ポンコツ山田.com

漫画やアニメ、小説などについて、思ったことを恬淡と。

小説

『零崎軋識の人間ノック』ゴルゴに勝てる女はここにいた、の話

今月号のアフタヌーンで、西尾維新原作『零崎軋識の人間ノック』のコミカライズがスタートしました。それを読んで、以前ふと思ったことを検証してみた記事ですので、漫画でこれから描かれるかもしれない内容について触れています(第1話時点では、まだそこ…

『SARU』と『SOSの猿』競作作品のキーワードと両者を貫くものの話

漫画と小説の合作、ではなく競作として発表された、『SARU』(五十嵐大介)と『SOSの猿』。SARU 上 (IKKI COMIX)作者: 五十嵐大介出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/02/25メディア: コミック購入: 17人 クリック: 211回この商品を含むブログ (84件) を見…

彼女が泣いていたから僕は恋をした 高校生と殺し屋のラブコメディ「弾丸ティアドロップ」の話

男子高校生・七瀬薫は、古い楽譜を探すために丘の上にある古本屋を訪れた。折りしも夏休みに入る直前、蝉ががなり鳴く大銀杏の下にあるその店先で、店主・みゆきが涙を落としながら座っているのを見たとき、彼は一目で恋に落ちた。一目惚れに心沸き立たせる…

伊坂幸太郎作品の「悪」とトラブル解決と罪刑法定主義の話

※この記事には、『マリアビートル』その他伊坂幸太郎作品のネタバレがあります。未読の方は重々ご注意ください。マリアビートル作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/09/23メディア: 単行本購入: 11人 クリッ…

恋愛漫画にしてミステリー『ラ・プティット・ファデット』と、原案『愛の妖精』の話

しかくの先生の『ラ・プティット・ファデット』が面白かったので、原案の小説『愛の妖精』(ジョルジュ・サンド)も読んでみました。漫画版のレビューをしつつ、両者の違いなんかを書いてみたいと思います。以下、漫画版を『ファデット』、小説版を『愛の妖…

『「悪」と戦う』を読んでのまとまらない雑感の話

「悪」と戦う作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/05/17メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 107回この商品を含むブログ (104件) を見る読了。一時間くらいで一気に読んだ。薄い目の粗い網が白い心の中を漂っているような、不思議な…

漫画と小説の違い その1 〜有人格的な絵と、無個性な文字

お初の方は、まず序論のこちらをどうぞ。 漫画と小説の違い その0 〜なぜ漫画と小説なのか - ポンコツ山田.com 漫画と小説の違いは何でしょうか。まあいろいろあるでしょうが、それの最大のものは、「物語」伝達の媒体の主たるものが絵か文字か、ということ…

漫画と小説の違い その0 〜なぜ漫画と小説なのか

というわけで、以前書いた記事の時からむくむくと膨らみだしている、「物語」*1を伝達する媒体である漫画と小説の質的な違いは何なのかという話です。 まず第一回は、前提として、なぜ漫画と小説なのかというところから。 端的に言ってしまえば、漫画と小説…

先天的/後天的な伏線と、尾田栄一郎とファンの幸せな共犯関係の話

物語を盛り上げるために、しばしば伏線が使われる。辞書的な定義もあろうが、自分なりの言葉で定義すれば、 物語内の出来事に説得力を持たせるために、あるいは出来事を効果的に盛り上げるために、事前に仕掛けておくもの、こと、事柄。 となる。 個人的に好…

アニメ「化物語」には物語の重さが足りなくはないかという話

化物語(上) (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 37人 クリック: 625回この商品を含むブログ (733件) を見る「化物語」が二話まで放映され、原作の「ひたぎクラブ」分まで補完…

「化物語」のキャラクターと、言葉から立ち上がる絵の話

化物語(上) (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 37人 クリック: 625回この商品を含むブログ (733件) を見る来期にアニメがスタートする「化物語」のキャラクターが発表されま…

物語の「リアルさ」ってのはなんなのだろうかという話

伊坂幸太郎の書くキャラは、いい意味で生々しくない。ケミカルっつーか人工的っつーかに通じるところのある話なんだけど、キャラの動きや感情の生起がとても戯画的だ。 参考;「モダンタイムス」を読み終えたので、改めて伊坂幸太郎の面白さを考えてみる(ネ…

「ディエンビエンフー」に見る「顔」のもつ存在感 〜「顔」のある者は殺せない

ディエンビエンフー 3 (3) (IKKI COMICS)作者: 西島大介出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/05/30メディア: コミック購入: 3人 クリック: 31回この商品を含むブログ (62件) を見る「ディエンビエンフー」三巻冒頭ででこんなシーンがありました。 「殺す側…

異性装の記号性 ジェンダーとしての異性装、奇人としての異性装

昨日の記事で、読みの浅さを露呈させてしまった山田です。今日の記事はそれの言い訳というか、そこから思いついたことというかを書いていこうと思います。 病院坂迷路の記号的な性差指標 昨日の記事に関するネタバレにならない程度の説明から入りますが、西…

「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」について、重大なネタバレを含みながらも言いたいことがある

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,TAGRO出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/12/05メディア: 新書購入: 4人 クリック: 123回この商品を含むブログ (135件) を見るCAUTION! 以下の文章では、「不気味で素朴な囲…

二次創作の私的悩みどころ

以前、たまごまごごはんさんのサイトで、サナギさんありがとう企画〜バスよりもメロスよりも早いよ〜(一次発表、二次発表、三次発表 イラスト部門、三次発表 テキスト部門)というのをされていまして、私もそこに記事を寄稿させていただいたんですが、そこ…

文章のロマンチシズム 〜伊坂幸太郎の場合 西尾維新の場合

今日はまた、伊坂幸太郎氏の文章の魅力について考えてみようと思います。 この前ふと思ったのは、「伊坂幸太郎氏の文章って、ロマンチックさはないよなー」ってことです。 ロマンチック【romantic】 [形動] 現実を離れ、情緒的で甘美なさま。また、そのよ…

「モダンタイムス」を読み終えたので、改めて伊坂幸太郎の面白さを考えてみる(ネタバレなし)

モダンタイムス (Morning NOVELS)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/10/15メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 134回この商品を含むブログ (320件) を見る渡辺拓海は、家に帰るなり男に拘束され、問いかけられる。 「勇気はあるか?」検…

「戯言シリーズ」における、主人公とヒロインの関係性 〜最終巻でのヒロイン放置プレイの裏側

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,take出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/11/08メディア: 新書購入: 3人 クリック: 118回この商品を含むブログ (507件) を見る3touhei's Lonely Hearts Web site モチベーショ…

「偽物語」と西尾維新作品のアニメ化について

偽物語(上) (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/09/02メディア: 単行本購入: 35人 クリック: 249回この商品を含むブログ (347件) を見るさっそく買ってきて、さっそく読破しました。そしてさっそく二周目も終えました。以…

スリーピースの欠片たち 実験4号/伊坂幸太郎・山下敦弘

実験4号作者: 伊坂幸太郎,山下敦弘出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/04/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 49回この商品を含むブログ (121件) を見るTheピーズの曲「実験4号」へのトリビュート作品。小説と映画で。その発想はにくい。大別して、こ…

「図書館戦争」アニメ化について

キャラクター紹介公開! 4月より“ノイタミナ”ほかにて放送の『図書館戦争』キャスト決定! 原作の文中に漂うバタくささ(悪い意味ではなく、それはそういうものとして)はこの作品(小説)にとって重要なファクターだと思うのだが、この絵を見る限りまるで匂…

不気味で素朴な囲われた世界/西尾維新/講談社ノベルス

不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,TAGRO出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/10/10メディア: 新書購入: 5人 クリック: 120回この商品を含むブログ (218件) を見る『きみとぼくの壊れた世界』の、続編ではないが世界観を同じくす…

真理先生/武者小路実篤/新潮文庫

真理先生 (新潮文庫)作者: 武者小路実篤出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1952/07/02メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 31回この商品を含むブログ (28件) を見る初めて読んだ武者小路実篤の本。『友情』などはあったのに『真理先生』だけ都内のどこにもなく…

文章の手ざわり

今、少年サンデー誌上で、伊坂幸太郎原作の漫画が連載されている。ホームページはこちら。 「魔王 juvenile remix」というタイトルで、ちろっと読んだだけなので違ったら申し訳ないけど、物語のベースは既刊「魔王」で、その世界のパラレルワールド(第一部…

きつねのはなし/森見登美彦

きつねのはなし作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/10/28メディア: 単行本購入: 21人 クリック: 602回この商品を含むブログ (280件) を見る去年の年末から集中的に読んでいた森見氏の作品。「夜は短し歩けよ乙女」、「四畳半神話体系」、…

会話文考

この頃新しく小説を開拓する気になれません。 最近買った小説といえば、夏目漱石の「坊ちゃん」とサン=テグジュペリの「星の王子様」。どちらも新潮文庫の懸賞につられて購入しました。対象作品を二冊買えばいいので、何でもいいっちゃいいんですが、他の作…