レビュー

ゴミ山で暮らす二人の、奇妙でさびしい日常『ビーンク&ロサ』の話

ゴミ山の片隅に放置されている、壊れたキャンピングカー。ビーンクとロサは二人でそこに住んでいた。まだ少年と言ってもいいビーンクと、まだ少女と言うほかないロサ。学校へも行かず働きもせず、時々怪人の一味の手伝いをして、二人で暮らしていた。盛り上…

かわいい亜人ちゃんたちの、普通に楽しく普通にちょっと辛い日々 『亜人ちゃんは語りたい』の話

亜デ人ミ。それは特別な性質を持った少数の人間たちの総称。ヴァンパイアやデュラハン、サキュバス、雪女など、かつては神話や伝承などのモチーフにもなっていた存在は、迫害や差別の歴史をたどりながらも、近年は社会的な保障も整備され、一般社会に溶け込…

「私だけのバレーをやる意味」を探す物語 『その娘、武蔵』の話

全中女子バレーで優勝の立役者となった、兼子武蔵。弱冠14歳にして180cmを越す身長から繰り出される強烈なスパイクは、高校ひいては実業界からも熱い視線が送られていた。だが、全中優勝時のインタビューで武蔵の口から爆弾発言が飛び出した。 「バレー辞…

嫌いなゲームで私はあなたを倒す 『Wizard's Soul 〜恋の聖戦〜』の話

Wizard's Soul。それは国際的に人気のカードゲーム。進学も就職も、恋も友情も、これが強ければオールオッケー。そんな、今とは少しだけ違う日本で、女子中学生の一之瀬まなかは苦悩していた。理由は甲斐性のない父親。腕も無いくせに賭けカードで生計を立て…

バイクに乗って駆ける、日々の中の少し不思議 『コトノバドライブ』の話

軽食屋で働くすーちゃんはバイクを買ったばかり。中古屋で見つけた、形の気に入った古いバイク。それに乗って彼女はどこへでも行く。足の向くまま気の向くまま、排気音を軽快に鳴らしながら。海辺に山中、街中に廃道、彼女が行くそこには、なにか不思議なこ…

北の大地に隠された黄金を追う、伝説の兵士とアイヌの少女『ゴールデンカムイ』の話

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)作者: 野田サトル出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/01/19メディア: コミックこの商品を含むブログ (20件) を見るということで、野田サトル先生『ゴールデンカムイ』のレビューです。明治末期の北海道を舞…

鬱屈した日々と、そこに吹き込む風と 『さよならガールフレンド』の話

高校三年生の滝本ちほは、田舎での生活に倦んでいた。閉鎖的な人間関係。噂話くらいしかない娯楽。監獄のように取り囲む自然。出口も未来も見えない生活に、吐き気すら感じていた。 ある夏の日、ちほは恋人・高岡の浮気を知る。相手は尻軽と悪名高い、ビッチ…

腹が減っては戦ができぬ 魔物を食べてダンジョン探検『ダンジョン飯』の話

ある日存在が白日の下にさらされた、地下深くに眠る黄金の王国。その深奥にあると言われる宝を目指し、人々は我先にとダンジョンへ潜った。待ち受けるモンスター、食人植物、罠。そして、空腹。深く潜れば潜るほど、モンスターの攻撃は苛烈になり、手持ちの…

世界の神秘に触れるのは大巫女見習いの一人の少女 『一変世界』の話

“神の森”の中心にあるガーデラン女神の神殿。それは、人々の生活の中心であり、信仰の中心でもあった。けれど、その頂点にいるはずの大巫女の不在が長く続いており、今は大巫女見習いのプーリョが、大巫女になるべく日々修行を積んでいた。 神殿。それは神秘…

女子力を上げて物理で殴れ!『女の友情と筋肉』の話

村上イオリ メーカー勤務 身長195cm 握力97kg 神田ユイ 商社OL 身長189cm 100M走10秒8 小西マユ アパレル販売員 身長186cm ソフトボール投げ85m 女子力と筋力の高い三人娘は、恋に仕事に友情に、毎日が大忙し! 辛いこともたまにはあるけど、日ごろ鍛えた…

「こども」が踏み出す「おとな」への一歩 『アマリリス』『スイミング』の話

母親が作った借金のために、「おとなのおみせ」で女装して働くことになった11歳の少年ジャン。それまでの平凡ながらも幸せな生活が壊れてしまった中で出会った、同い年の少年ポールとの交友に唯一の慰めを見つけていたたジャンだけど、自分が汚いものになっ…

「産む男」たちが高校生活で狙うはお嫁さん『白馬のお嫁さん』の話

時は2063年。今より半世紀先の未来。技術の発展により種々の問題は解決し、そしてその技術によってまた別の問題が生まれている、そんな時代。15歳の氏家清隆は、極端にリスクを嫌う性格を直すために父親から一人暮らしを強いられ、北海道は礼文島から神奈川…

小学生から高校生へ 幼馴染み二人の「幸せな蛇足」『ゆあまいん』の話

小学校以来の幼馴染みである舞と吉岡。腐れ縁が腐りすぎて、どうやって距離を詰めたものかと思い悩んでいた吉岡だけど、中学校の卒業式の日に同級生から背中を押され、なかば無理やり舞と恋人同士に。でも、良くも悪くも気を遣わなくて済んでいた今までの距…

夏の日に少年は男になり、少女は恋をする『子供はわかってあげない』の話

夏の大会に向けて練習に励む水泳部のサクこと朔田美波。休憩時間にふと見た校舎の屋上にあった人影が気になって、練習後にそこへ走れば、いたのは去年同じクラスだった書道部のもじこと門司昭平だった。二人ともアニメが好きということが知れ、仲良くなる二…

彼女らはそれに乗るのか、抗うのか 『運命の女の子』の話

人が生まれる時に必ず「呪い」をかけられるようになった世界。16歳になるとその呪いが発動し、人はそれを克服しなくてはいけない。ただ呪いの中身は千差万別で、軽重もある。呪いが大きければ大きいほど、それを克服した人は偉大な人物になるという。 そん…

青春 それはニマニマのラブコメディである 『徒然チルドレン』の話

高校生。それは甘酸っぱくも恥ずかしい青春のかたまり。好きな人もできるし、恋人もできるし、告白もするし、ふられもするしで、喜びと悲しみがてんこ盛り……徒然チルドレン(1) (講談社コミックス)作者: 若林稔弥出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/08/16メ…

女子大生がひた走る電子工作色の青春『ハルロック』の話

小さい頃は、できるものならなんでもドライバーで分解して周りを困らせていた少女・向坂晴。分解魔だった彼女も、長じるにつれその性格は鳴りを潜めていたのだが、高校生になってふとしたきっかけで出会った電子工作のおかげで(せいで)、また違った方向に…

再会した幼馴染みのいびつで不穏な関係 『シュガーウォール』の話

10年前に父母を亡くし、そしてつい一か月前にも姉を亡くした高校生・柚原(ゆはら)。なんとか一人で暮らす中、見覚えのないベリーショートの女の子と出会う。だが、自分を呼ぶ「ゆんちゃん」という響きに、相手がかつて隣に住んでいた幼馴染み・黄路(こう…

車椅子の美少女と寡黙な青年 厳しい時代に二人が探すものは 『春風のスネグラチカ』の話

時は1933年、ソヴィエト連邦の北西部に位置するカレリア自治共和国で、湖畔で絵を描いている男が一組の男女に話しかけられた。車椅子に乗った美貌の少女と、それを押す寡黙な青年。少女は、湖畔に立つ別荘の管理人である男にそこへ一週間住まわせるよう賭け…

めんどくさい女の子に振り回されるのは天国、なのか?『お前ら全員めんどくさい!』の話

高校の国語科教師、國立国彦。新任ながらも担任を持ち、なんやかやと日々をこなしている。けれどある日、ふとしたことから一人の女生徒・一宮数美に懐かれて以来、どうやらモテ期が来てるらしい。泣き虫無口眼鏡。先生専門のビッチ。ツンデレ委員長。わがま…

光る女の子は恋してる証拠 じゃあ彼女は…? 『恋は光』の話

男子大学生・西条は、中学に上がった頃から恋をしている女性が光って視えるようになった。けれど、自分に向かって光ってくれる女性がなかなか現れないでいる内に、いつしか彼は恋愛そのものを遠ざけるように。そんな西条がある日大学の講義で出会ったのが、…

しゃべるクマと暮らす限界集落の中学生巫女『くまみこ』の話

東北のとある山奥にある熊出村。そこに伝わる伝説によれば、かつて猛威を奮った人食いクマは一人の娘の説得により改心し、以降村のために働き、村人と共存したという。その末裔である人語を解するクマ・ナツと、クマと村人の橋渡しとなる巫女のまち。村の守…

そして今日も劇は続く 不自然な日々とともに 『レストー夫人』の話

「レストー夫人」。それは、ある高校の2年生が毎年行う劇の演目。7つのクラスで同じ劇からそれぞれ異なる台本を作るため、7つの「レストー夫人」が毎年上演される。 ある年のあるクラス、そこには志野という少女がいた。西洋人じみた美しい顔立ちの彼女は…

神話にメガネっ娘に神話と、少年の心をくすぐる『昔話のできるまで』の話

現代によみがえった日本神話。漫画研究会のハードな漫画指南。魔女に命を救われた少年。おっぱいおさげ眼鏡と「ネズミの嫁入り」の融合。小学生男女と龍の出会い。第二次大戦末期ドイツでの戦車逃避行。豊富な知識と濃厚な趣味に裏打ちされた、山田穣初の短…

少女と黒猫(?)のかわいくも不穏な日々『黒−kuro−』の話

広い洋館で一人暮らす少女ココ。でも彼女は寂しくない。愛猫のクロがいつもそばにいてくれるから。クロは、ある日姿を消して、戻ってきてからちょっと雰囲気は変わったような気もするけど、クロのおかげで毎日が楽しい。 けれど彼女に見えていない世界には、…

女子高生は下ネタとか好きだから! 『アナーキー・イン・ザ・JK』の話

アナーキー・イン・ザ・JK (ヤングジャンプコミックス)作者: 位置原光Z出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/05/19メディア: コミックこの商品を含むブログ (15件) を見るということで、位置原光Z先生の処女商業単行本『アナーキー・イン・ザ・JK』のレビ…

今日少女は異形の魔法使いの嫁になる 『魔法使いの嫁』の話

幼い頃から超自然の存在を当たり前に目にしていた羽鳥智世は、それゆえにか周囲から浮き、父は行方知れずとなり、母は彼女の目の前で死んでいた。独りとなり、親戚からも世話を拒否された彼女は、15歳になったある時、とある男の言葉に乗り、自分自身を裏…

最高の負け試合で美しく散れ! 『夕空のクライフイズム』の話

中の上くらいの実力である私立木登学園サッカー部。元々弱小だったチームを数年でそれなりの強豪校にまで仕上げた監督だったが、周りからの期待に圧され、次第にその指導は、負けをひどく恐れる余りの高圧的でつまらないものになってしまっていた。 高2の今…

男と女のSFでエログロでナンセンスな掌編集 『幻想ギネコクラシー』の話

「ギネコクラシー」。それは、「女性上位」「女権社会」を意味する言葉。古来、まだ人の社会がささやかな規模であった頃、それは女性を首長とする穏健な集団であったという。だが、社会が複雑になり、集団同士が相争うようになると、首長の座は男性にとって…

悩める生徒が駆け込む単眼系保健医『ヒトミ先生の保健室』の話

ヒトミ先生は中学校の養護教諭。彼女の保健室には、今日も多くの生徒が訪れます。長く伸びてしまった舌(3m強)、大きくなってしまう/小さくなってしまう身長、簡単に外れてしまう体の各部位、周りの目が気になって透明になってしまう自分の身体。思春期の…