大きさ」を晴々と知った零の話

衝撃の展開を迎えた『3月のライオン』10巻。3月のライオン 10 (ジェッツコミックス)作者: 羽海野チカ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2014/11/28メディア: コミックこの商品を含むブログ (49件) を見るマジすかと口をあんぐり開けざるを得ない零の活躍ぶり…

『おかえりなさいサナギさん』無印から上がったテンションの話

今年最後の更新は、6年の時を経て帰ってきた、施川ユウキ先生の『おかえりなさいサナギさん』です。おかえりなさいサナギさん(1)(少年チャンピオン・コミックス・タップ! )作者: 施川ユウキ出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2014/12/10メディア: コミック…

突然辞めるファンの気持ちと人間の一貫性の話

最近読んでいる本で『影響力の武器』があるのですが、その中で、人間は自身の行為を一貫性のあるものにしたい、あるいは他人からそう見られたいという欲求があるという記述がありました。影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか作者: ロバート・B・…

『僕はお姫様になれない』コッテコテベッタベタの塩梅の話

先々月に発売された、若林稔弥先生の『僕はお姫様になれない』。僕はお姫様になれない (1) (電撃コミックスNEXT)作者: 若林稔弥出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2014/09/26メディア: コミックこの商品を含むブログ (4件) を見…

『子供はわかってあげない』交換によって生まれる人と社会のつながりの話

今年度のオレコン漫画ランキング暫定一位に輝いている、田島列島先生の『子供はわかってあげない』。 夏の日に少年は男になり、少女は恋をする『子供はわかってあげない』の話 - ポンコツ山田.com 子供はわかってあげない(上) (モーニング KC)作者: 田島列島…

星と隕石と引力と 『きみはスター』の話

ヤマシタトモコ先生の『運命の女の子』に収録されている『きみはスター』。タイトルにも用いられているスター=星をキーワードに,本作を読み込んでみたいと思います。運命の女の子 (アフタヌーンKC)作者: ヤマシタトモコ出版社/メーカー: 講談社発売日: 201…

『きみはスター』『ひばりの朝』ヤマシタトモコの描く二つの優越感の話

先日レビューをしましたヤマシタトモコ先生の『運命の女の子』。 彼女らはそれに乗るのか、抗うのか 『運命の女の子』の話 - ポンコツ山田.com そこに収録されている『きみはスター』の中で、ちょっと気になったコマがありました。 (運命の女の子 p113) …

『零崎軋識の人間ノック』ゴルゴに勝てる女はここにいた、の話

今月号のアフタヌーンで、西尾維新原作『零崎軋識の人間ノック』のコミカライズがスタートしました。それを読んで、以前ふと思ったことを検証してみた記事ですので、漫画でこれから描かれるかもしれない内容について触れています(第1話時点では、まだそこ…

『暗殺教室』視点を変えて学ぶことの話

以前書いたものの続き。暗殺教室 10 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/07/04メディア: コミックこの商品を含むブログ (28件) を見る2学期になり、暗殺術の応用編としてフリーランニング、すなわち「熟練して極めれば……

『暗殺教室』「いつか」のために学ぶことの話

新刊発売とともにアニメ化&実写映画化という衝撃ニュースの飛び込んできた『暗殺教室』。暗殺教室 10 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/07/04メディア: コミックこの商品を含むブログ (28件) を見る実写………? 一瞬嫌…

『HUNTER×HUNTER』「道草を楽し」むゴンと、蛙の子は蛙の話

『ドラゴンボール』に『幽遊白書』、『スラムダンク』に『封神演義』『るろうに剣心』と、少年時代にそうそうたる看板漫画が連載されていながら今まで買って読むことをしたことのなかった少年ジャンプ(基本的に友人の家で読んでた)。その私をして生涯初め…

『黒 -kuro-』皺と隙間から見えてくる(幼女の)服の下の体の話

以前書いた『黒』のレビューの最後でもちょっとだけ触れた、この作品から感じる幼女の描き方の業の深さにについて。 となりのヤングジャンプ:黒 黒─kuro─ 1 (ヤングジャンプコミックス)作者: ソウマトウ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/05/19メディア:…

『暗殺教室』勝負のステージとラスボスの強さの話

夏のバカンス兼暗殺旅行が、あわやクラスメート大量死になるところだった3年E組。黒幕である、かつて一瞬だけE組の担当となった鷹岡から指名を受け、彼と立ち向かったのが渚でした。暗殺教室 9 (ジャンプコミックス)作者: 松井優征出版社/メーカー: 集英…

『名探偵マーニー』人生のゴールとその先の話

またぞろ『マーニー』の話で恐縮ですが。名探偵マーニー 3 (少年チャンピオン・コミックス)作者: 木々津克久出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2013/12/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る3巻のfile23「ゲーマー」では、あらゆるゲームに精通…

『名探偵マーニー』マーニーの見た「愛」と他者への信頼の話

一話あたりが短いような気がするも実は20pあって、そりゃあけっこうなペースで出版されるよなと思う『名探偵マーニー』。名探偵マーニー 8 (少年チャンピオン・コミックス)作者: 木々津克久出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2014/04/08メディア: コミッ…

『銀の匙』知識の「闇ナベ」の話(縦横につながる学問の話 その2)

妙なタイミングの発売だなと思ったら、実写映画の公開にあわせてなんですね、『銀の匙』。銀の匙 Silver Spoon 11 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/03/05メディア: コミックこの商品を含むブログ (55件) を見る進…

『銀の匙』内面を見てほしい八軒と御影の共通点の話

またぞろ『銀の匙』のお話。銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る最新刊の10巻で、豚肉ファンドで作ったウィンナーを学内の即売会…

『銀の匙』『G戦場ヘヴンズドア』に見る、夢を追う者と夢を失くした者の話

また『銀の匙』の話で恐縮ですが。銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る本作は、主人公の八軒が1巻から …なんだこの…… 「夢持って…

作品への感情移入についてのちょっとした話 その2

前の記事の続きというわけではないけれど、別の観点がいくつか出てきたので。 前回のまとめの一つに ・作品への感情移入とは,あるキャラクターの内心について,一定程度以上の描写がなされたときに,読み手がそれを内面化すること ということを書きましたが…

作品への感情移入についてのちょっとした話

先日のヤマシタトモコ先生のイベントレポートでもちょろっと書いたとおり、「作品を読むときの感情移入」ということについて考えたいと思います。 イベントでリブレの女性編集者の方が、「BLを読むときは、基本的にはメインとなる二人の男性の関係性に着眼…

『さんかく窓の外側は夜』先行読書会 ~今夜は生でヤマシタトモコ~ の話

ヤマシタトモコ先生の新作『さんかく窓の外側は夜』 が2月10日に発売されることを記念して、出版元のリブレ出版が、1月31日にこんなイベントを企画しました。 男子限定! 新作コミックス先行読書会 〜今夜は生でヤマシタトモコ〜 で、応募してみたら、…

『銀の匙』縦横につながる学問の話

銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る『銀の匙』については、以前こんなことを書きました。 『銀の匙』数学をわからせる複雑な日常…

『GIANT KILLING』『グラゼニ』に見る、プロ選手としての人間の姿の話

29巻の後半では読んでてフラストレーションが溜まる一方だった『GIANT KILLING』。でも、毎回その後にカタルシスがやってきているので、それを信頼して読んだ30巻。GIANT KILLING(30) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発売日:…

市川春子の短編と、反復し変奏するミニマルミュージックの話

漫画や小説に合う音楽、ということを考えるのがわりと好きです。「言葉は音楽に恋している」とは、詩人・谷川俊太郎さんの言葉ですが、無時間的なメディアである漫画や小説が、時間的な芸術である音楽に強く惹きつけられるのは必然であるように私も思います…

『銀の匙』に見る、一歩向こうにある美味しさの表現の話

毎巻美味しそうな食事の描写で読者の胃袋を殺しにかかってくる『銀の匙』。銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/08メディア: コミックこの商品を含むブログ (54件) を見る10巻ではウインナ…

『めめんと森』から考える、物語の過剰な解りやすさと読み手の楽しみの話

昨年発売された、ふみふみこ先生の『めめんと森』。めめんと森 (フィールコミックス) (Feelコミックス)作者: ふみふみこ出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2013/12/07メディア: コミックこの商品を含むブログ (9件) を見る決して嫌いではない、というか最近の…

『戦国妖狐』闇に「拝んで頼む」真介とその子孫の拝み屋の話

敵が敵らしくなり、懐かしのキャラクターも再登場してきた『戦国妖狐』12巻。戦国妖狐(12) (ブレイドコミックス) (BLADE COMICS)作者: 水上悟志出版社/メーカー: マッグガーデン発売日: 2013/12/10メディア: コミックこの商品を含むブログ (16件) を見るいよ…

『岸辺露伴は動かない』と理不尽なルールの話

『岸辺露伴は動かない』収録の『懺悔室』、本誌連載時に読んだ記憶があるので、十数年ぶりに読む短編というのは妙な感慨があります。岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)作者: 荒木飛呂彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/11/19メディア: コミック…

今井哲也の描く生々しい汚濁の話

もう発売から一か月経ってしまいましたが、今井哲也先生の『アリスと蔵六』2巻。アリスと蔵六 (2) (リュウコミックス)作者: 今井哲也出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2013/09/13メディア: コミックこの商品を含むブログ (8件) を見る感動的な話はもとより…

『3月のライオン』「自分の大きさ」を知らない高城と知りつつある零の話

出ました『3月のライオン』9巻。3月のライオン 9 (ジェッツコミックス)作者: 羽海野チカ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2013/09/27メディア: コミックこの商品を含むブログ (117件) を見る夏から翌春まで駆け足だったなーとか、ちゃんと高橋君の話にケリを…